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六章 遅いけど新婚旅行

3.ランベール王国はふしだら国

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 翌日ランベール行きの極彩色の船に乗り込んだ。騎獣でも良かったんだが、半日何にもない海の上を飛ぶんだ。それはつまんないだろうと、ロドリグ様に言われて船にした。
 
 まあセリオが疲れて海に落ちるのが怖いって言ったのもある。俺かラインハルトに乗せてもらえばと言ったがヤダと。自分で飛びたいって。ならばと乗り込んだ船は朝早くに出港し、ランベール王国の港にに夕方前には着いた。

「何でもある船だったね」
「うん。鳥族は華やかな人ばっかでね。海風も初めてで気持ちよかった」

 身体をペタペタ触り、

「少しベタついたけどね」
「ふふっそうだな。塩水のせいかな」

 船での感想を話しながら下船して宿屋に向かった。向かう最中も宿屋に着いてもなんだ、そのな。

「エリオス。ここは何なのかな?」
「なんだろうねぇ……」

 お城は本気でお城。塔が何本も立っている見事な装飾の城。
 白い壁に赤い屋根、王家の紋章の旗が揺れている。彫刻もこの国の鳥の物がアチラコチラに。すごいと遠目でも分かる立派なお城。こんな城、ドナシアンでもなかったのになあ。

「あはは。明るく華やかな王が治める国ですからね。街も赤や朱色が基本の建物ばかりです。人々も鳥らしく色んな髪色で、スラッとした見目麗しい人が農民、漁民関わらず多い国ですよ」
「うん。びっくりするほどだ」

 俺には天国だけどね。きれいな人ばかり。街のごちゃごちゃした美しさはあんまりだけど、人の美しさは堪らん。
 俺たちは宿屋に荷物を置いて夕食までと外に遊びに出た。

「あは~ん……いいなあ。なんて髪色なんだ。それに色っぽい人が多いなあ。んフッ」
「エリオス……」

 ギリギリっとお尻をつねられた。

「痛い!」
「もう!」

 頬を膨らませて俺を睨む。かわいいけど痛い。

「見るくらいいいだろ」
「見るだけだからね!」

 スラッとした曲線美が……なのにお尻プリッとしてて……うふん。
 俺は景色そっちのけで道行く人を眺めた。羽が小さく背中に付いてる人もいる。あれ飛ぶ時大きくなるのかな?
 ああ、なんできれいな子のだろうか。ついジーっと見てしまった。するとスッと俺に近づいて来た。

「お兄さん。今僕を見てたよね?遊ばない?」
「え?」

 いきなり見てた子に声かけられた。

「ごめん。不躾でした。そんなつもりはなかったんだ」
「そう?なら今から考えてよ。僕上手いよ」
「は?」
 
 彼は俺の肩に手を乗せうふんって微笑んだ。
 あ?周りをよく見ると街全体が風俗街のような感じだね。なに事だ?ここ城下町の中心部のはず?セリオがズイッと一歩出て、

「遊ばないから!僕の旦那さんで新婚旅行だから!」
「え?そうなの?ざーんねん。気が変わったら来てね!おにーさん。奥さんだけじゃ足りないでしょう。チュッ」

 セリオの抗議でエロい微笑みで投げキッスをしながら彼は立ち去った。ふう。
 セリオは魔物のような顔で睨んでるねぇ。

「エリオス様。この国はエルフの国の次に性に奔放です。その為警備も厳しくなってまして不審な店はなく、安全を売りにしている風俗街が城下町なんですよ。周りを見て下さいませ」
「おう」

 あ~レストラン兼の風俗店だらけ。宿屋も。あ?半分は兼業か?間に普通の店があるけど。なんだこれ。

「下半身目的の国なんですよ。特に城下町はね」

 ラインハルトは半分呆れたように説明してくれた。

「それはすごいね。だからこんなにもきれいな人が多いのか」
「ええ。王が好き者……ゲフン!いえ。子供を増やす施策でですね。不義の子、孤児なんか出ない政策もあります。これはイアサント共和国全体にですね。ですから路地に入ったら輩に遭遇で怖いもないです。貧しくて浮浪者になるような事も、福祉が充実しておりありません」
「マジか!」
「全くとは言い切れませんが、他国よりはないはずです」
「くわ~すげぇ」

 金持ち国の風俗街は違うね。
 うん?ならここで働いてるのは?貧しさからとりあえずではないの?とセリオがラインハルトに聞いた。

「あはは。純粋に好きでやってますよ鳥族はね。他国からの者は……まあ一時的に稼ぎにもいるはずですけど」
「ほえ……」

 俺こういうの排除してきたけど、やり方次第ではこんなふうに出来るのか。

「警備に金掛かりそうだけど」

 俺がボソッと言うと、ラインハルトは首を横に振った。

「そうでもないですよ。街には警備の魔石があちらこちらにあり、それが不審者に反応して、詰め所に知らせますから。ただ店を始めるのには審査は厳しいですね。それにおかしな事をすれば極刑になりますし。それが抑止になってます」
「あはは。そうか」

 風俗と不審な輩は手を組みやすい。それを見回ってるのが衛兵だそうだ。スリや強盗なんかも魔石が知らせるんだそうだ。すげぇ。

「ほらここ。店が閉まってるでしょう。取り潰しになった店ですね」

 ラインハルトが指を指した方を見ると、路地のすぐの所に閉まった店があった。ふーんと近づくと。

「おお。盛大に暴れた跡があるね」
「見せしめに少しの間は新規を入れないんです。こうなるぞって」
「はあ。しっかりしてるんだな」

 黒く変色したのは血だろうか。ガラスに飛び散った跡がある。

「一見ゆるく見せてるだけなんだな」
「ええ。ですが普通に暮らす分には景気がよく安全で、下半身にも財布にも優しい店もたくさんあります。予算に合わせた店が国中にね」

 なんとまあいたせり尽くせりで。

「お前も使ったことがあるのか?」

 スンと表情がなくなった。

「……想像に任せます」

 声にも抑揚がなくなった。来たことあるな。ラインハルトは四十近いしそれなりにか。以前中級貴族の出身と聞いたし、イアサントの貴族だしなあ。まあね。
 その後もぷらぷら散策をしていたが、日が落ちると、それを目的の人が増えだした。当然客引きも激しくなった。
 
 やたら声かけてくるし、セリオはアンだから!と断ると、大丈夫、僕の店はどちらも対応するよと。チュッとされてた。

「昼と夜の街の雰囲気が全く違うね。僕もう……」
「うん。帰ろうぜ。俺たちの時間じゃない」

 少し困った様子になっていたが、

「うん。僕はエリオスだけでいい。他の人は辛い」
「あはは。ありがとう」

 宿屋に帰り食堂で夕食を騎士たちと食べて風呂入って。

「あっんんっもっとぉ」
「ハァハァ……すげぇ感じてるな」
「だってぇ」

 押し込む度にグチュグチュと滑りもよく漏れる。中はビクビクと俺を締め上げながら喘ぐ姿は色っぽく煽られた。俺も興奮してうつ伏せのセリオに激しく押し込む。

「ああん……堪んない……っ」
「出る!ごめっくうっ」

 ドクドクと吐き出す俺はそこに意識が集中。ああ……

「エリオスぅ~」
「クウッキッつぅ……」

 セリオもイッてビクンビクンと震える。この締め付け堪らんな。新婚旅行とは名ばかりで何年も経ってしまった旅行だが、環境が変わると盛り上がるのは一緒だ。

「ハァハァ……エリオス抱っこして」
「うん」

 グチュリと萎えたのを抜いて横になり抱き寄せた。

「キスして」
「ああ」

 舌を絡め……あふっ甘く求めてくるこの感じがいい。セリオの匂いに酔う。

「愛してるよエリオス」
「俺も」

 貪るようにキスしながら吐息と共に愛を囁く。欲と愛情が溢れ俺の股間はあっという間に復活。強く抱き寄せて硬く勃起した俺のを脚の間から押し込む。

「うっアッ……出ちゃ……」

 腹に生暖かい物が掛かる。

「クッ……ッ」

 強い締め付けに声が出た。

「ごめんねセリオ」

 俺は耳元で囁くと無理やり押し込んだ。蕩けるセリオが余りにもエロくて我慢出来ないんだ

「グウっあうっ……」
「気持ちいい……セリオ」

 激しく腰を振った。ビクンビクンと中はうねる。ああ…出そう。強く抱いて奥にねじ込みうグッ!

「アッ…フッ……ッ…セリオっ」
「アアぁ……も…ダメ……っ」

 セリオの身体の力が抜けた。飛んだようだ。あはは。気持ちよかった。そっと寝かせて抜いた。

「ハァハァ。ウォッシル」

 落ち着くと、外の喧騒が少し開いていた窓から聞こえてきた。割りと高めの宿に泊まったが、この国はそれに合わせた娼館がある。

「久しぶりですね」
「おお忙しくてなあ。うはは」
「こちらへモートン樣」
「おう。楽しませてくれよ」
「もちろん!」

「ねぇねぇ僕どぉ?おにーさん!」
「お?俺アンだけどお前相手出来るのか?」
「当たり前だよ!僕上手いよ」
「ん~そうか?ならお前にしよう」
「ありがとう!僕はどちらにも対応可能だよん。期待して!」
「ホントかよ~」

 なんてざわざわした中でも聞こえる。まるで娼館に来てるみたいな気分になる。来たことないけど。

「俺はお前だけでいい。たまにロドリグ様で」

 汗で張り付いた髪の毛を指でよけた。上気した頬を撫でると、なんとも言えない幸せを感じた。愛しくて堪らない。俺だけを愛してくれる番。銀色のきれいな髪としましまのしっぽ。ふかふかで……掴んでまぐまぐと甘噛みした。

「はうん……あうっ気持ちいいの……あん」
「起きたか?」
「ふう。うん」

 見つめ合ってふふっとお互い笑った。幸せだねって。こんな日はもっと年取ったらって思ってたのにねと。

「エリオスが頑張ったからだよ」
「お前たちの協力があったからだ」
「うん、それでもエリオスの力だよ」
「ありがとう。チュッ」

 外の喧騒を聞きながら眠った。異国にいる楽しさを感じながら。



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