俺の短編集

睦月初日

文字の大きさ
上 下
2 / 4

みどり

しおりを挟む
通学路にあるおもちゃ屋。
いつもちょいと古いおもちゃが置いてある。
ある日の帰り道のこと、
入り口にカメレオンのぬいぐるみが
置いてあった。
そしてその下に300円と言う値段が
張り付いていた。
「ブサイクなカメレオン。」
思わず心の声が漏れてしまった。
しかしたまたま店員さんがいなくて
助かったと思った。
「いきなり失礼な奴だな。」
「え!?」
なんと驚くことにそのぬいぐるみは
しゃべった。
「え!?え!?なんでしゃべれるの!?」
「このご時世おもちゃ屋のおもちゃは
みんなしゃべれるぞ。
まあそんなことはどうでもいい。
今、俺のことブサイクって言って
バカにしたな?
罰として俺を家に連れて行け。」
「え?でも私お金持ってないし…」
「え~ お前300円だぞ?
持ってないのか?」
「さっきアイス買ったからないよ。
買うお金ないからまた明日来るよ。」
「ちぇっ…ま、仕方ないか。
万引きするわけにはいかないからな。
明日だからな!約束破るなよ?」
「わかったよ。」

ー翌日ー
私は300円を持っておもちゃにやってきた。
「キョロキョロ」
あたりを見回しているとお店の人が
声をかけてきた。
「なにかさがしてるのかな?」
「カメレオンのぬいぐるみを…」
「ああ!入り口にあったやつかな?
ごめんね。さっき廃棄になったんだよ。」
「そうですか。」
もともと約束を破らないために
買いに来たから特別欲しかったわけじゃない。
それでも私は捨てるなんていやだ。
あのカメレオンがかわいそうだと思った。
私はそう思って家に帰った。
帰り道私は落ち込んでいた。
しかしその帰り道。
「おーーい!」
ゴミ箱から声がした。
私は聞き覚えの声がしたのでゴミ箱を
のぞいた。
「あ!あのカメレオン!」
「ったく!遅いんだよ!来るのが!
あと一歩で燃やされるとこだったぞ!」
「ふふっ…
ごめんごめん。
でもちゃんと買いに来たよ。
もうお金はいらないかもしれないけど」
「もらってくれるのか?」
「どうしよっかな~私爬虫類嫌いだからな~。」
私は笑いながら言った。
「いやいや、俺ぬいぐるみだし。」
「うそだよ~。
私本物のカメレオン飼ってるしw
生き物の世話好きだから!
それにしゃべるカメレオンのぬいぐるみなんて私しか持ってないだろうしww」
「ちゃんと大事にしてくれよ!?」
「もちろん!名前も決めたよ!」
「お!いいね!」
「私と同じみどりって名前!」
「お前みどりっていうのか。
そういえば名前聞いてなかったぜw
ま、飼い主と同じ名前っていうのも
悪くないな…
よろしく頼むぜ!みどり!」
「よろしく!みどり!」
我が家に愉快な家族が1人増えた。
これから楽しくなりそうです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

意味がわかると下ネタにしかならない話

黒猫
ホラー
意味がわかると怖い話に影響されて作成した作品意味がわかると下ネタにしかならない話(ちなみに作者ががんばって考えているの更新遅れるっす)

我慢できないっ

滴石雫
大衆娯楽
我慢できないショートなお話

処理中です...