乙女ゲームに転生？そんなの知りません私はとことん家族と幸せに暮らします！

5歳編

ジュリアになって〜ジュリア視点〜

私はジュリア・フーレインド。
フーレインド公爵家の次女。
私には、大好きな姉がいる。
スカーレットお姉様だ。
スカーレットお姉様は、綺麗なブロンドの髪にエメラルドグリーンの瞳をしていて、可愛くて優しい私の大好きなお姉様。
でも、私はある日そのお姉様が数年後に危険な目にあうのを知った。

それは突然の事で、私が大好きなスカーレットお姉様の絵を描いていたらいきなり頭痛がして、私はそのまま意識を手放した。
そして、眠っている時に、私は見知らぬ女の子の部屋にいた。
でも私はその子のことを初めて見たとは思えなく、懐かしい感覚がした。

その女の子は私に気づいていないらしく、近づいてみても何も反応しないことから私はここは夢の中なのだと思った。
その女の子はなにか四角くて薄い箱をじっと見ていて、なんだろうと思って見たら、そこにはスカーレットお姉様に似ている人がいた。
それに私は驚き、その四角くて薄い箱に釘付けになった。

それからしばらく見ていると、スカーレットお姉様が誰かにナイフで刺されているところが描かれた。 
私はそれを見た瞬間、自分の前世のことを思い出した。
なぜスカーレットお姉様が刺されるところを見て思い出したのかはわからないけど、
私はスカーレットお姉様に辛い思いをしてもらいたくないと思った。
そこで、私は自分の前世について整理しようと思った。

私は、花宮琴音という女の子である乙女ゲームにハマっていた。
その乙女ゲームは『君と僕の紡ぐ～ダイヤの指輪～』と言って通称『君僕』。
これは、魔法学園に通っているヒロインと攻略対象者達が様々なイベントを通して仲良くなり、次第に恋愛感情が生まれてきて……というありきたりな乙女ゲーム。

でも、私はそんなありきたりな乙女ゲームにハマっていた。
なぜかと言うと、『君僕』のスチルがめっちゃ凄いから！
一言で言うと、神！になる。

それで、『君僕』には各ルートでヒロインとの恋愛を阻止しようとする妨害キャラや悪役令嬢がいる。

そして、スカーレットお姉様はユウマリークルート、アルベルトルート、カズヤルートで妨害してくる。
どのルートでヒロインがどんなエンドを迎えてもスカーレットお姉様は不幸になる。

そんなの嫌だ！
スカーレットお姉様はいつもいつも笑っていて、優しくて、可愛くて、私の大好きなお姉様。
だから、絶対にスカーレットお姉様を不幸になんてしない。

でも、どうしたら…………あ！
私がスカーレットお姉様の代わりに悪役令嬢になれば！
そうすればスカーレットお姉様が不幸にならなくて済む！
そうしよう！

その日私は、自分が悪役令嬢になると決意した。