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再婚なので身内だけの小さな結婚式を行う予定だった。
先帝陛下もご了承してうださったから安心していたが、あまりにもあっさりしていたので気にはしていた。


あの方がはいそうですかというわけがなかった。


でもこれはどうなのかしら。


「やはり皇族の紋章をあしらい銀刺繍と絹のドレスですわね」

「お色直しはどうなさいますか」

「当日のパレードの為だ盛大に行え!馬車の運転はもちろん私だ!」


恐ろしいパレードが計画されていた。
隣の部屋で打ち合わせが行われるも、しっかり聞こえるほどの大きな声だ。

「先帝陛下だけ楽しませるわけには参りませんぞ」

「そう怒るでない大公」


大公ですって!
まさか大公殿下も参加されるなんてことないわよね?

だって相手は平民よ。


「今回の事も私はのけ者でしたからね。パレードは仕切らせてもらいますぞ。それから後見人は私の娘夫婦になるのですから」


ああ、眩暈が。
恐ろしい計画が着々と進んでいるわ。


「最近はイベントがなくて暇でした。妻も楽しいイベントができたと大喜びでした」

「そうか、そうか」

「しかもあの堅物が嫁を迎えるならば盛大にしなくては。妻は銀のティアラをと…」

「本来なら黄金のティアラにしたいが」

「さすがにそれはまずいでしょう」


銀のティアラでも大問題です。


ティアラとは皇族の中でも位の高い皇后、皇妃が許された代物だ。
銀のティアラはその血筋に連なる身分がないといけないのに私には無理だわ。


「まぁ問題ないだろう。なんせ先帝陛下の甥の妻…現皇帝はまだ妃を迎えておらぬからな。ある意味で皇族の中で二番目に地位のある女性になるわけだ」

「ハッハッハッ!」


笑い事じゃない。
本当に呑気に笑っている状況じゃない。






「旦那様!」


「どうしたんだリサ」


「私はパレードに大公殿下が参加されるなんて聞いていません」

「は?大公殿下が?なんの話だ…あの方が?」


まさか旦那様も何も知らされていなかったなんて。



「伯父上…」

「しかもティアラだなんて」

「あー…あれか」


ティアラに関しては知っていたのね!


「一応皇族の結婚式だからな。後は嫌がらせをしたいそうだ」

「なんのです?」

「牢獄にいるあの連中に最高の嫌がらせをしたいとマリーが伯父上に…」


お嬢様、なんでまたそんなことを。


「マリーは今回の結果に不満だそうだ」

「不満?」


何故かしら。
彼らは私が想像するよりも厳しい罰を受けたのに。


特に元義姉はすべてを失ったと言っても過言ではないわ。


どうして?


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