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第25話 特別な神性石と槍
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僕たちは食事を終えた後、それぞれ別れた。僕とリンはルイと合流する約束があるため、死神の教会に向った。スーネたちは自分たちの用事があるそうで、そちらに取り掛かるようだ。そして僕たちは死神の教会に着き、入る。そこにはこの教会の神父であるヌー爺さんとルイがいた。彼らは僕とリンに気づき、待ってましたという顔になった。
「お待ちしておりましたよ。仁さんとリンさん」
ヌー爺さんがにこりとした。ルイがここに僕たちが来ることを伝えていたのだろう。それで待たせてしまっていたようだ。
「すいません。講習を受けた後に食事をとっていたらこの時間になってしまいました」
「仁。儂らは時間の約束などしていない。そこのエセ神父の嫌味に付き合う必要はないぞ」
どうやら嫌味だったようだ。
「それより仁、さっそくこの教会にあった神性石を渡すよ。これを持てば君の漏れている神性力は、石が勝手に吸収する。だから今後は誰かに君が神性力を持っていることがバレなくて済む。首にかけれるようにしたからすぐに身に着けることができるよ」
そう言ってルイは僕に勾玉の形をした白い石のようなものを僕に手渡す。その石には小さい穴が開いており、そこにルイが首にかけてる物と同じチェーンが通されている。僕はさっそく身に着けた。
「どうかな?これで僕の神性力は見えなくなってる?」
「うん!大丈夫だよ。失くさないようにしてね。ボクの責任になっちゃうから」
「その通りですよ、仁さん。その神性石は安くありませんから、注意したほうがいいですよ」
これで当分は安心できる。だが守銭奴のヌー爺さんが安くないというと不安になる。どれくらいするのだろうか。
「ちなみにいくらするのですか?」
「具体的な値段はわかりませんが、出すところに出せば領地がもらえるくらいですよ」
ヌー爺さんがにこにこして言った。そこにルイが説明をする。
「そうだね、仁。この間、神性石について簡単に説明したよね。この世界に溢れた神性力で鉱物とかが変質したものだって。今基本的に市場にあるのは、その変質した鉱物である神性石が天然の形をしたままの物が出回っているんだ。本当に稀に宝石型の神性石が出回ることもあるけど、それもかなりの高級品になる。でも君のは勾玉型だ。これは今の時代に存在しない技術で神性石が加工された物なんだ。神性石の中でも特別なもの。だから国宝級であり、領地が買える値段がつく。だから絶対に失くさないでね!」
ルイもにこにこして言った。
「よくそんな高級品を貸してくれたものじゃな。こんな辺境の教会にそのような物があるとは思わなんだ」
「そこまでの物を会ったばかりの僕に貸してもいいの?」
「いいよ。その代わり持ち逃げしたら、ボクたちに指名手配されるよ。そのうえでボクが君の背中を追うことになるだろうね!」
「…」
なんて恐ろしいことを言うのだろうか。絶対に持ち逃げできないな。ルイの言うボクたちとは死神の使徒のことだ。それにルイが大鎌を持って僕の背中を追って来るなど恐怖以外の何物でもない。僕が内心震え上がっているとルイが続けて言う。
「それにね、仁の場合はこの神性石じゃないと意味がないんだ。本来の神性石は、受動的に神性力を溜める。天然物に神性力が溜まっていた場合は、長い時間をかけて少しずつ神性力が蓄積された物だ。だから神性力が溜まっていない神性石には、僕たちが力を籠めて使う。でも仁は神性力を操れていない。だから君にはこの加工された神性石が必要なんだ」
「加工された神性石と天然物は何が違うの?」
「それは神性力の吸収の仕方が違うんだよ。君に渡した勾玉型の神性石は自発的に神性力を吸収するように加工されている。だから君の漏らした神性力を何もしなくても吸収して蓄積してくれる。それに神性力を溜めこめる器も違う。まさにどこか王様でも手に入らない一級品だよ」
「それは凄いね。ただそこまで凄いと偉い人たちに権力で奪われたりしないかな?」
もし偉い人に強引に奪われたら、今の僕では取り戻す術がない。暴力と権力のセットで取り上げられたら、お手上げである。だがそんな僕の不安をヌー爺さんが否定する。
「それは安心してもいいですよ。その勾玉型の神性石の所有権は我々死神の教会にあります。権力でそれを奪うということは、この大陸中に点在する我々を敵に回すということですので」
「だから仁は失くさなければそれでいいよ。もし直接奪いに来てもボクがいれば返り討ちにできるから」
そこまで言ってくれると安心できる。
「しかし見れば見るほど凄い逸品じゃな。これほどの物であれば、もしや神が宿ることもできるやもしれぬ」
「まあね。死神様の教会はかなり古くからある。だからこんな辺境でもそういう掘りだし物もあるんだよ」
リンもこの神性石に驚いていた。確かに死神の教会の歴史は古そうだ。だって建物も古いし。
「それとね。君たちのどっちかにもう一個プレゼントがあるんだ。ヌー爺持ってきて」
プレゼントとは何だろうか?待っているとヌー爺さんが布に包まれた棒状の物を持ってくる。
「これはこの教会で埃を被ってたから、どうかなと思って用意したんだ。君たちはずっとしょぼい槍を使ってるでしょ。その槍だと強敵が現れたとき大変だと思う。だって神性力を槍に通そうしても、槍が脆いから長くはもたない。その槍だと神性力が発揮できないから、もったいないと思うんだ。だからそれに耐えうる槍を一本持ってきたよ」
確かに僕らがこの町に持ってきた槍は脆い物だ。現に僕の愛のあった相棒は砕けて死んだ。だから彼の言うことは理解できる。
ルイはヌー爺さんが持ってきた物を受け取ると巻かれている布をとった。そこにあるのは美しい槍だった。黒い穂先に黒い柄。その穂先の刃は片刃となっており、鋭く長い。そして金属で作られているため、その質感によって鈍い光を放っている。間違いなく僕らが持っていた物より各段に品が良い。
僕が少し見とれているとルイは説明を続ける。
「この槍は死神様が祝福を与えた武器。だからその神性力によって黒くなってるんだ」
神の祝福を受けた武器…。そんなものがこの世にあるのか。
「神が武器に祝福を与えることがあるんですか?」
「そういうこともあるんですよ、仁さん。死神様は我々に加護を与えるように、物にもそれを与えることができる。まぁ滅多にあることでないですがね。ただ私と同じように強い力を持っているわけではありません。せいぜいゾンビを斬ればそのまま死を与えることが出来る程度です」
「それは十分凄いと思いますけど…」
僕の疑問にヌー爺さんが答えた、この槍でゾンビを斬れば、ルイと同じ結果が得られるということだ。かなり強い力ではないだろうか。それに対してルイが答える。
「確かにゾンビには有効だけど、それ以外にはほぼ効果はないんだよね。例えば僕がこの鎌に神性力を通せば、この鎌の強度が上がって斬れ味も良くなる。それに急所を攻撃すればそこに神性力を通せるから、相手によっては即死させることができる。でもその槍はそこまでの効果はない。だからもし君が槍の強度を上げたかったら、君自身の神性力を通すしかないんだ」
なるほど。対ゾンビ用の武器におさまっている槍だということか。この槍に僕とリンの神性力が通るのだろうか。
「この槍に僕の神性力が通るの?」
「それはやってみないとわからないよ。僕たちに加護を与えた死神様の神性力と君が持っている神性力は違う。だから君が死神様の加護を持っていないことは見ればわかる。だけど君に加護を与えた神様が死神様と相性がいいのかわからない。そこらへんは死神様と君の神様次第だと言えるだろうね」
確かに相性の良し悪しは僕たちにはわからないな。でもこの槍はきっと今までの物より使える。問題は僕とリンのどっちが使うかだ。とにかくこれで僕の槍が壊された問題は解決する。
リンにこの槍をどうするか相談する。
「リンどうする?もしリンが使うなら、リンの槍を僕にくれればいい。それで僕の槍の問題は解決するよ」
「槍の問題?」
ルイが首をかしげる。
「実は冒険者ギルドの講習で僕の槍が壊れてしまったんだ。それでリンとどうしようかと悩んでたんだよ」
「へぇ、そんなことがあったんだ。だから仁は今槍を持っていないんだね。だったらボクのプレゼントはベストなタイミングだったかもね!」
ルイは嬉しそうにした。
「ふむ。まぁそれは仁が使えばよかろう。儂は元々槍が一番得意な武器ではない。それゆえその槍を受け取ってもいつかは別の武器に変える。ならば初めから仁が持っていたほうが良かろう」
どうやらリンはいつか別の武器に変えるようだ。ウービとの戦いを見ていたとき、かなり槍裁きがうまかったと思ったが、あれで一番でないとは…。さすが神である。
「じゃあ、僕が使わせてもらうね。ありがとう、ルイ!ちょうど武器を調達しに行かないといけないって話してたんだ」
「君たちお金持ってないのに武器を買おうとしてたの?それってボクがお金を出すってことじゃないよね?」
ルイは僕たちをジト目で見た。それにリンが答える。
「良いではないか。儂からも感謝しておこう。助かったぞ、ルイ」
「まぁ、感謝されて悪い気はしないよ。仁の槍の問題に関しては、ボク様様ってことだね!でも君たちボクにたかりすぎだから気を付けてね」
「そうだね。気を付けるよ」
「うむ」
ルイは満更でもなさそうに僕たちに注意した。頼りにされて嬉しいのだろう。それに対して僕たちは同意した。確かに僕とリンはルイに借りが出来てばかりだ。何かそれを返す方法はないのかと考えなければならない。
そうして僕たちはルイから槍と神性石を借りることになり、ルイに借りを作った。
「あとその槍は祝福を受けた武器だから、銘が与えられているみたいなんだ」
「どんな?」
「『線切』。それはゾンビを切る槍だからね。死体に捕らわれた魂に絡む糸を断つ。亡骸に引っ張られた魂と肉体の縁を切る。そして生前の因果を解く。そんな銘さ」
ーーーーーーーーーーーー
羊文字さんの『more than words』を聴きながら、書いています。
好きすぎてとびそうです。
「お待ちしておりましたよ。仁さんとリンさん」
ヌー爺さんがにこりとした。ルイがここに僕たちが来ることを伝えていたのだろう。それで待たせてしまっていたようだ。
「すいません。講習を受けた後に食事をとっていたらこの時間になってしまいました」
「仁。儂らは時間の約束などしていない。そこのエセ神父の嫌味に付き合う必要はないぞ」
どうやら嫌味だったようだ。
「それより仁、さっそくこの教会にあった神性石を渡すよ。これを持てば君の漏れている神性力は、石が勝手に吸収する。だから今後は誰かに君が神性力を持っていることがバレなくて済む。首にかけれるようにしたからすぐに身に着けることができるよ」
そう言ってルイは僕に勾玉の形をした白い石のようなものを僕に手渡す。その石には小さい穴が開いており、そこにルイが首にかけてる物と同じチェーンが通されている。僕はさっそく身に着けた。
「どうかな?これで僕の神性力は見えなくなってる?」
「うん!大丈夫だよ。失くさないようにしてね。ボクの責任になっちゃうから」
「その通りですよ、仁さん。その神性石は安くありませんから、注意したほうがいいですよ」
これで当分は安心できる。だが守銭奴のヌー爺さんが安くないというと不安になる。どれくらいするのだろうか。
「ちなみにいくらするのですか?」
「具体的な値段はわかりませんが、出すところに出せば領地がもらえるくらいですよ」
ヌー爺さんがにこにこして言った。そこにルイが説明をする。
「そうだね、仁。この間、神性石について簡単に説明したよね。この世界に溢れた神性力で鉱物とかが変質したものだって。今基本的に市場にあるのは、その変質した鉱物である神性石が天然の形をしたままの物が出回っているんだ。本当に稀に宝石型の神性石が出回ることもあるけど、それもかなりの高級品になる。でも君のは勾玉型だ。これは今の時代に存在しない技術で神性石が加工された物なんだ。神性石の中でも特別なもの。だから国宝級であり、領地が買える値段がつく。だから絶対に失くさないでね!」
ルイもにこにこして言った。
「よくそんな高級品を貸してくれたものじゃな。こんな辺境の教会にそのような物があるとは思わなんだ」
「そこまでの物を会ったばかりの僕に貸してもいいの?」
「いいよ。その代わり持ち逃げしたら、ボクたちに指名手配されるよ。そのうえでボクが君の背中を追うことになるだろうね!」
「…」
なんて恐ろしいことを言うのだろうか。絶対に持ち逃げできないな。ルイの言うボクたちとは死神の使徒のことだ。それにルイが大鎌を持って僕の背中を追って来るなど恐怖以外の何物でもない。僕が内心震え上がっているとルイが続けて言う。
「それにね、仁の場合はこの神性石じゃないと意味がないんだ。本来の神性石は、受動的に神性力を溜める。天然物に神性力が溜まっていた場合は、長い時間をかけて少しずつ神性力が蓄積された物だ。だから神性力が溜まっていない神性石には、僕たちが力を籠めて使う。でも仁は神性力を操れていない。だから君にはこの加工された神性石が必要なんだ」
「加工された神性石と天然物は何が違うの?」
「それは神性力の吸収の仕方が違うんだよ。君に渡した勾玉型の神性石は自発的に神性力を吸収するように加工されている。だから君の漏らした神性力を何もしなくても吸収して蓄積してくれる。それに神性力を溜めこめる器も違う。まさにどこか王様でも手に入らない一級品だよ」
「それは凄いね。ただそこまで凄いと偉い人たちに権力で奪われたりしないかな?」
もし偉い人に強引に奪われたら、今の僕では取り戻す術がない。暴力と権力のセットで取り上げられたら、お手上げである。だがそんな僕の不安をヌー爺さんが否定する。
「それは安心してもいいですよ。その勾玉型の神性石の所有権は我々死神の教会にあります。権力でそれを奪うということは、この大陸中に点在する我々を敵に回すということですので」
「だから仁は失くさなければそれでいいよ。もし直接奪いに来てもボクがいれば返り討ちにできるから」
そこまで言ってくれると安心できる。
「しかし見れば見るほど凄い逸品じゃな。これほどの物であれば、もしや神が宿ることもできるやもしれぬ」
「まあね。死神様の教会はかなり古くからある。だからこんな辺境でもそういう掘りだし物もあるんだよ」
リンもこの神性石に驚いていた。確かに死神の教会の歴史は古そうだ。だって建物も古いし。
「それとね。君たちのどっちかにもう一個プレゼントがあるんだ。ヌー爺持ってきて」
プレゼントとは何だろうか?待っているとヌー爺さんが布に包まれた棒状の物を持ってくる。
「これはこの教会で埃を被ってたから、どうかなと思って用意したんだ。君たちはずっとしょぼい槍を使ってるでしょ。その槍だと強敵が現れたとき大変だと思う。だって神性力を槍に通そうしても、槍が脆いから長くはもたない。その槍だと神性力が発揮できないから、もったいないと思うんだ。だからそれに耐えうる槍を一本持ってきたよ」
確かに僕らがこの町に持ってきた槍は脆い物だ。現に僕の愛のあった相棒は砕けて死んだ。だから彼の言うことは理解できる。
ルイはヌー爺さんが持ってきた物を受け取ると巻かれている布をとった。そこにあるのは美しい槍だった。黒い穂先に黒い柄。その穂先の刃は片刃となっており、鋭く長い。そして金属で作られているため、その質感によって鈍い光を放っている。間違いなく僕らが持っていた物より各段に品が良い。
僕が少し見とれているとルイは説明を続ける。
「この槍は死神様が祝福を与えた武器。だからその神性力によって黒くなってるんだ」
神の祝福を受けた武器…。そんなものがこの世にあるのか。
「神が武器に祝福を与えることがあるんですか?」
「そういうこともあるんですよ、仁さん。死神様は我々に加護を与えるように、物にもそれを与えることができる。まぁ滅多にあることでないですがね。ただ私と同じように強い力を持っているわけではありません。せいぜいゾンビを斬ればそのまま死を与えることが出来る程度です」
「それは十分凄いと思いますけど…」
僕の疑問にヌー爺さんが答えた、この槍でゾンビを斬れば、ルイと同じ結果が得られるということだ。かなり強い力ではないだろうか。それに対してルイが答える。
「確かにゾンビには有効だけど、それ以外にはほぼ効果はないんだよね。例えば僕がこの鎌に神性力を通せば、この鎌の強度が上がって斬れ味も良くなる。それに急所を攻撃すればそこに神性力を通せるから、相手によっては即死させることができる。でもその槍はそこまでの効果はない。だからもし君が槍の強度を上げたかったら、君自身の神性力を通すしかないんだ」
なるほど。対ゾンビ用の武器におさまっている槍だということか。この槍に僕とリンの神性力が通るのだろうか。
「この槍に僕の神性力が通るの?」
「それはやってみないとわからないよ。僕たちに加護を与えた死神様の神性力と君が持っている神性力は違う。だから君が死神様の加護を持っていないことは見ればわかる。だけど君に加護を与えた神様が死神様と相性がいいのかわからない。そこらへんは死神様と君の神様次第だと言えるだろうね」
確かに相性の良し悪しは僕たちにはわからないな。でもこの槍はきっと今までの物より使える。問題は僕とリンのどっちが使うかだ。とにかくこれで僕の槍が壊された問題は解決する。
リンにこの槍をどうするか相談する。
「リンどうする?もしリンが使うなら、リンの槍を僕にくれればいい。それで僕の槍の問題は解決するよ」
「槍の問題?」
ルイが首をかしげる。
「実は冒険者ギルドの講習で僕の槍が壊れてしまったんだ。それでリンとどうしようかと悩んでたんだよ」
「へぇ、そんなことがあったんだ。だから仁は今槍を持っていないんだね。だったらボクのプレゼントはベストなタイミングだったかもね!」
ルイは嬉しそうにした。
「ふむ。まぁそれは仁が使えばよかろう。儂は元々槍が一番得意な武器ではない。それゆえその槍を受け取ってもいつかは別の武器に変える。ならば初めから仁が持っていたほうが良かろう」
どうやらリンはいつか別の武器に変えるようだ。ウービとの戦いを見ていたとき、かなり槍裁きがうまかったと思ったが、あれで一番でないとは…。さすが神である。
「じゃあ、僕が使わせてもらうね。ありがとう、ルイ!ちょうど武器を調達しに行かないといけないって話してたんだ」
「君たちお金持ってないのに武器を買おうとしてたの?それってボクがお金を出すってことじゃないよね?」
ルイは僕たちをジト目で見た。それにリンが答える。
「良いではないか。儂からも感謝しておこう。助かったぞ、ルイ」
「まぁ、感謝されて悪い気はしないよ。仁の槍の問題に関しては、ボク様様ってことだね!でも君たちボクにたかりすぎだから気を付けてね」
「そうだね。気を付けるよ」
「うむ」
ルイは満更でもなさそうに僕たちに注意した。頼りにされて嬉しいのだろう。それに対して僕たちは同意した。確かに僕とリンはルイに借りが出来てばかりだ。何かそれを返す方法はないのかと考えなければならない。
そうして僕たちはルイから槍と神性石を借りることになり、ルイに借りを作った。
「あとその槍は祝福を受けた武器だから、銘が与えられているみたいなんだ」
「どんな?」
「『線切』。それはゾンビを切る槍だからね。死体に捕らわれた魂に絡む糸を断つ。亡骸に引っ張られた魂と肉体の縁を切る。そして生前の因果を解く。そんな銘さ」
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羊文字さんの『more than words』を聴きながら、書いています。
好きすぎてとびそうです。
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