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一章 新たな人生が動き出した
5 番ってすごい
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優しく触れ合う唇が気持ちいい。彼の大きな手が耳をさわさわ触る感触も……んふっ
「待った分自制が効かぬやもだが……」
「ふっ…んんっ…」
優しく彼が唇をついばむのは気持ちいい……触れるだけのキスってこんなに気持ちよかったっけ?とか思ってると、カプッと重ね、唇の間からぬるんと差し込まれる舌が僕の舌を絡め取る……ああ…んっ…なんて気持ちいいの……
「クルト……俺を感じてくれ」
「ハァハァ……アンゼルム様……」
「これからはアンジェと」
「う…ん……」
なんだこれ……体がアンジェの匂いでゾクゾクして触れる手にガタガタ震える……はうっ!乳首吸われて……んゔっ…気持ちよくて震えがとまんない……前の世界とは体の感じ方が違って……気持ちいいよぉ
「クルト。もう後戻りは出来ない。いいな?」
「あっ…ん……うん……」
最後の確認だとアンジェは言う。うんと答えると首筋に舌が這いうなじに……チュッチュッとされるとガブッと!犬歯が刺さってる!うわッちんこ勝手に出た!ちんこなんもしてないのに!
「いやああ!」
「クソッ匂いに負ける……ダメだな」
アンジェは体を起こし、僕の脚を広げて濡れた穴に彼の先を当てる。うそ…解してないよ?入れたら痛いよ!濡れたってなんだよ。香油?ローションは!
「ま、待って!」
「大丈夫だ」
グッと先が入る。うおっ!ほとんど痛くないどころかちゅるんと僕が吸い込んだ?圧迫が……ぬるぬると中を広げるように入って来てトンと奥に先が届いた。すげえなこの体。
「ア、アンジェが……熱い……」
「ハァハァ……痛みはないか?」
「うん……気持ちいい…よ…」
「そうか」
腰は動かさず彼は僕の唇にふわっと唇を重ね、口の中を撫でるような優しい動きが……頭が蕩ける……気持ちのいいキス…
「動くぞ」
「う…ん」
ズッと引かれるとビクッ。太い……すごく太いのが……あっ…抱き合いながらゆっくりと動かす。んふぅ……初めてなのになんでこんなに気持ちいいの?
「あっ…はあっ…アンジェ……んあっ」
「もう……理性が……保て……うっ」
ドンッと強く打ち込まれるとグチュグチュと激しくなった。出てる!これ出てるよ!お尻もちんこも全部漏れてる!
「アンジェ…ぎもぢ…い…とまんな…いの…ど…しよ…」
「俺も…だ……」
激しくパンパンと……太ももの裏を押して更に脚を広げて腰を持ち上げる…ぎもぢ…い…もっとしてってねだった。
「煽るな。俺もう…グッ!」
中にドクドクと……うわああ!精液から魔力?なにかを吸い込んでお腹の中から全身にぶわわーって広がる。あったかいなにか……っ強い快感にゾクゾクする!
「アンジェいやああ!」
「クッ……締め付けが痛いくらいだッ」
そこで意識は途切れ……お尻スースーするしなんか気持ちいい。目を開けるとアンジェがグチュグチュと押し込んでた。
「ア、アンジェ?」
「欲しくて…ムリなんだ。止まらない」
ハァハァと押し込んでいるアンジェ……きれいな金髪が揺れて汗ばんでる体に張り付く……エロ……きれいな人のエロさは……なにこれ。これ現実なの?こんなキレいな人が僕を抱いて?
「もっと……アンジェキスして…」
「お前は……ああ」
アンジェは僕の頬を撫でながら舌を…んふぅ…いい…この人セックス上手い……もっとして欲しい。僕をもっと…求めて……
「アンジェ…好き…とてもあなたが…あうっ」
「これが番の…クッ…ウッ」
ドクドクと吐き出す彼のがあったかい……めまいのような、クラクラする気持ちよさがあるんだ。
「アンジェしっかり抱っこして……アンジェ…ねえ」
「お前は……なぜそうも煽るんだ」
僕の細い体を強く抱きながら、萎えないのか腰は止まらない。
「愛してる……クルト」
「僕も……っ愛してるよアンジェ……」
スッと「愛してる」って言葉が出た。愛されたくて堪らない、クルトって呼んで欲しくて全身で彼を求めた。
「アン……ジェ…もう……」
「うん。気持ちよくなれ」
何度もイッてるのに収まらず、擦られているうちに今までで一番激しい快感が来て頭が真っ白……気が遠くなった。彼の匂いにクラクラしてちんこ痛い……気持ちいい……とんでもなく気持ちいいんだ……それしかわからない。
「起きたか」
「あ?…あの、ごめんなさい。寝ちゃってた?」
「ああ。アンは初めての交わりではこうなるんだ。気にするな」
「はい」
目が覚めると朝で彼の腕にいた。大切そうに彼の胸に頭を乗せて抱かれていた。
「だが…すまなかった。歯止めが効かず……」
「んふっ構いません」
アンジェはとても愛しい人に一晩で変わった。愛しくてなんでも許すし、してあげたいって気分。
「でも、なんでこんな急に愛しく感じるんだろう」
ボソッと口をついた言葉にアンジェは、
「それが番になるってことなんだ。クルトはもう俺しか受け入れられず、誰に噛まれても反応はしない。それに他のノルンに俺に向けるような愛情を向けることも出来ないし、子も俺としか作れない」
「そう……」
問題はない、それでいいと思えた。アンジェはたくさん甘えてくれって抱き寄せてくれる。んふっ幸せだ。心がほわほわあったかくて、蕩けるくらいの幸せを感じる。
「大好きアンジェ……」
「ああ。俺もだ」
遅い朝を迎え、僕はアンジェの胸に擦りついて昨日の余韻に浸っていた。年の差や言葉数の少なさに不安を感じてたけど、気にもならないくらいアンジェが愛しい。すると扉がガチャリと開き、おはようございますと誰か入って来た。
「おはようローベルト。すまないが風呂の支度を頼む」
「はい、支度してあります。アンゼルム様、クルト様、おめでとうございます」
「ああ、ありがとう」
なんで「おめでとう」なの?とアンジェに聞くと、
「体の交わりで本物の夫婦になったからだ」
「ああ、そういう……はうっ!」
僕は顔に熱がぶわわわって。ガバッと布団を被って隠れた。エッチしたのをめでたいと言われてんだよね?ヤダ!恥ずかしい!
「クルト?」
「イヤ!恥ずかしい!」
「そうか?」
なんてこと!エッチをめでたいとかどんな感覚なんだよ!いやだあ……僕は布団の中で恥ずかしくて丸くなった。
「クルト、恥ずかしくないし風呂入って食事にしようよ」
「ううっ……」
唸って返事はしたけど顔は出せない。恥ずかし過ぎる!すると布団の上からポンポンと叩かれた。
「クルト。番の成立はめでたいことなんだよ」
うー……仕方なく少しだけ布団から顔を出した。
「でもね、アンジェ…」
「そんな顔するなよ。ほら」
布団をはいで頰を手で挟みチュッて。ヤダ嬉しい。
先にベッドから降りて行くぞと手を引かれてお風呂にふたりで!入った。初めてふたりで入ったよ。ローベルトに体を洗ってもらって……んくっ
「出さないとダメなんですよ。妊娠してない時はなぜかお腹痛くなるんです」
「うっ…くっ……ああっダメ……出ちゃ…ッ」
ローベルトの掻き出しにドクン。出ちゃった…マジか。なんでこれがこんなに気持ちいいんだよ。
「ふふっ若いな。あれだけしてるのに」
「アンジェも若いでしょ!」
「だな」
ここは前の世界と同じ。精液の成分でお腹痛くなるのはね。女の子のような体なのに、ここだけ男のまんまとは、理不尽だ。
「おいで」
「うん」
湯船に浸かるアンジェに体を預けてゆらゆら。
「俺は番の前から好きだった。だから待ったんだ」
「ありがと」
背中から抱かれるの好き。僕は彼の腕を胸に持ってきて抱えた。脱ぐとすごいとかよく言うじゃん?彼はマジで筋肉質の太い腕で、もろ男性って感じで安心する。僕ネコだったから男性の逞しさって元々好きなんだ。
「クルトはやることがなんでもかわいいな」
「そう?幼いかな?」
「いいや」
「んふっ」
僕は肩に乗るアンジェを振り返って見つめると、ふふっと笑った。……鼻血出るかも。すげえかわいくてついチュッと唇に触れた。ありがとうと更に蕩けてきて……この笑顔は殺されるだろ。お風呂で温まって、ほんのり赤くなった頬がかわいい……僕はボーっと見惚れてた。
「どうした?」
「アンジェかわいい……と思って…」
「……俺は自分がかわいいとは思ったことはないが、ありがとう」
「いいえ……」
ゆっくりお風呂に入って支度して食堂に行くと、朝だか昼だかの食事……なんで朝からお肉とか重めなんだ?
「ティモ、なんでこんな食事なの?」
「うふふっアンは交わると疲れるんですよ。番になるのは魔力も使うし他も……ね?」
「はあ」
後ろに控えてるティモは小声で答える。まあ、エッチは疲れるけどさ。でもそんなに気になるほどは……疲れてないかな?
「クルト、アンはノルンの魔力に染められる。体に薄っすら膜のように俺の魔力をまとうんだ。だから、俺の魔力に慣れるまで数日疲れが抜けないんだ。そのための食事だな」
「へえ……え、ええ!?」
な、なら……他の人にもアンジェの魔力が分かるのかも?……いやいや、母様に父様を…あっそう言えば似た魔力に感じるかも……アンジェがクスクス笑う。
「クルト。クルトは夫婦の交わりを悪いものと考えてるのか?」
「いえ、そうではないですけど……夫婦のベッドの中は人に話すものではないような気はします」
そう答えるとまあなってパンをかじる。
「夫婦の営みを人に話すものではないが、この最初の交わり、番の話は特別なんだ。同世代の身内だけだが、祝いの席を設けるんだ」
「へ?」
少し日が経った頃に身内のみのお祝いがあるそう。食事会みたいな感じだから気負う必要などないって。いやああ!エッチ報告会なんざなんの嫌がらせなの!
「大丈夫ですよ。ご兄弟くらいしか呼びませんから」
「ティモ!なんで兄様やアンジェのとか……エッチした報告しなきゃなんだよ!」
クルト様、それはねと微笑みなから、
「家同士の表面的な婚姻だけではなく、お二人が身も心も夫婦になり、生涯の相手になりましたって報告です」
なんで……言わなくても分かるでしょ?と言うと、身内はアンのまとってる魔力を感じる能力があって、それの確認の意味もあるそうだ。嘘ついて奥様を隠し、愛人と番なんてことがないようにだってさ。誰だよ!んなことするやつは!
「ゔー……なら他で会えば分かるでしょ……」
「それではダメなんです。めでたいことなので本来の結婚式より大切なんですよ。民もやりますからね」
「ぐふう……」
「番」成立はこの世界では特別なことで、アンは相手のノルンが世界の全てに感じるほどの絆が生まれる。アンにとっては新たに生まれ変わるくらい大きなことなんだ。相手のノルンは一生掛けて相手のアンを大切にしますって、身内に宣言、嘘ついてませんって潔白を証明する場でもあるらしい。
でもなあ……いくら兄様たちだからって……あーそういや昔のフランスは、王妃が広間のベッドで民の前で出産を披露してたな。……それに比べればまだ……かと、恥ずかしさのあまり自分を納得させる「なにか」を、もぐもぐ食べながら頭をフル回転で探していた。アンジェはそんな僕を微笑ましく眺めてニコニコしていた。
「待った分自制が効かぬやもだが……」
「ふっ…んんっ…」
優しく彼が唇をついばむのは気持ちいい……触れるだけのキスってこんなに気持ちよかったっけ?とか思ってると、カプッと重ね、唇の間からぬるんと差し込まれる舌が僕の舌を絡め取る……ああ…んっ…なんて気持ちいいの……
「クルト……俺を感じてくれ」
「ハァハァ……アンゼルム様……」
「これからはアンジェと」
「う…ん……」
なんだこれ……体がアンジェの匂いでゾクゾクして触れる手にガタガタ震える……はうっ!乳首吸われて……んゔっ…気持ちよくて震えがとまんない……前の世界とは体の感じ方が違って……気持ちいいよぉ
「クルト。もう後戻りは出来ない。いいな?」
「あっ…ん……うん……」
最後の確認だとアンジェは言う。うんと答えると首筋に舌が這いうなじに……チュッチュッとされるとガブッと!犬歯が刺さってる!うわッちんこ勝手に出た!ちんこなんもしてないのに!
「いやああ!」
「クソッ匂いに負ける……ダメだな」
アンジェは体を起こし、僕の脚を広げて濡れた穴に彼の先を当てる。うそ…解してないよ?入れたら痛いよ!濡れたってなんだよ。香油?ローションは!
「ま、待って!」
「大丈夫だ」
グッと先が入る。うおっ!ほとんど痛くないどころかちゅるんと僕が吸い込んだ?圧迫が……ぬるぬると中を広げるように入って来てトンと奥に先が届いた。すげえなこの体。
「ア、アンジェが……熱い……」
「ハァハァ……痛みはないか?」
「うん……気持ちいい…よ…」
「そうか」
腰は動かさず彼は僕の唇にふわっと唇を重ね、口の中を撫でるような優しい動きが……頭が蕩ける……気持ちのいいキス…
「動くぞ」
「う…ん」
ズッと引かれるとビクッ。太い……すごく太いのが……あっ…抱き合いながらゆっくりと動かす。んふぅ……初めてなのになんでこんなに気持ちいいの?
「あっ…はあっ…アンジェ……んあっ」
「もう……理性が……保て……うっ」
ドンッと強く打ち込まれるとグチュグチュと激しくなった。出てる!これ出てるよ!お尻もちんこも全部漏れてる!
「アンジェ…ぎもぢ…い…とまんな…いの…ど…しよ…」
「俺も…だ……」
激しくパンパンと……太ももの裏を押して更に脚を広げて腰を持ち上げる…ぎもぢ…い…もっとしてってねだった。
「煽るな。俺もう…グッ!」
中にドクドクと……うわああ!精液から魔力?なにかを吸い込んでお腹の中から全身にぶわわーって広がる。あったかいなにか……っ強い快感にゾクゾクする!
「アンジェいやああ!」
「クッ……締め付けが痛いくらいだッ」
そこで意識は途切れ……お尻スースーするしなんか気持ちいい。目を開けるとアンジェがグチュグチュと押し込んでた。
「ア、アンジェ?」
「欲しくて…ムリなんだ。止まらない」
ハァハァと押し込んでいるアンジェ……きれいな金髪が揺れて汗ばんでる体に張り付く……エロ……きれいな人のエロさは……なにこれ。これ現実なの?こんなキレいな人が僕を抱いて?
「もっと……アンジェキスして…」
「お前は……ああ」
アンジェは僕の頬を撫でながら舌を…んふぅ…いい…この人セックス上手い……もっとして欲しい。僕をもっと…求めて……
「アンジェ…好き…とてもあなたが…あうっ」
「これが番の…クッ…ウッ」
ドクドクと吐き出す彼のがあったかい……めまいのような、クラクラする気持ちよさがあるんだ。
「アンジェしっかり抱っこして……アンジェ…ねえ」
「お前は……なぜそうも煽るんだ」
僕の細い体を強く抱きながら、萎えないのか腰は止まらない。
「愛してる……クルト」
「僕も……っ愛してるよアンジェ……」
スッと「愛してる」って言葉が出た。愛されたくて堪らない、クルトって呼んで欲しくて全身で彼を求めた。
「アン……ジェ…もう……」
「うん。気持ちよくなれ」
何度もイッてるのに収まらず、擦られているうちに今までで一番激しい快感が来て頭が真っ白……気が遠くなった。彼の匂いにクラクラしてちんこ痛い……気持ちいい……とんでもなく気持ちいいんだ……それしかわからない。
「起きたか」
「あ?…あの、ごめんなさい。寝ちゃってた?」
「ああ。アンは初めての交わりではこうなるんだ。気にするな」
「はい」
目が覚めると朝で彼の腕にいた。大切そうに彼の胸に頭を乗せて抱かれていた。
「だが…すまなかった。歯止めが効かず……」
「んふっ構いません」
アンジェはとても愛しい人に一晩で変わった。愛しくてなんでも許すし、してあげたいって気分。
「でも、なんでこんな急に愛しく感じるんだろう」
ボソッと口をついた言葉にアンジェは、
「それが番になるってことなんだ。クルトはもう俺しか受け入れられず、誰に噛まれても反応はしない。それに他のノルンに俺に向けるような愛情を向けることも出来ないし、子も俺としか作れない」
「そう……」
問題はない、それでいいと思えた。アンジェはたくさん甘えてくれって抱き寄せてくれる。んふっ幸せだ。心がほわほわあったかくて、蕩けるくらいの幸せを感じる。
「大好きアンジェ……」
「ああ。俺もだ」
遅い朝を迎え、僕はアンジェの胸に擦りついて昨日の余韻に浸っていた。年の差や言葉数の少なさに不安を感じてたけど、気にもならないくらいアンジェが愛しい。すると扉がガチャリと開き、おはようございますと誰か入って来た。
「おはようローベルト。すまないが風呂の支度を頼む」
「はい、支度してあります。アンゼルム様、クルト様、おめでとうございます」
「ああ、ありがとう」
なんで「おめでとう」なの?とアンジェに聞くと、
「体の交わりで本物の夫婦になったからだ」
「ああ、そういう……はうっ!」
僕は顔に熱がぶわわわって。ガバッと布団を被って隠れた。エッチしたのをめでたいと言われてんだよね?ヤダ!恥ずかしい!
「クルト?」
「イヤ!恥ずかしい!」
「そうか?」
なんてこと!エッチをめでたいとかどんな感覚なんだよ!いやだあ……僕は布団の中で恥ずかしくて丸くなった。
「クルト、恥ずかしくないし風呂入って食事にしようよ」
「ううっ……」
唸って返事はしたけど顔は出せない。恥ずかし過ぎる!すると布団の上からポンポンと叩かれた。
「クルト。番の成立はめでたいことなんだよ」
うー……仕方なく少しだけ布団から顔を出した。
「でもね、アンジェ…」
「そんな顔するなよ。ほら」
布団をはいで頰を手で挟みチュッて。ヤダ嬉しい。
先にベッドから降りて行くぞと手を引かれてお風呂にふたりで!入った。初めてふたりで入ったよ。ローベルトに体を洗ってもらって……んくっ
「出さないとダメなんですよ。妊娠してない時はなぜかお腹痛くなるんです」
「うっ…くっ……ああっダメ……出ちゃ…ッ」
ローベルトの掻き出しにドクン。出ちゃった…マジか。なんでこれがこんなに気持ちいいんだよ。
「ふふっ若いな。あれだけしてるのに」
「アンジェも若いでしょ!」
「だな」
ここは前の世界と同じ。精液の成分でお腹痛くなるのはね。女の子のような体なのに、ここだけ男のまんまとは、理不尽だ。
「おいで」
「うん」
湯船に浸かるアンジェに体を預けてゆらゆら。
「俺は番の前から好きだった。だから待ったんだ」
「ありがと」
背中から抱かれるの好き。僕は彼の腕を胸に持ってきて抱えた。脱ぐとすごいとかよく言うじゃん?彼はマジで筋肉質の太い腕で、もろ男性って感じで安心する。僕ネコだったから男性の逞しさって元々好きなんだ。
「クルトはやることがなんでもかわいいな」
「そう?幼いかな?」
「いいや」
「んふっ」
僕は肩に乗るアンジェを振り返って見つめると、ふふっと笑った。……鼻血出るかも。すげえかわいくてついチュッと唇に触れた。ありがとうと更に蕩けてきて……この笑顔は殺されるだろ。お風呂で温まって、ほんのり赤くなった頬がかわいい……僕はボーっと見惚れてた。
「どうした?」
「アンジェかわいい……と思って…」
「……俺は自分がかわいいとは思ったことはないが、ありがとう」
「いいえ……」
ゆっくりお風呂に入って支度して食堂に行くと、朝だか昼だかの食事……なんで朝からお肉とか重めなんだ?
「ティモ、なんでこんな食事なの?」
「うふふっアンは交わると疲れるんですよ。番になるのは魔力も使うし他も……ね?」
「はあ」
後ろに控えてるティモは小声で答える。まあ、エッチは疲れるけどさ。でもそんなに気になるほどは……疲れてないかな?
「クルト、アンはノルンの魔力に染められる。体に薄っすら膜のように俺の魔力をまとうんだ。だから、俺の魔力に慣れるまで数日疲れが抜けないんだ。そのための食事だな」
「へえ……え、ええ!?」
な、なら……他の人にもアンジェの魔力が分かるのかも?……いやいや、母様に父様を…あっそう言えば似た魔力に感じるかも……アンジェがクスクス笑う。
「クルト。クルトは夫婦の交わりを悪いものと考えてるのか?」
「いえ、そうではないですけど……夫婦のベッドの中は人に話すものではないような気はします」
そう答えるとまあなってパンをかじる。
「夫婦の営みを人に話すものではないが、この最初の交わり、番の話は特別なんだ。同世代の身内だけだが、祝いの席を設けるんだ」
「へ?」
少し日が経った頃に身内のみのお祝いがあるそう。食事会みたいな感じだから気負う必要などないって。いやああ!エッチ報告会なんざなんの嫌がらせなの!
「大丈夫ですよ。ご兄弟くらいしか呼びませんから」
「ティモ!なんで兄様やアンジェのとか……エッチした報告しなきゃなんだよ!」
クルト様、それはねと微笑みなから、
「家同士の表面的な婚姻だけではなく、お二人が身も心も夫婦になり、生涯の相手になりましたって報告です」
なんで……言わなくても分かるでしょ?と言うと、身内はアンのまとってる魔力を感じる能力があって、それの確認の意味もあるそうだ。嘘ついて奥様を隠し、愛人と番なんてことがないようにだってさ。誰だよ!んなことするやつは!
「ゔー……なら他で会えば分かるでしょ……」
「それではダメなんです。めでたいことなので本来の結婚式より大切なんですよ。民もやりますからね」
「ぐふう……」
「番」成立はこの世界では特別なことで、アンは相手のノルンが世界の全てに感じるほどの絆が生まれる。アンにとっては新たに生まれ変わるくらい大きなことなんだ。相手のノルンは一生掛けて相手のアンを大切にしますって、身内に宣言、嘘ついてませんって潔白を証明する場でもあるらしい。
でもなあ……いくら兄様たちだからって……あーそういや昔のフランスは、王妃が広間のベッドで民の前で出産を披露してたな。……それに比べればまだ……かと、恥ずかしさのあまり自分を納得させる「なにか」を、もぐもぐ食べながら頭をフル回転で探していた。アンジェはそんな僕を微笑ましく眺めてニコニコしていた。
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