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しおりを挟む夢の国のようだった。
すべてが煌びやかな世界で私には縁がないと思った。
社交界に出ることもあった。
学生時代、豪華なパーティーに参加したけど。
桁が違う。
「先生、疲れましたの?」
「精神的に…まるでおとぎの世界というかシンデレラになった気分です」
本当にね。
私にとっては別世界だった。
「先生、この程度で驚かれては困りますわ」
「リサ、慣れればどうということはない」
「慣れますか…」
私の実家はそこそこ資産はあるけど、基本倹約かだった。
商売とは使う時は使うけど、それ以外は質素だ。
成金等の一代限りの資産家は違うのだろうけど。
本当のお金の使い方を見誤ることは三流の商人なのだから。
その考えが体に染みついている。
「リサ、君は伯父上と似たような考えを持っている」
「大伯父様は先帝陛下なのに倹約かですものね、無駄遣いという言葉が大嫌いですもの」
「はい?」
先帝陛下が倹約家?
そんな話を聞いたことはない。
だってご自身で事業を立ち上げ、お金の神様とも言われる程。
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現在は安定しているのは先帝陛下の斬新な改革の賜物だと聞いている。
「言ってなかったが伯父上の実家はそこまで裕福ではなかったんだ」
「大体、湯水のようにお金を使っている馬鹿が財を失うのですわ。家柄だけでお金のない高位貴族は沢山いましてよ。その癖大伯父様にお情け頂戴の方が多いのです」
「お嬢様…」
確かに、お金の使い道を間違えている貴族は多い。
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「マリー、頼むから皇居でそんなことを言わないでくれ」
ああ、お嬢様を見る旦那様の目が死んでいる。
言っていることは正しいのに私も胃が痛くなるのだけど。
この後すぐに更に胃が痛くなる体験をするなんて知る由もなかった。
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