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第一章 妹との別れ、妖精との出会い
第6話 俺に魔法を教えてくれ!
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改めて周りを見回してみる。
勢いよく育った木々の中心にポッカリと空いた空間に俺はいた。
服装は、白いシャツに、黒のズボン、手にはジャケットと白のネクタイを持っている。狭間の世界にいた時の格好だ。結婚式の帰り道の服のまんまだな。
そして、眼の前には、肩くらいまで伸ばした青い髪に髪飾りを付け、上質なドレスを着ている虫・・・じゃない妖精のウェンディが俺の前に浮かんでいる。
「いい?一度しか言わないから良く聞きなさい!」
「あのなウェンディ。はじめて会った人に説明するのに一度しか言わないのは駄目だ。理解させるために何度も説明しなきゃいけない。そんなだとプレセンでいい印象を持たれないぞ!」
ここアトランティスの説明を始めようとするウェンディに社会人の常識を教えた。
「・・・あなた、めんどくさいわね。プレセンが何か知らないけど、分からないことはその都度質問して」
「よろしい!」
「・・・・・・っと言うわけよ。」
ウェンディから聞いた話によるとアトランティスは2つの大陸分かれているという。
真ん中にあるのが中央大陸。
その西側にあるのが魔大陸。
中央大陸と魔大陸の間には荒れ狂う海峡がある。
中央大陸には大きな国が4つあり、それぞれ
東のミルフィーユ王国
中央のセンターパレス王国
西のスロープ帝国
北のシーロード獣王国
西の魔大陸は、エアロ様が話したがらないので、良く知らないらしい。
大まかに分けてそんな感じだ。
俺達が今いる場所はミルフィーユ王国とセンターパレス王国の北側にある「妖魔の森」
と呼ばれる森の中。
とにかくこの「妖魔の森」は広大で、妖精はもちろん、魔獣や獣がたくさんいるようだ。
「へぇ~この森にはウェンディみたいのがウジャウジャいるのか」
「何よ。私のことを虫みたるいに言わないでよ!確かに妖精はいるけど、私みたいに高貴な妖精は稀ね。ほとんどは意思を持たない小さい幼霊よ」
「ふーん。ウェンディの周りにいる様なピカピカ光っているヤツのことか?」
「うそっ!あなたこれが見えるの?」
「ああ。見えるぞ。たくさんいるだろ?」
俺の周りにもチラチラ光るものがくっついては離れていく。
「えっとね。これは幼霊と言ってこの世界のどこにでもいるの。普通の人は見えないんだけど、精霊に愛されたものは見ることができるわ」
「俺は精霊に愛されているってことか?」
「そう言うことね。でもガンテツ様の息子なら納得ね。ガンテツ様はすべての精霊に愛されていたそうだから」
親父は精霊と異世界ハーレムをしていたのだろうか?そう思うと鳥肌が立つ。
「えとね。精霊に愛される人は、その人柄もそうだけど、その人が持っている魔力が関係しているの。誰もが持っている魔力の波長が精霊に心地良いものが条件ね」
ウェンディが言うには、魔力は人それぞれ波長が違うらしい。怒りやすい人は荒々しく、気弱な人は落ち着いた波長のようだ。
「なぁ異世界からきた人にも魔力はあるのか?」
「あるに決まってるじゃない。人は妖精と同じで魔力が無ければ生きていけないわ。」
ということは。
ガシッ!
「よし!ウェンディ!魔法を教えてくれ。」
俺はウェンディの手を取りブンブン振り回しながら懇願した。
はじめは初級から始めて魔法を体に馴染ませて行くのが良いだろう。
さぁテンション上がってきたぞ!
「ちょちょ、何よいきなり!」
「そうだな。最初は火の魔法がいいだろう。しかし、雷属性も捨てがたい。汎用性が高いからな」
ズイッとウェンディの顔に近づける。
「うわっ近い近い!離れて!」
「それでまずどうするんだ?呪文か?詠唱か?厨二病的な言葉は、少し恥ずかしいがここは異世界だ。我慢しよう!」
「なに理由わからないこと言ってるの?」
「さぁさぁさぁ教えてくれ!」
その時、ウェンディの周りが青く輝くと、俺に向かって突風が押し寄せた。
「いい加減にしろーー!!!」
ブワッ
「な、な、な、なんだ?ウワッーー!」
バキバキバキバキッ!
ドォーン!
俺の体はそこら辺の木をなぎ倒しふっ飛ばされた。
・・・・・・・・・
「この度は、魔法の事で興奮したとはいえ、小さな女の子の手を取り、顔を近づけて、理由のわからない事を叫んでしまい申し訳ございませんでした。つきましては当方、謝罪の意味を込めまして、誠心誠意土下座をさせていただきます」
柔らかな日差しを受け、心地よい風が吹く森の中、俺はアトランティスの転生初日に小さな妖精に土下座をしたのだった。
勢いよく育った木々の中心にポッカリと空いた空間に俺はいた。
服装は、白いシャツに、黒のズボン、手にはジャケットと白のネクタイを持っている。狭間の世界にいた時の格好だ。結婚式の帰り道の服のまんまだな。
そして、眼の前には、肩くらいまで伸ばした青い髪に髪飾りを付け、上質なドレスを着ている虫・・・じゃない妖精のウェンディが俺の前に浮かんでいる。
「いい?一度しか言わないから良く聞きなさい!」
「あのなウェンディ。はじめて会った人に説明するのに一度しか言わないのは駄目だ。理解させるために何度も説明しなきゃいけない。そんなだとプレセンでいい印象を持たれないぞ!」
ここアトランティスの説明を始めようとするウェンディに社会人の常識を教えた。
「・・・あなた、めんどくさいわね。プレセンが何か知らないけど、分からないことはその都度質問して」
「よろしい!」
「・・・・・・っと言うわけよ。」
ウェンディから聞いた話によるとアトランティスは2つの大陸分かれているという。
真ん中にあるのが中央大陸。
その西側にあるのが魔大陸。
中央大陸と魔大陸の間には荒れ狂う海峡がある。
中央大陸には大きな国が4つあり、それぞれ
東のミルフィーユ王国
中央のセンターパレス王国
西のスロープ帝国
北のシーロード獣王国
西の魔大陸は、エアロ様が話したがらないので、良く知らないらしい。
大まかに分けてそんな感じだ。
俺達が今いる場所はミルフィーユ王国とセンターパレス王国の北側にある「妖魔の森」
と呼ばれる森の中。
とにかくこの「妖魔の森」は広大で、妖精はもちろん、魔獣や獣がたくさんいるようだ。
「へぇ~この森にはウェンディみたいのがウジャウジャいるのか」
「何よ。私のことを虫みたるいに言わないでよ!確かに妖精はいるけど、私みたいに高貴な妖精は稀ね。ほとんどは意思を持たない小さい幼霊よ」
「ふーん。ウェンディの周りにいる様なピカピカ光っているヤツのことか?」
「うそっ!あなたこれが見えるの?」
「ああ。見えるぞ。たくさんいるだろ?」
俺の周りにもチラチラ光るものがくっついては離れていく。
「えっとね。これは幼霊と言ってこの世界のどこにでもいるの。普通の人は見えないんだけど、精霊に愛されたものは見ることができるわ」
「俺は精霊に愛されているってことか?」
「そう言うことね。でもガンテツ様の息子なら納得ね。ガンテツ様はすべての精霊に愛されていたそうだから」
親父は精霊と異世界ハーレムをしていたのだろうか?そう思うと鳥肌が立つ。
「えとね。精霊に愛される人は、その人柄もそうだけど、その人が持っている魔力が関係しているの。誰もが持っている魔力の波長が精霊に心地良いものが条件ね」
ウェンディが言うには、魔力は人それぞれ波長が違うらしい。怒りやすい人は荒々しく、気弱な人は落ち着いた波長のようだ。
「なぁ異世界からきた人にも魔力はあるのか?」
「あるに決まってるじゃない。人は妖精と同じで魔力が無ければ生きていけないわ。」
ということは。
ガシッ!
「よし!ウェンディ!魔法を教えてくれ。」
俺はウェンディの手を取りブンブン振り回しながら懇願した。
はじめは初級から始めて魔法を体に馴染ませて行くのが良いだろう。
さぁテンション上がってきたぞ!
「ちょちょ、何よいきなり!」
「そうだな。最初は火の魔法がいいだろう。しかし、雷属性も捨てがたい。汎用性が高いからな」
ズイッとウェンディの顔に近づける。
「うわっ近い近い!離れて!」
「それでまずどうするんだ?呪文か?詠唱か?厨二病的な言葉は、少し恥ずかしいがここは異世界だ。我慢しよう!」
「なに理由わからないこと言ってるの?」
「さぁさぁさぁ教えてくれ!」
その時、ウェンディの周りが青く輝くと、俺に向かって突風が押し寄せた。
「いい加減にしろーー!!!」
ブワッ
「な、な、な、なんだ?ウワッーー!」
バキバキバキバキッ!
ドォーン!
俺の体はそこら辺の木をなぎ倒しふっ飛ばされた。
・・・・・・・・・
「この度は、魔法の事で興奮したとはいえ、小さな女の子の手を取り、顔を近づけて、理由のわからない事を叫んでしまい申し訳ございませんでした。つきましては当方、謝罪の意味を込めまして、誠心誠意土下座をさせていただきます」
柔らかな日差しを受け、心地よい風が吹く森の中、俺はアトランティスの転生初日に小さな妖精に土下座をしたのだった。
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