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出会い編
4, その皇帝、不器用につき
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「ルネ、シナリオ通りのドレスを注文しなかったそうだな。どういうつもりだ。」
夜、僕の自室に来たエドヴァル様にいの一番に詰問された。
彼が部屋に来るのは寵愛のアリバイづくりだ。
「だって、流石に酷すぎると思って。王妃の色でドレスを目の前で作るなんて。マリーズ様震えてましたよ。」
「あれはいつもそういう被害者面をしている。気にするなと何度も言っているだろう。」
ソファにどかりと座って踏ん反り返るエドヴァル様。
あーもうこいつ、マリーズ様を好きなくせに素直じゃ無いったら。
「何度も言ってるのはこっちですよ。何でマリーズ様に何も説明しないんですか。作戦だって言って彼女にも協力してもらいましょうよ。」
「あれが演技なんて出来るわけない。それに下手な工作はするなと言うだろう。王宮に馴染む気もない癖に。」
拗ねたようにフンと鼻を鳴らした。
何だ君。不器用か。不器用君なのか。
わかってるよ。というか、王宮に来てまだ数ヶ月だけど何となくわかったよ。
エドヴァル様が僕を訪ねる前の半年間マリーズ王妃が王宮に馴染むよう気を遣ってたこと。
そしてそれにもかかわらず彼女が悲壮な顔ばかりしてるからロストリアの貴族たちの反感を買っちゃったこと。
だから手っ取り早く共通の敵を作って周りの反感を逸らして、自分が困ってる王妃を助けてあわよくば気持ちを向けてもらおうって腹づもりだよね。
僕の推測だけどさ。
でもさ、正直逆効果じゃね?
もっと心閉ざすんじゃね?
というか浮気良くなくね?
まあ、実際はエドヴァル様と僕の間にやましいことは一切ないけど王妃様にはしてるように見えてるわけで……。
「やっぱりマリーズ王妃には言いましょうよ……。」
「言わない。」
あーもうこいつ!
はあ、と溜息をつく。
「私に協力するのが嫌になったか?」
エドヴァル様が豪奢なチェアに座ったまま僕を上目遣いで見た。
う゛……やっぱり何度見てもかっこいい顔してる。
それに、僕のファンらしいしお芝居を褒めてくれたし……
「嫌……では無いですけど……。」
僕が言うとエドヴァル様はふっと笑った。
その表情に胸がキュンとする。
なんなんだ僕。不毛過ぎる。
エドヴァル様が僕を寵愛するフリをするのは、多分マリーズ様に嫉妬して欲しいからなんじゃないかなって思う。
つまり、僕はどこまで行っても当て馬なわけ。
この先のシナリオは決まってる。
僕は王宮で我が物顔で振舞ってみんなに嫌われて、最後はエドヴァル様に追放されて終わる。
エドヴァル様は王妃を助けてめでたしめでたし。
物語上も恋でも当て馬。
これ僕視点では何て悲劇?
いや、もう喜劇かもしれない。
それでも、エドヴァル様のためならって思う僕が1番の笑いどころのね。
夜、僕の自室に来たエドヴァル様にいの一番に詰問された。
彼が部屋に来るのは寵愛のアリバイづくりだ。
「だって、流石に酷すぎると思って。王妃の色でドレスを目の前で作るなんて。マリーズ様震えてましたよ。」
「あれはいつもそういう被害者面をしている。気にするなと何度も言っているだろう。」
ソファにどかりと座って踏ん反り返るエドヴァル様。
あーもうこいつ、マリーズ様を好きなくせに素直じゃ無いったら。
「何度も言ってるのはこっちですよ。何でマリーズ様に何も説明しないんですか。作戦だって言って彼女にも協力してもらいましょうよ。」
「あれが演技なんて出来るわけない。それに下手な工作はするなと言うだろう。王宮に馴染む気もない癖に。」
拗ねたようにフンと鼻を鳴らした。
何だ君。不器用か。不器用君なのか。
わかってるよ。というか、王宮に来てまだ数ヶ月だけど何となくわかったよ。
エドヴァル様が僕を訪ねる前の半年間マリーズ王妃が王宮に馴染むよう気を遣ってたこと。
そしてそれにもかかわらず彼女が悲壮な顔ばかりしてるからロストリアの貴族たちの反感を買っちゃったこと。
だから手っ取り早く共通の敵を作って周りの反感を逸らして、自分が困ってる王妃を助けてあわよくば気持ちを向けてもらおうって腹づもりだよね。
僕の推測だけどさ。
でもさ、正直逆効果じゃね?
もっと心閉ざすんじゃね?
というか浮気良くなくね?
まあ、実際はエドヴァル様と僕の間にやましいことは一切ないけど王妃様にはしてるように見えてるわけで……。
「やっぱりマリーズ王妃には言いましょうよ……。」
「言わない。」
あーもうこいつ!
はあ、と溜息をつく。
「私に協力するのが嫌になったか?」
エドヴァル様が豪奢なチェアに座ったまま僕を上目遣いで見た。
う゛……やっぱり何度見てもかっこいい顔してる。
それに、僕のファンらしいしお芝居を褒めてくれたし……
「嫌……では無いですけど……。」
僕が言うとエドヴァル様はふっと笑った。
その表情に胸がキュンとする。
なんなんだ僕。不毛過ぎる。
エドヴァル様が僕を寵愛するフリをするのは、多分マリーズ様に嫉妬して欲しいからなんじゃないかなって思う。
つまり、僕はどこまで行っても当て馬なわけ。
この先のシナリオは決まってる。
僕は王宮で我が物顔で振舞ってみんなに嫌われて、最後はエドヴァル様に追放されて終わる。
エドヴァル様は王妃を助けてめでたしめでたし。
物語上も恋でも当て馬。
これ僕視点では何て悲劇?
いや、もう喜劇かもしれない。
それでも、エドヴァル様のためならって思う僕が1番の笑いどころのね。
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