上 下
10 / 22

番外編2:誕生日の花束(カルド×ヨハン)

しおりを挟む
番外編2:誕生日の花束(カルド×ヨハン)
※会話文のみ



-----本編直後

ヨハン(今日はカルドの誕生日だ。カルドが生まれて来てくれた事を、めいっぱい祝おう。それに今年は、俺とカルドが一緒に住み始めたり……い、色々と二人には、その、へ、変化があったからな。カルドに似合う花束も買ったし準備は万端だ。カルドもじき帰って…)

ヨハン「っ!(カルドだ!)」ダッ
カルド「ヨハン、カルドだ。開けてくれ」
ヨハン(どうしてカルドは自分の家なのに、毎回ノックをするのだろうか)
ガチャ
カルド「やぁ、ヨハン!聞いてくれよ!今日は散々だったんだ!」憤慨!
ヨハン(ど、どうした?帰って早々)コクコク

カルド「どこから聞きつけたかは知らないが、学院の奴らが、私が誕生日だからと言ってやたらと話しかけてくるんだ!鬱陶しい!」プンプン!
ヨハン(あぁ、そんなに鬱陶しがらなくても。皆、キミをお祝いしたいのさ)コクコク
ガルド「中には、花束なんてモノを渡してくるヤツも居たんだぞ!」憤慨!

ヨハン(は、花束?)コクコク
ガルド「誕生日など下らない!たかだか妊娠期間を終えて母胎から排出されただけの日じゃないか!それをバカみたいに騒ぎ立てて!お陰で今日は一日全くアイディアに集中出来なかった!花束もすぐ捨ててやったさ!あんなモノは邪魔以外の何者でもないからな!」プリプリ!

ヨハン(そんな…)

カルド「ヨハン?(頷いてくれない?何か様子が変だ。こういう違和感をヨハンに対しては放置してはいけない。……ん、何か背中に隠している?)」
ヨハン(…少し考えれば分かりそうな事だった。カルドが誕生日に興味がない事くらい。それを俺は一人で浮かれて。彼のルーティンを穢す所だった)しょぼ

カルド「…ん?これは」ひょい
ヨハン「っ!」ビクッ
カルド「これは…花束?(もしや、ヨハンは)」
ヨハン「っ!(このままじゃ、カルドのルーティンを崩してしまう!っごめんよ……!)」

えいっ!と、ヨハンは外に花束を投げ捨てたよ!

ヨハン(後で拾いに行くからね…)悲しみ…
カルド「っなにをするんだ!ヨハン!(ヨハンが、あの優しいヨハンが!花を投げ捨てた…これは、もしや)」

ヨハン(ここからはいつも通り、干し肉の夕食を出して、その後は…あぁっ!部屋を飾り付けしていた!急いで片付けないと!)タタタっ!

カルド「っ!!ヨハン!ま、待ってくれ!」
ヨハン(あぁ!夕食も干し肉の他にサラダまで付けてしまった!)無視!
カルド「!」

ヨハンは、バタバタと音を立てて部屋を駆け回ったよ!

カルド「ま、ま、ま、まて!あぁっ、どうしよう。どうすればいい…?俺が花束など下らないなんて言ってしまったからか?そ、そうだろうな。状況から考えてそうに決まっている……!あぁっ、ヨハンが私の為に何かしらの準備をしている事など考えれば容易に理解出来た事だったのに!私は何て愚かなんだ!」

ガタガタ、ガタガタ!

カルド「っ!も、もしかして出て行こうとしているのか?ヨハン…ヨハンッ!」

カルド「ヨハン!お、おれが、あの、わ、わたし、は、あ、あやまる、ご、ごめんなさいと、しゃ、しゃざいを!つ、つみを、つぐなうチャンスをっ……!」

ヨハン(早く片付けていつも通りにしないと!)必死故の無視!


お互いを思いやり過ぎて大幅にすれ違う二人。最終的にカルドがヨハンにしがみ付いて泣き出して、ヨハンの動きが止まったよ!


カルド「キミにっ、じゃざいを、ずる、きがいをっ」号泣
ヨハン(っえ!?何を泣いているんだい!?カルド)


ちなみに、カルドは毎回ヨハンに出迎えて貰うのが好きなので、自宅なのにノックするよ!

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

君のことなんてもう知らない

ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。 告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。 だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。 今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが… 「お前なんて知らないから」

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

お客様と商品

あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!

棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

愛人は嫌だったので別れることにしました。

伊吹咲夜
BL
会社の先輩である健二と達哉は、先輩・後輩の間柄であり、身体の関係も持っていた。そんな健二のことを達哉は自分を愛してくれている恋人だとずっと思っていた。 しかし健二との関係は身体だけで、それ以上のことはない。疑問に思っていた日、健二が結婚したと朝礼で報告が。健二は達哉のことを愛してはいなかったのか?

【完結】乙女ゲーの悪役モブに転生しました〜処刑は嫌なので真面目に生きてたら何故か公爵令息様に溺愛されてます〜

百日紅
BL
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でしたーー。 最後は処刑される運命の悪役モブ“サミール”に転生した主人公。 死亡ルートを回避するため学園の隅で日陰者ライフを送っていたのに、何故か攻略キャラの一人“ギルバート”に好意を寄せられる。 ※毎日18:30投稿予定

【本編完結済】蓼食う旦那様は奥様がお好き

ましまろ
BL
今年で二十八歳、いまだに結婚相手の見つからない真を心配して、両親がお見合い相手を見繕ってくれた。 お相手は年下でエリートのイケメンアルファだという。冴えない自分が気に入ってもらえるだろうかと不安に思いながらも対面した相手は、真の顔を見るなりあからさまに失望した。 さらには旦那にはマコトという本命の相手がいるらしく── 旦那に嫌われていると思っている年上平凡オメガが幸せになるために頑張るお話です。 年下美形アルファ×年上平凡オメガ 【2023.4.9】本編完結済です。今後は小話などを細々と更新予定です。

藤枝蕗は逃げている

木村木下
BL
七歳の誕生日を目前に控えたある日、蕗は異世界へ迷い込んでしまった。十五まで生き延びたものの、育ててくれた貴族の家が襲撃され、一人息子である赤ん坊を抱えて逃げることに。なんとか子供を守りつつ王都で暮らしていた。が、守った主人、ローランは年を経るごとに美しくなり、十六で成人を迎えるころには春の女神もかくやという美しさに育ってしまった。しかも、王家から「末姫さまの忘れ形見」と迎えまで来る。 美形王子ローラン×育て親異世界人蕗 ムーンライトノベルズ様でも投稿しています

処理中です...