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40.マリエルの失態①
しおりを挟むどうしてこうなってしまったの?
私は幸せになるはずだったし、なれるはずだった。
なのにどうしてこの私が不幸な目に合わなくてはならないの。
邪魔なルイスを追い出して、愛するキャルドンと添い遂げるまでは順風満帆だったはず。
なのに婚約破棄をしたと同時にすべて上手く行かなくなってしまい、フェンネル家からは今までの支援は勿論の事関係を切られ、あげくの果てに領地を返上しろと言われた。
ルイスが婿入りする際に譲った領地の一部の事だったけど、既にあれは私の物だわ。
そんな勝手は許されないと思いきや、性悪な弁護士はこれ見よがしに法律だと言葉を並べて返上しないならば代金を支払うべきだと言って来た。
だから、返してあげたわ。
どうせ、あんな雑草並みの領地なんて不要だった。
けれど、それだけでは飽き足らず私達の新居までも奪おうとする強欲なフェンネル家。
何故新居まで手放さなくてはならないのかと訴えるも、土地はルイス名義であり、邸を立てる資金を出したのがフェンネル家だった事で、所有権が私にないと言われた。
おかしいでしょ!
ルイスの物は私の物よ!
なのに、性悪な弁護士と、出来損ないのあの女はこれ見よがしにルイスを追い出した事を責めて来た。
感謝されても恨まれる理由はないわ。
一族の出来損ないで恥さらしを追放してやったのにどうしてよ!
アンタ達だって恥ずかしい思いをしていたんでしょ?
ルイスなんて野垂れ死にした方が良いに決まっている。
お父様が血迷った所為で私はこんな価値のない男と婚約させられてずっと不幸だったのに。
私は美しく愛される存在なのに。
精霊から見放され、加護もないような男が夫だなんてありえない。
そんな私を救いだしてくれた王子様がキャルドンだった。
身目麗しく、優秀で非の打ちどころのない完璧な王子様こそが私に相応しい。
・・・・はずだったのに。
ルイスを追い出してから収入源にしていた薬草園は枯れてしまい、他にも果物園も悲惨な状態になってしまった。
その程度ならまだよかった。
キャルドンが新事業として展開していた新しい上級ポーションが粗悪品だと言われ始め、私達の事業が悪い方に進んだ。
勿論悪いのはキャルドンじゃない。
職人達の腕が悪いからだと思い即刻解雇した。
けれど、次に邸に出入りしていた商人が次々と邸を出て行くようになった。
ずっと我が家と懇意にしていたのになんて恩知らずなのだろうか。
そんな中、お祖父様は当主の座を引退して引っ込んでしまう事になった。
理由を聞けばルイスを追放した責任を取るとの事らしい。
なんて愚かなのかしら?
いくら貴族同士の結婚が王の許しの元で行われていても、すぐにわかるだろうに。
なんの役にも立たないルイスと私では釣り合わないと。
陛下だってすぐに気づくはずだわ。
私の選択が間違っていないと気づくはずよ!
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