パンプキンハニー・パン・パン ♥スイスパ サブストーリー１♥

🎃約束の１０月３１日 ３－７

ケースの下側に仕込まれていたLEDが光を放ち、周囲の人たちの興奮のボルテージが上がるのが画面からでも分かった。
そして、今まで罵倒だけしていたコバの周囲のスレイブ達が、一斉にケースを叩いたり蹴とばしたりしはじめた。
「オイ！」
流石にこれは不味くないか？と思って、高岡に声をかけたが、高岡は白けた表情で画面を見つめているだけだった。
画面からコバの声を豚の鳴き声に変換した『ブギャー！！ピギー！！』という無様な音が聞こえてきている。
ケースを叩いたり蹴飛ばしているスレイブ達の声も入ってきていた。
『ここかな?!』
『この、飼い主様を裏切った豚が！！』
『恥を知れ！！』
『おら！嬉しいなぁ？一人の御主人様じゃ足りないオマタのだらし無いＭ豚ちゃん！！』
『中々出ないね、今回』
罵る声の中に何かを探している様な言葉が混じっている。
高岡に、奴ら何を探しているんだか聞こうと声を出す直前に、
パリパリバチン！！というスタンガンの音みたいな音と共に
一気に回りのスレイブ達がはしゃぎだした。
マスク越しのコバの絶叫と、その声を変換した豚の鳴き声がスピーカー越しに響いて来た。
『やった！一個見つけた！』
『右肩はこの角か！他は?!』
そんな声の合間に、もう一度バチンという音がして、ピギーっと言うリアルかつコミカルな豚の鳴き声が響いた。
箱の中のコバが動けないながらにも暴れているのが見えた。
「電気ショックかよ」
俺はドン引きしながら思わずつぶいやいた。
俺を抱きしめる琢美の腕にも力がこもった。
スレイブ達は一気に盛り上がって、我先にと激しく箱を叩き、蹴飛ばし始めた。
コバの表情が絶望に歪んだ。
高岡は、そんなコバを相変わらず冷めた表情で見ていた。