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序章電撃婚約発表
2異世界の執事
しおりを挟む婚約発表をしてから案の定。
お茶会や舞踏会の招待状が来ていた。
すべてに参加するのは難しいのっだが、まったくでないわけには行かない。
「さて困ったものだな」
「大きなお茶会と舞踏会にだけ参加して適当な理由を作ります。煩い蠅は先に叩く方がよろしいかと」
「おい、少しは口を慎まんか」
「心得ておりますよ」
俺にお説教をするのは侯爵家の家令であり、俺の保護者だ。
俺はこの世界の人間ではなく別の世界から来た。
執事喫茶で執事をしながら働いていていたある日、執事喫茶の資料室で見つけた本に吸い込まれて気づくと見知らぬ場所にいた。
最初は夢かと思ったが、すぐに夢ではない事に気づき。
偶然俺は変な男に襲われかけている少女を見て直ぐにつけたのだが。
その少女は朦朧とした目をしていた。
すぐに病院へと思ったが、ここが何処か解らなかった俺は困り果てる中、ジョルジュ爺さんに出会った。
彼はベルツリー家の家令らしく。
邸を抜け出したお嬢様、アンジェリカ・ベルツリー様を探していたそうだ。
王都から離れた場所にある療養所にて心の病を治療していたのだが、いなくなってしまったと聞かされ俺は放っておけずに邸に同行したのだが、何故か何処かの邸の執事だと勘違いされてしばらくお世話になることになった。
一宿一飯の恩義もあり、手伝いを申し出たが。
俺を気に入ったジョルジュ爺さんが邸でしばらく働かないかと言われ、行く当てのない俺は正直に身の上を話したのだ。
普通に考えれば信じて貰えないが、ジョルジュ爺さんは俺の話を信じ。
異国の執事であると判断した。
まぁ執事だけど。
理由は俺の服装と執事のバッチだった。
この世界では執事はランク分けにされており、銀のバッチは家令のすぐ下という位置づけだった。
通常執事は平民でも裕福な家の子供がなるが狭き門だ。
俺の世界でも外国では厳しい修業をした後になれるが、ランク分けされている。
俺も執事喫茶で厳しい教育を受けた身だが。
俺の見つけていたバッチのおかげでジョルジュ爺さんが俺を評価してくれた。
最初は見習いという事にしていたが、心身ともに疲れているお嬢様のお世話をする内にお嬢様から好意をよせられてしまい、挙句に娘命の侯爵様が俺を婿養子に迎えたいと言って来た。
勿論俺とお嬢様は愛を育んでいたが、そこで問題が発生した。
俺の身分だ。
平民である俺がお嬢様の婚約者になるのは身分が必要だった。
そこでお嬢様の伯母に当たるセリア様の容姿になり伯爵家に婿に入り、身分を作ることになった。
遠縁という形にして養子縁組にした後に、俺がベルツリー侯爵家に婿に入る準備が整えられた。
しかしこうなった原因はお嬢様を精神的に参らせるまでに追い込んだ元婚約者の悪行いよるものだった。
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