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番外編マリエルの末路①

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伯爵位を剥奪され、ありえない程のの待遇で地下牢に入れられた私の生活は最悪だった。


どうして私がこんな目に合うのよ。
私は何も悪くないのに。


「ここから出しなさい!私を誰だと思っているの!」

「マリエル、辞めなさい。これ以上暴れても意味がないわ」


大人しくしているお母様は抜け殻ののようだった。
なんて恥ずかしい人なの?

こんな酷い扱いを受けているのに、何も言えないなんて。

そんなのだから伯爵夫人として役目も果たせなかったのよ。

「これはルイス様の慈悲なのよ。私達は本来ならば不敬罪で主計されるか娼婦としても売られても当然の事をしてしまったのよ」

「私は悪くないわ!悪いのはアンタでしょ」

「マリエル…貴女は」

私を憐れむような目で見るなんて何様なの?
選ばれた存在である私がこんな牢屋に入れられていいはずがないわ。


「私はアンタみたいにならないわ…そうよ。こんなのは悪夢よ」

現実じゃない。
だって私は誰よりも美しいんだから!



そんな中、足音が聞こえた。


「またか、本当に耳障りだな」

「殿下もこんな女にストーキングをされるとはお可哀想だな」

「ああ、こんな小汚い女が元婚約者等と狂言をするとは」


「は?」

こいつ等、なんて無礼なの!
この私を小汚いですって?ありえないでしょ。

「言葉も穢ければ所作もなっていない。平民でも真面な教育を受けた少女ならまだマシだぞ?」

「どうせどこぞの娼婦じゃないのか?殿下の寵妃を狙ってだろう?いくら何でも貴族派がこんな女を送り込むか?美しくもないし性格はブスだしな…俺が殿下だったら願いだけだ」

「おいおい、殿下のように心映えの美しい方の隣には相応しくないだろ」

「だな!はははっ!」


なんて屈辱なの!
この私に向かって身分もない野蛮人如きが許せない。


「アンタ達!今すぐここから出しなさい!」

牢屋に皿をぶつけ、怒鳴った。


「おい、今何時だと思ってんだ?」

「うるさいぞ」

「お黙りなさい!今すぐ私をここから出しなさい!」


私はいずれ女王となるのよ。
あの出来損ないのルイスを利用して私が玉座に立ってやるわ。


あの赤毛女なんてどうせ子供の産めない石女なんだから。
母親も子供も身ごもれず、ようやく授かったと聞くけど、娘だって不妊に違いないわ。

だから私はルイスの側妃になってあの女を追い出せばいいのよ。

そうすれば私は女王よ!


「お前、いい加減にしろ!」

「罪人の分際で何処まで偉そうなんだ」

「きゃあ!」

冷水をかけられてしまう。

氷のように冷たかった。

「聖水だ。これで穢れた心を清めるんだな」

「くっ…」

こんなの認めないわ。

絶対に認めないんだから!
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