ルルの大冒険

ブラックキャッスル

『増食』

（あのマーブルに何かある…
おそらく傷を回復するだけじゃなく
自分の肉体を活性化させるような
もののはず…
ということはあのマーブルを一つ
食べるごとにさらに強さが増す…）
すると隙を作って同じ物を
食べれば同じことが起こり
私の体も一時的に肉体が活性化する
はず…）

アルウィンは再び刀を抜いた。

「迅雷斬撃！」

「同じ技を使うなんて舐められてるね。
自殺行為だよ。」
キングは拳を構えて
アルウィンの刀のタイミングに合わせた。

「まずい！バカ！一旦引くんだ！」
リズが慌ててアルウィンに
向かっていった。

「スカッ…」
アルウィンの刀はさっきと同様に
キングには当たらなかった。

（もらった。）
キングは拳を振りかぶった。
「残念だったね。」

しかし、キングの拳がアルウィンの
体に当たるとキングの拳は痺れた。

「ビリビリ…」

「こ、これは…」
キングがふれたのはアルウィンの
分身体だったことにキング自身は
すぐに気がついた。

「いつ、分身を…」

「殴られたあとだ。壁にぶつかったあと
すぐに分身体を作り出し、
次に殴られても体が痺れて
動けなくなるようにしたんだ。」

「あの一瞬でそこまで…」
キングはアルウィンの天才ぶりに
感心した。

「そして、その間に本体は別行動を
とり、この回復薬であろうマーブルを
横取りするために隠れていた訳だ。」

「そういうことか。ヒヤヒヤさせやがって。」
リズがそう言うと
アルウィンはマーブルを口に含んだ。

「ゴクッ」

（よし。これで私のきずが治り
肉体がさらに活性化されたはず…）

「いくぞ！迅雷斬撃！」
アルウィンがキングに近づいた。

しかし…
「甘い…」
キングはタイミングを合わせて
拳を放った。

「ゴン！」
アルウィンの体は壁に強く打ち付け
られた。

「アルウィン！しっかり！」

「どういうことだ…
このマーブルは…
回復薬のはず…
いやそれどころか…
肉体すら活性化してない。
これでは…
余計に私の…体が…」

「教えてあげるよ。なぜ君の体が
変わらないか。なぜ僕だけ
効果が現れたのか。」

「僕は超能力者でね、
僕の能力は『増食』って言ってね、
お菓子はを食べれば食べるほど
体が再び強くなって修復される…
ただ傷をなおすだけじゃなくてね。」

「なるほど…
だから…
私が…
食べても何の効果もなかったわけか…」
（まずいな…体がいうことを
きかない…こんな状況では…
勝ち目が…）

「君たちはすでに追い詰められている。
後ろの2人はもう体がボロボロ。
君も今の僕の攻撃で体がボロボロのはず。
無理しない方がいいよ。
特別サービスで今なら君たちを
殺さずに追い返してあげるよ。」

キングの言葉にアルウィンは反応した。

「追い詰められている？
バカなこと言うなよ。
私はここからギアが上がるところだ。
その余裕今すぐ消してやる。」

「後悔しても知らないからね。」