神様と猫と俺

琴音

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「親父!これヤバい!魚どころじゃ…ウワッ」
「レオ!とりあえず今の分だけは上げる!」

 船が大波に煽られながら俺たちは網を引いていた。甲板にも波がガボンガボンと入り込む。

「ウワップッゲホゲホッ親父!」
「畜生!諦めるか。レオ!俺は船室に戻る!」
「早くしてくれ!」

 親父はフラフラと手すりに捕まり船室のドアを開けた、その時ドバーンと船の横っ腹に波が当たり、大波が押し寄せた!

「ウワーッ親父ィーーッ」
「レオ!オアーッ」

 俺たちの体は宙に浮き、海に真っ逆さまに落ちた。

「グァッおや…じっ!」

 大波に揺られながら親父がなんとか浮いているのを見つけたが、近づくことも出来ないほどの荒波で、沈まないようにするのが精一杯。レオーッどこだあ!!と叫ぶ声を最後に、大波の中に親父の姿は消えた。
 それでも俺は親父を探しながら必死に海面に顔を出していたけど、口に入る海水と冷えに体力が奪われ俺も力尽き沈んだ。もがいて、もがき続けだけど波が荒くて沈み息が続かず、ガボッと肺の空気が抜けた。体に力が入らないながらも手足を動かしたけど、耐えきれず意識が遠のいた………





 ニャーァニャーァとかもめの声と波のザザーンという音。そして俺に打ち寄せる波……波?ガホッゲホッと咳き込みながら目が覚めた。

「うっ…んっ……冷たっ」

 俺の下半身は海に浸かっていてというか、波打ち際で倒れていた。どうしたんだっけ?なんでこんなところで?俺は……ムクリと起き上がって辺りと自分を見る。下半身はビチョビチョどころか全身が塩水で濡れていて、シャツは着ていなくてズボンもところどころ破けている。捲れば足は打撲や擦り傷が多数。

「えっと……」

 空を見上げれば快晴で、かもめが気持ちよさそうに風に乗っている。視線を下げるとヤシの木と、奥には藪のような低木の森がこんもり。
 ザザーンザザーン……
 打ち寄せる波の音だけで人の気配はないか。

「俺朝親父と漁に出て……それから?」

 いい天気で波も穏やか、魚の網を引いていてそれから?ああ、いきなり天気が崩れて雨が降って来たんだった。
 そのうち海も荒れて波が高くなった。波は船を揺らし、地面と二階の屋根くらいの高さまで揺れて、俺は親父と必死に船に掴まって耐えていたんだ。

「ウワップッゲホゲホッ親父!」
「畜生!諦めるか。レオ!俺は船室に戻る!」
「早くしてくれ!」

 そうだ、親父は港に帰るため船室に戻ろうとしたその時、ドンッと波が激しくぶつかり船が激しく揺れた。俺たちはその衝撃に耐えられず、空中に体が吹っ飛んで、海面に叩き付けられ俺は波にもがいて……泡立つ水面を見ながら息が出来なくなったんだ。

「そっか。海に落ちたんだった」

 とりあえずケツに打ち付ける波が不快だから立ち上がった。

「どうすっかな」

 何度砂浜を見ても人の足跡もないし、かもめ以外見当たらん。ふう……どこかの無人島だなこりゃ。

「仕方ねえ。救助か近くに船が通るのを待つしかねえな」

 俺はこのまま海を見ながら待ってたら干からびて死ぬからと、濡れた体で森の方に歩いた。どれくらいあそこに倒れていたのか分からんが、日焼けが痛い。腹減ってるし……この日の高さは昼はとうに過ぎている。あの嵐は日の出から対した時間は経っていなかったから……なんて考えながら歩いた。

「やべえな。この島小さい」

 漁で海に出てたけどこんな島の記憶はない。どこだか分からんなあ。海の向こうは水平線しか見えず、他の島も船も見えない。小さすぎて島の端が目視出来るくらいの小島だ。

「こりゃあ水がねえに金掛けるよ、だ。ならばヤシの実ぃ~」

 俺はサラサラの砂を踏みしめ?……おおっ長靴はとこだ?裸足だった。

「まあなあ、生きてただけめっけもんかな」

 あの嵐で生きてたんだ、あははと俺は高笑い。つか、親父は?そうだよ親父はどこだ!俺はすっかり親父のことを忘れてた。

「親父ー!どこだおやじぃー!いねぇのかあ!」

 まず探さないと。流れ着いた場所から反時計回りに海岸線をあるいて親父を探した。こっちの方が端まで近そうに見えたからね。
 きれいな白い砂浜には貝殻が砕け、真っ白い砂浜で、きれいだな。だけど歩けど歩けど親父は見つからない。つか真っ白な砂浜は何も落ちてないし、倒木の類も少なくゴミすらない。あの嵐で船は大破したはずなのに、漁の仕掛けもブイもなんにも流れ着いてない。なんでだよ。

「親父どこだよ……」

 島を半分くらい歩くと突然砂浜は途切れ、切り立った岩場ばかりになった。

「まさかここに……親父ー!親父ー!」

 ゴツゴツした岩に登り、岩の間とかいないか覗き込みながら親父!と叫んだ。最悪のことが頭をよぎりながら親父!と呼び続けた。

「おやじぃー!返事してくれよ!オヤジー」

 岩の間には波がザブンザブンと打ち付けガボンガボンと泡立つ。流木も溜まっていてよく見えない。ゆっくりと岩を進んだけど、この岩場侵食されれてゴツゴツの岩で足の裏がかなり痛い。岩をしっかり掴んで脚をひょいと上げて見た。

「痛えはずだよ」

 足の裏は何かが刺さって出血してるし、擦り傷のようになっていた。もう無理に行ける岩場はここまでかな。次の岩までが離れ過ぎて足場がないんだ。それに落ちたら確実に死と分かる、岩と岩の間は槍かと疑うような岩が突き出ていた。トラップかよ。

「なら反対側から!」

 俺は来た岩場を戻り、砂浜を歩いた。

「クソッあっちーッ」

 雲一つない青空で太陽は容赦なく俺を照りつけ、塩水と汗の肌を更に焦がし背中はヒリヒリする。それでも小さい島だからすぐに反対側には着いたけどな。ここまでの間に親父は見つからないし、船の残骸はない。でもここがどこかは分かった。

「終わった……」

 俺は気持ちが一気に切れて座り込んだ。
 目の前の岩場には小道が出来ていて、この道は飛び出したような岬に続いている。そこには小さな、本当に小さなやしろと碑が海に向かってあるんだ。いわゆる禁足地……やっちまった。嵐で助かってもこれじゃあ。

 俺は疲れと喉の渇きと、そして禁足地に打ち上げられたことに絶望した。ここに親父がいても一緒に死ぬだけだ。はは……はあ。座ったまま呆然として動けない。

「ここの神様は俺たちの過去の過ちだ。死ぬの確定だ」

 この炎天下でヤシの実飲んで生きながらえても、誰も来ないから死ぬ。祭の時以外でここに上陸して生きて帰った者はほとんどいないんだ。運良く帰ってきた者でも体がボロボロで、一人ぼっちの不安から精神に異常を来す人も。つか、ここが怖くてね。
 
 言い伝えでは、今俺たちが住んでいる大きな島は、以前は肌に色のある民族が住んでいたという。住人はとても人懐っこく、移住して来た俺たちの先祖を温かく迎えてくれたそうだ。
 なのに、月日が過ぎると優しく親切な人たちを先祖は見下すようになった。穏やかにその日の魚を取り、皆で分けて食べてるだけに見えたらしい。そしてある日、村の村長を襲撃し殺害、村人には死にたくなければ従えと迫った。

 村人は怯えて受け入れたけど、扱いが酷すぎてとうとう争いが勃発。小競り合いでは済まなくなったんだ。その時先頭に立った元住民の若きリーダーは勇猛果敢で、俺たちの先祖を次々と討ち取っていったそうだ。
 だけどこちらの武力、戦力、なおかつ数で勝っていた。結局抗争の末、リーダーを捕縛し終わった。その時に。

「親切にした我らがなにをしたと言うんだ!食べ物を与え家を用意し村に迎え入れた。なぜだ!なぜ我らにこんなことをする!」

 その時のこちらの村長に当たる者は、浜で縛られているリーダーにつばを吐きかけ、

「お前らは余所者に警戒心がなさすぎるんだ。強い者が土地を支配するのは当然だろ?何が島民は皆家族だよ。世の中金だ。金がなければ何も始まらん」

 リーダーはグッと奥歯を噛み、村長を睨み上げた。

「確かにそうだが!ここは金など少なくとも暮らせる!なにが不満なんだ!」
「フンッ豊かな暮らしがしたい俺たちと、お前らとでは分かり合えないんだ」

 そして睨みつけるリーダーの首を落とした。その光景に残った元村人は完全に心が折れてしまい、奴隷と変らない扱いで畑や漁をさせられた。まともに飯も与えず……彼らは急速にいなくなったと記録にあるが、それで終わらなかったんだ。
 リーダーの遺体はその海岸の目立つ所に晒され、首は棒にさして干からびるまで浜に置かれた。その首が真っ白な骨になる頃、元の村人は全ていなくなった。ほんの数年でいなくなるほど恐怖で支配したんだ。

「あー……のど乾いた。ヤシの実拾って来よ」

 俺は近くのヤシに登り腰のナタが……ねえ!仕方なく手でゴンゴン叩き落とした。それから尖った石がねえから石同士をぶつけ割って、尖らせてからヤシの実をむしった。それからゴンゴンとぶっ叩いてるとブシャッ

「んあ……生暖かい……でもうめぇ」

 穴を口につけて流し込む。飲み終わって木陰で寝転んだ。ザザーンザザーンと打ち寄せる波の音しかしない。

「先祖を恨むよ。優しくしてくれたら優しさを返さなきゃ」

 そりゃあ魚たくさん売って、流行りの町の物が欲しかったりするだろうけどさ。でもなあ……

 俺たちの島は元の住人がいなくなった頃から異変が起き始めた。まず不漁になり嵐が頻発、漁に出られない。そこに冷夏で畑の作物も不作、秋の日照りで川も干上がってね。冬は島のくせにありえない量の雪で蓄えもない中、ギリギリで春を迎えた。さすがの先祖もこれは彼らの祟りではと怯えた。

「たまたまだ!」

 村長はそう言い続けていたが、蓄えがない村は飢え始めた。老人、子供から餓死や栄養失調による体調不良を起こし死んでいく。漁は相変わらずの不漁でほとんど取れない。

「ジョン。これは祟りなんだよ。ヨハンは俺たちを恨んで死んでいったんだ。最後の言葉を覚えているか?」
「……フン」

 恰幅の良かった村長のジョンは、痩せて見る影もないくせにフンと鼻を鳴らし、みなから目をそらした。

「俺たちがお前たちに与えたものは返してもらおう。我らの気持ちを無下にしたお前たちに、安息は永遠に来ないと思え!そう言っていただろう?」
「あんな死にぞこないの言葉なんぞ、くそくらえだ!」

 ジョンは村人を相手にしなかったが、隠れて村の有志数人ででヨハンの真っ白な頭骨をこの島に祀った。島民がいなくなった頃、気の毒に思った村はずれの婆さまが隠して供養してたんだ。
 我らのしたことを許せとは言わないが、お前が愛した漁場がよく見えるこの地で安らかにと。小さな木造の社を建てて祀ったんだ。彼はよい猟師で、この辺りを漁場にしていた。潮の流れを読むのが上手かったんだ。先祖たちが彼の死んだ日に供養をし始めると、天変地異は次第に収まった。
 だが、この供養を面白く思ってなかったジョンは満月の夜に上陸して社を破壊。村に復讐したとと触れ回ったんだ。

「人の心がないのかジョン!あれは我らの失策だ!もっとやり方があったはずなんだ!粘り強く話し合うことが!」
「うるさい!祟りなんぞないんだよ!」
「ジョン……」

 その話を聞いた村人は急ぎ船を出し島に向かい、謝罪をと壊れた社の中で砕けた頭骨を丁寧に拾い集め、魚や野菜を供え謝罪した。婆さんはこんなにされたヨハンがかわいそうと、再建の間側にいてやりたいと島に泊まり込み、簡素だけどみんなで作り直した。
 そして社が完成した日、俺は悪くないとジョンは仲間と漁に出て、急に鳴り出した雷に打たれ死んだ。他にも船には人は乗ってたんだ。当然ジョンより背の高い者も帆もあったのに。

「バチが当たったとしか考えらんねえんだよなあ」

 それ以降俺たちの先祖は反省し、ヨハンの側に村人の供養塔も一緒に作り今も祀っている。
 それから時は過ぎ、いつしかこの島に上陸するとヨハンが化けて出るって噂が広まった。
 ここは波の関係か魚が多く、大漁は約束される。だけどよく分かんない潮の流れの場所があるらしく、船が座礁することが多い。祟り関係なく危ないんだ。あの崖側ね。そして、座礁して島に上がった者は生きて帰って来ることはなかった。

「だろうよ。こんな小さな島で大島から離れてて、なおかつ水もなくて食えるものはヤシの実だけだ。化けて出るは関係ない。単純に飢えるんだよ」

 砂浜側は浅瀬すぎて船が入れず魚もほとんどいない。それにこの森の中には食べられる草も実も何もない。子供の頃祭りで来た時に探検済み。普段祟りの島に漁でも危険で近づかないから助けも来ないんだ。
 ヨハンには迷惑な話だろうけど事実はそんなもん。伝説もたまたま気候がよくない時期にあたったんだろうと俺は思っている。つらつらと考えていたら疲れからか眠っていたらしく、涼しい風に頬を撫でられて目が覚めた。

「あー……ヤシの実だけだと十日も持つかどうかだな。ついてねえ」

 空には月がぽっかり浮かんでいて……

「喉……」

 ムクリと起き上がって昼にいくつか取ったヤシの実を叩いて中の水を飲む。ぷはあ。バタリと倒れた。死ぬのを待つだけとは……はあ。まだ十八になったばっかなのになあと目を閉じた。
 涼しい風にうとうとしていると、不意に人の気配がある気がした。コワッと目を開けてキョロキョロ、なにもいない。動物は鳥くらいで誰かいるはずもない島だ。
 大体祭りでもない時期にこの島に近づくバカはいねえ。それに祭りは半年後だよ。もう一回寝るかと、ゴロンと腕を頭の後ろに組んで寝転んだ。

「はあ……」

 目を閉じて波の音を聞いてると、スッとまぶたの月の明かりが減ったような気がした。雲かなあと目を開けると、長い髪の美しい男が俺を不思議そうに覗き込んでいた。

「ぎゃあああ!でたあ!」
「出たとは酷いな」

 俺は這って逃げ……れない。腰が抜けたのか力入らん!怖くてうつ伏せになり匍匐前進ほふくぜんしん……手がボチャン?うっここ砂浜狭かった……これ以上行けない。ヨハン……俺美味しくない……

「何もしないよ」
「あ、あ……っ」

 背後の声に恐怖で歯がガチガチと鳴ってしゃべられない。あの伝説マジだったのか!嘘だろ……怖くて震えている俺の頭の横に男はしゃがんだ。俺は恐る恐る見上げると、首をコテンと横に倒した。

「お前は誰?何しにここへ?」
「あっ嵐で……船が……が……あの…」
「ふーん流れ着いたのか」

 ウンウンと頷いた。この場所に相応しくない人物なんだ。いい服着ててどっかのお金持ちふうで……逃げなきゃ!逃げようとしたけど足も何もかも動かん!いやああ!と叫んだつもりだけど声にならなかった。怖いくせに月を背にし、顔の見えない男から目は離せなかった。美しい長い金髪が……

「ほら」

 手を差し出された。へ?その手は薄暗くても人の手の色に見えた。ほら掴まれ、無理かと手首を掴まれ起こされた。

「ふむ。お前はにえか?」
「ち、違います!嵐で遭難しただけ!さっき言ったでしょ!」
「ああ」

 おお、声出た。彼はふーんと顎をさすりニコッとした。

「まあいい」

 そう言うと俺を抱き上げ歩き出した。いやあ!食われる!殺されるぅ!と力の出ない体で暴れた。

「じっとしてろ。食わないし殺さない」

 彼は俺を抱いて藪に近づくと手をかざした。フォンと音がして、空間に霧のようなものが丸く出現、彼はそこに入った。いやああ!











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