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改めて部屋に戻って事情を全部話すことになった。
何故か気づけばあそこに寝転んでいたこと。
元々違う世界に住んでいて、そこには魔法がなかったこと。
排泄行為はみんな普通にしていたこと。
青年はびっくりしてたけど、こっちだって相当驚いてるからな。
トイレがないのは本当らしい。俺が推測したとおり魔法で体内にある内に浄化魔法を掛けるそうで、その魔法を掛ければブツが消えてしまうため排泄の必要はないんだとか。
ちなみにお風呂も浄化魔法ですませるため浴室もないそうだ。となると肌を出すのは着替えの時くらいか。通りで脱ぎ着の大変そうな詰め襟の民族衣装を着ている訳だ。
「しかし信じられません。……『溜水』はともかく『汚塊』も魔法を使わないで出すことなどできるのですか?」
話しの流れからするに絶対うんこの事だよな。なんで信じられないんだ?魔法がなきゃそうするしかないじゃん。
「できるでしょ。そのために尻に穴が開いてるんだし」
むしろこっちの人々のお尻の穴って、存在価値がほぼなくなって悲しんでんじゃないの。
「穴?穴があいているのですか?成人した者の臀部に?」
「え、ありますよね、普通」
「ないですよ!赤子の時のみ体が発達しきっておらず獣のように穴が残っているそうですが、大人になってもそれが残っている人間なんて聞いたことがない!」
「へ?」
どういうこと?ま、まさか使っていないから退化して消えたとか?そんなことってあり得るの?
それにこの言い方からすると、何だか人間の下半身に穴があること自体が驚きっぽいような。まさか……
「変なことを聞きますけど、女の人はあるでしょ?さすがに」
「えっ、女性ですか?」
また赤面している。本当に真面目だな、青年!
「女性の下半身は何もないでしょう?」
「えっ、そりゃ竿も玉もないのは分かるよ?でもホラ、穴は開いてるでしょ?」
「な、ないですよ。聞いたこともありません」
「はああ!? そんな、じゃあエッチはどうやってすんの?」
「『エッチ』?」
「あ、その子作り?男女のまぐわい?」
「ッ。ごほん、失礼。『夜交』の事ですか」
微妙に言葉が通じない場面もあるけど、隠語ってくらいだし地域差が出てるせいで通じないのかも。
青年はさらに続くシモの話題にさらに顔を赤くした。目線もウロウロ落ち着きなく揺れている。
「じょ、女性は腹の中に子供を育てる部屋があると聞いています。『夜交』ではなるべくその近く、下腹の辺でしょうか。そこに、その子種をこすりつけるのです。しばらく時間をおくと体内に吸収され、運が良ければ子供ができます」
「はあ?えっ、だって、じゃあ赤ちゃんは?できた赤ちゃんはどうやって出てくるのさ?」
「え…、それは然るべき大きさまで育ったら、赤子の魔力と親や介助者たちの魔力を合わせて転移魔法で取り出しますが?」
何故驚くのか分からないといった顔をされたけど、そんなの驚きしかないよ!
なまじ魔法が使えるから不要な体の部分が退化したってことなんだろうか?でもそれじゃあ、もし元の世界に帰れなかったら俺は一生童貞ってこと?マジで?
大体こすりつけるって何だよ。それでこっちの人は満足しちゃうの?
聞けばお肉に埋められるってことで、お腹が出ているようなぽっちゃり体系の女性がもてるらしい。な、なるほど……。
俺の驚く様子が青年も気になったんだろう。俺達の世界の夜事情について聞かれたので話したら、眉を潜めて固まってしまった。俺もまるっきり同じ気持ちだからそうなるのはとても分かる。
「とても……信じられません」
「俺も全然違ってて驚いてるから気持ちは分かるけど、本当だよ」
「……」
するとしばらく考え込んでいた青年はとんでもないことを言い出した。
「……見せてくれませんか?」
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