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番外編オスカーの復讐③

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一足先にモモを現地に向かわせ、俺は里帰りと言う事にした。


「オスカー、ごめんね?休みなく働いてもらって…長期休暇もあげられなくて」

「問題ありませんよ殿下。これが俺の仕事です」


正直、純情可憐な我が君に嘘をつくのは心苦しかった。
本気で俺が里帰りすると信じ込み、長期休暇を与えられないことを詫びられる。

「殿下、これにそのような寛大なお言葉不要にございます。適当に息抜きもしておりますのでもっと働かせるべきです」

おいジュジュ。
お前は俺になんの恨みがあるんだ。

「そうは行っても、休みも必要だからね」

「ああ、殿下。この腹黒の騎士にまで心を砕かれるとは」

随分な言い方だが、俺が不在の間はジュジュが護衛をするので文句はあまり言えなかった。


「道中気をつけてね?これお弁当を作ったんだ」

「殿下…また厨房に」

「うん」

いや、うんじゃないからな!
あれだけ厨房に入るなと言われていたのに全く聞いてないな。


「熱いから、冷たいサンドイッチにしたから」

「ありがとうございます」


戴冠式を終えた後に裏方に徹底しているが、この性格は変わらないな。
本当に生まれてくる性別を間違えたと言っても過言ではなく、王家のお茶会は必ずホスト役を任され接待役をすれば必ず招待客はご機嫌になる。


王配の仕事というよりも貴族の妻の役目なんだけどな。


まぁ、本人が良いならいいんだろうけど。


「有難くいただきます」

「気をつけてね」


ああ、そんな顔で俺を見るな。

「オスカー」

ほら見た事か!
嫉妬に狂った女はどんな魔物よりも恐ろしんだ。


「旦那様の愛情たっぷりのお弁当を持って里が帰りとは良い御身分ですわね?三日と言わず一か月程休みを差し上げましてよ?」

本当に噂をすれば影だな。
こんな時までグチグチと言うんだ?

「流石に無理ですよ?殿下の補佐ができる人間がいませんよ」

「チッ!」

聞こえてんだよ!
俺を邪魔者扱いして、本当に変わらないな。

常に俺がルイスの傍にいるのが気に入らないからって、俺も仕事なんだよ。


「では、行ってまいります」

「ああ、気を付けて」


背後で俺を睨みつける女王陛下は相変わらずだと思いながら俺は目的に向かった。


馬を走らせながら向かう先はフェルデア領地の目と鼻の先だった。
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