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ブルーシティ
アルウィンの過去
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時は今から15年前…
ライトロード家にて…
「みろ!今日はパン屋から盗んだ
カレーパンだ!」
「あそこのカレーパンは絶品ですものね!」
「ん?どうした?アルウィン。食べないのか?」
「バリンッ!」
食卓に並んだ皿が割れる音がした。
「ライトロード家の娘として怪盗に
なるのだ!アルウィンよ!」
「やだ!あたし盗むのきらい!」
「ライトロード家は怪盗一家なの。
アルウィン、いずれはわかるわ…」
「わかってたまるか!」
「まちなさい!アルウィン!」
「バタン!」
アルウィンは家出した。
(こんな家もう嫌だ!怪盗一家?
盗むのが当たり前?冗談じゃない!
人を困らせる一家なら滅びた方が
マシだ!あたしは何としても盗みなんて
しない!)
そこからアルウィンは歩き続けた。
(もうどれくらい歩いたんだろう…)
ライトロード家はイエローシティの
ハズレにひっそりと住んでいた。
しかし、気がつけばアルウィンは
オレンジマウンテンを越え、
レッドシティを抜けて、
紫煙渓谷さえも抜けてブルーシティまで
歩いていた。
車でさえ行くのに相当な距離である。
アルウィンはブルーシティに着いた
頃ついに力尽きその場に倒れ込んでしまった。
(どうせならこのまま死んでいくのも
悪くないかも…
人に迷惑をかけるぐらいなら死んだ方がマシだ…)
すると雪が降り始めた。
(ハハ、ちょうど雪も降ってきた。
凍死してしまいそうだ。
これならどのみち助かりそうにない。)
アルウィンは気を失った。
するとアルウィンの体はみるみる冷え、
命の危険が迫っていたそんな時、
1人の男がアルウィンを見つけ、家に
連れて帰った。
「ここは…」
「お、気がついたか!ここは俺の家だ」
「おじちゃんだれ?」
「俺はミカヅキ。お嬢ちゃんは?」
「… アルウィン…」
アルウィンはしばらく黙ってから
小さな声で自分の名前を言った。
「そうか!まあ、何があったかは知らんがあんな雪の上で寝ていたら死んじまうぜ!」
「いいんだ。あたしは死んでも…」
「ん?どうやら訳ありのようだな。
どれ…話してみな。」
そこからアルウィンはミカヅキに
自分のことを話した。
「そうか、ライトロード家のお嬢ちゃんだったか…」
「あたし、警察に連れて行く?」
「いや、行かないよ。
だってお嬢ちゃんは物盗んだわけじゃないだろ。
だから死んだ方がいいなんていうな。
簡単に人生を諦めるな!」
ミカヅキはアルウィンに微笑んだ。
「ありがとう。おじちゃん。」
そこからアルウィンはミカヅキに
なついた。
そして14年が経ったある日、
「なあ、アルウィン、大事な話があるんだ。」
「ん?なに?改まって…」
「俺たち2人で旅をするのはここまでだ。」
「え!?どうして?」
「どうやら俺は不治の病に犯された
らしい。しかもこの病は感染する。
俺はここまでだ。」
「なに言ってるの!まだ医者に
直して貰えば何とかなるよ!
それに簡単に諦めるなって教えてくれたのはミカヅキでしょ!?」
「そうだったな…」
「私調べたの。幸運石っていう石があってその石を見つければ不治の病も
治るんだって!だから必ず直してあげるから!ブルーシティで会おう!」
「しかし、その幸運石には代償が…」
「平気!ミカヅキは私の恩人だから。
今度は私が助ける番だから!」
「フッ、わかったよ。」
「約束ね!」
2人は指切りをして約束をした。
さらにアルウィンたちが来る少し前のこと…
(ルルは幸運石の緑を持っている。
あれが手に入ればミカヅキは治る。
もう時間がない。なりふりかまっていられない。ルル、悪く思わないでね。)
入り口で緑の幸運石をはめ込む壁を
仕掛けたのはアルウィンだった。
そしてついにルルたちはアルウィンのもとへたどり着いた。
「ひさしぶり、、アルウィン。」
「ルル…」
アルウィンとルルたちは雪原の場所で
向かい合っていた。
ライトロード家にて…
「みろ!今日はパン屋から盗んだ
カレーパンだ!」
「あそこのカレーパンは絶品ですものね!」
「ん?どうした?アルウィン。食べないのか?」
「バリンッ!」
食卓に並んだ皿が割れる音がした。
「ライトロード家の娘として怪盗に
なるのだ!アルウィンよ!」
「やだ!あたし盗むのきらい!」
「ライトロード家は怪盗一家なの。
アルウィン、いずれはわかるわ…」
「わかってたまるか!」
「まちなさい!アルウィン!」
「バタン!」
アルウィンは家出した。
(こんな家もう嫌だ!怪盗一家?
盗むのが当たり前?冗談じゃない!
人を困らせる一家なら滅びた方が
マシだ!あたしは何としても盗みなんて
しない!)
そこからアルウィンは歩き続けた。
(もうどれくらい歩いたんだろう…)
ライトロード家はイエローシティの
ハズレにひっそりと住んでいた。
しかし、気がつけばアルウィンは
オレンジマウンテンを越え、
レッドシティを抜けて、
紫煙渓谷さえも抜けてブルーシティまで
歩いていた。
車でさえ行くのに相当な距離である。
アルウィンはブルーシティに着いた
頃ついに力尽きその場に倒れ込んでしまった。
(どうせならこのまま死んでいくのも
悪くないかも…
人に迷惑をかけるぐらいなら死んだ方がマシだ…)
すると雪が降り始めた。
(ハハ、ちょうど雪も降ってきた。
凍死してしまいそうだ。
これならどのみち助かりそうにない。)
アルウィンは気を失った。
するとアルウィンの体はみるみる冷え、
命の危険が迫っていたそんな時、
1人の男がアルウィンを見つけ、家に
連れて帰った。
「ここは…」
「お、気がついたか!ここは俺の家だ」
「おじちゃんだれ?」
「俺はミカヅキ。お嬢ちゃんは?」
「… アルウィン…」
アルウィンはしばらく黙ってから
小さな声で自分の名前を言った。
「そうか!まあ、何があったかは知らんがあんな雪の上で寝ていたら死んじまうぜ!」
「いいんだ。あたしは死んでも…」
「ん?どうやら訳ありのようだな。
どれ…話してみな。」
そこからアルウィンはミカヅキに
自分のことを話した。
「そうか、ライトロード家のお嬢ちゃんだったか…」
「あたし、警察に連れて行く?」
「いや、行かないよ。
だってお嬢ちゃんは物盗んだわけじゃないだろ。
だから死んだ方がいいなんていうな。
簡単に人生を諦めるな!」
ミカヅキはアルウィンに微笑んだ。
「ありがとう。おじちゃん。」
そこからアルウィンはミカヅキに
なついた。
そして14年が経ったある日、
「なあ、アルウィン、大事な話があるんだ。」
「ん?なに?改まって…」
「俺たち2人で旅をするのはここまでだ。」
「え!?どうして?」
「どうやら俺は不治の病に犯された
らしい。しかもこの病は感染する。
俺はここまでだ。」
「なに言ってるの!まだ医者に
直して貰えば何とかなるよ!
それに簡単に諦めるなって教えてくれたのはミカヅキでしょ!?」
「そうだったな…」
「私調べたの。幸運石っていう石があってその石を見つければ不治の病も
治るんだって!だから必ず直してあげるから!ブルーシティで会おう!」
「しかし、その幸運石には代償が…」
「平気!ミカヅキは私の恩人だから。
今度は私が助ける番だから!」
「フッ、わかったよ。」
「約束ね!」
2人は指切りをして約束をした。
さらにアルウィンたちが来る少し前のこと…
(ルルは幸運石の緑を持っている。
あれが手に入ればミカヅキは治る。
もう時間がない。なりふりかまっていられない。ルル、悪く思わないでね。)
入り口で緑の幸運石をはめ込む壁を
仕掛けたのはアルウィンだった。
そしてついにルルたちはアルウィンのもとへたどり着いた。
「ひさしぶり、、アルウィン。」
「ルル…」
アルウィンとルルたちは雪原の場所で
向かい合っていた。
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