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第二章魔導士の条件

7混乱の中

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学園に留まっているリーシアとギーゼラは下級生の避難させていた。


先程の攻撃で負傷者はいなかったが、まだ幼い生徒達もいるので彼等を避難させながら元気づけていた。

「学園どうなっちゃうの」

「怖いよ…」

エリルデード魔法学園は小等部から高等部が存在する。
攻撃を受けた場所は小等部付近だったので大混乱となっている。


「うぇぇぇ!怖いよ!」

「うわぁぁぁん!」

まだ入学して一年も満たない幼い子供はその場で怯えてなく始末。


「急いで避難を…」

「やだ!怖い!」


泣き出す子供達は言う通りにしてくれない。


「宮廷師団はまだなのですか!」

「結界だって既に壊れかけているのです」


その時だった。


「きゃあああ!」

絹が裂くような悲鳴が響く。


結界を壊した魔物が襲いかかる。


「子供が!」

「ユーフィリア様!お願いします」

「無理よ…あんな傍でなんて」


ユーフィリアは攻撃魔法の使い手だったが遠距離戦は得意ではない。
相手はキメラだった。

至近距離で攻撃しないとダメージを受けないし、打撃攻撃も必要だった。

「聖騎士様!」

「無理に決まっているだろう…それよりも!」

アークに視線を向けるも助ける前に非難すべきだと告げる。
そのあんまりな態度に周りの人間は冷たい視線を向けるも、背を向ける。


「聖騎士の癖に!」

「だったら君が行けばいいだろう。他人に頼る前に自分で」


つい勢い余って行ってしまったアークにユーフィリアも同意をする。

「多少の犠牲は仕方ないわ。優先順位は…」

「多少ですって?」

「なんて事を!」


キメラに襲われかけている生徒は平民だった。
しかも未だに星を持ってないのだ。


「あの男!」

「ギーゼラ、あんな男に構う余裕はないわ!私達で助けるしかありません」

二人の魔力ではキメラを完全に滅する事は出来ない。
それでも、キメラの標的を自分に向かせることはできるはずだと思ったが。



「わぁぁぁん!」


「しまった!」


キメラは子供を捕らえ人質にした。
これでは手が出せない。

そんな最中に迫りくるキメラに雷撃が当たる。


「サンダーボルト!」

その攻撃で一時は怯んだように思えたが、雷を蓄積してさらに魔力を得ていしまぅている。


「そんな!」

「ユフィの魔法が…」


リーシアは唖然とした。


「キメラに雷なんて利くわけないでしょう!魔導士ならばいざ知らず…レベルがそこそこの魔術師程度で」

「むしろ魔力を得てパワーアップしてます」

「こうなったら光魔法で」


グリモワールを取り出し光魔法で目くらましをする。

「ギーゼラ!」

「はい!」

ギーゼラはその隙に子供を奪い返した。


「急いで避難を!」

「はい!」

傍にいた中等部の生徒に預けた時だった。


「姫様!」


「しまった…」


背中を取られたリーシアは攻撃魔法を使う余裕などない。
例え使っても間に合わないのだ。


(もうダメ…)


目を瞑り死ぬと思った時だった。



強い魔力が発動し、キメラは吹き飛ばされた。




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