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番外編マリエルの末路②

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あの後は最悪だったわ。
氷水をぶっかけられ着替えもなく寒さに震えていた。

食事も相変わらずまずいし、文句を言えば今度は水とパンだけだった。


私を餓死させる気かとも思ったけど、そんな素振りは見えなかった。
二週間過ぎた後に牢屋から出されたと思ったら質素な馬車に無理やり押し込められ、窓もなく何所に向かっているか解らなかった。


丸一日かけて馬車が到着した場所は寒い土地だった。
ストラス領地も冬は寒かったけど、私達が送られた辺境地はもっと最悪だった。


領地には小さな村がある程度で寂れた領地に、領主は女伯爵だった。
スワルダ伯爵は貧しい土地で食べる物もあまりなく、女伯爵は喪服のような装いをしていてダサかった。


こんな女の元に送られてどうなるのかと思った。


「お前が罪人ですか」

「は?」

「貴族でありながら品位を汚し、有るまじき行動をしただけでは済まず、地下牢でも狂言を続けたと聞きます。罪を犯し反省の色もな牢屋でも傍若無人に振舞うとは…そのようにねじ曲がった性根は私が直してあげましょう」

「何言って…」

「お黙りなさい」

ピシャッ!

「きゃあ!」

「これより私がお前の主です。奴隷以下となったお前に人として発言することは許されません」

「何よそれ…きゃあ!」

「口答えは許しません」


黒い鞭を取り出し事あるごとに年増は鞭で私を叩きはじめた。


「お母様!」

「伯爵様、本日よりよろしくお願い申し上げます」


「なっ…」


なんて最低な母親なの?
娘の私がこんな酷い目に合っているのに抵抗することなく従っているなんて。


「アンタも伯爵様の言う事には従った方が良いわよ」

「そうよ、王都で何をしたか知らないけど…ここで生きて行くには必要な事だわ。まぁ三食しっかり食事はくれるし、命令に逆らわなければ悪くないわよ」

「そうよ、北の離宮に送られるよりはねぇ?」

「家畜の世話をさせられるよりはずっといいわ」


冗談じゃないわ。
私はこんな人間を諦めて尊厳すら持てない人間と同じだなんて。

下等な家畜と同じじゃない!


こんなの認めないわ。

あんな女はもう母親でも何でもないわ。


絶対に屈してなんてやらないんだから!


私は気持ちを強く持ちながらもう一度のし上がろうと思ったけれど、女伯爵は何処までも残虐で抵抗すのも難しく味方は一人もいなかった。


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