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第一章婚約破棄と白のグリモワール
13正論で
しおりを挟むクラスから冷たい視線を向けられていたメアリだったが三人の登場により一変する。
「何で、あんなのと」
「ありえない」
ヒソヒソ話すも。
「何か言いたいならはっきりなさいな?先ほどから陰口を言って態度が悪いですわ」
「少し学園を開けていた間に学園の在り方が随分変わったようだ」
「本当に態度が悪いですね」
三人の視線にほとんどの生徒は何も言えなくなるが、一部の生徒が声を上げる。
「殿下、そのような下賤な者と一緒にいてはなりませんわ」
「そうですわ。その者は悪女ですわ」
「悪女?」
ミカエルは素知らぬ振りをする。
しかし近しい人間が見ればすぐに解る。
笑顔を浮かべながら目を笑っていない。
「僕は誰と親しくするのに君達の許可がいるのかな?」
「そうではなく、その女は聖女様と聖騎士様の愛を引き裂く悪女なのですわ」
「そうですわ。愛し合う二人を引き裂くなど…婚約者の座にしがみ付くなんてなんて事…」
口々に責める生徒が増えるも。
「あら?婚約者のいる男性に手をだしたのですか」
「は?」
「彼女という婚約者がいながら浮気したと…嫌ですわ。なんて道徳のない事」
「何故メアリ様が悪女になるんですか?意味が解りません」
メアリを悪女呼ばわりをしていた生徒は口を開けたまま固まる。
「婚約者がいながら浮気とは…なんて不潔なのかしら。聞けばメアリ様と彼女は友人と聞きますが知っていて奪ったのであれば怖いですわ」
「なっ…」
「はぁー…学園の風紀が乱れきってますわね。父に報告しないといけませんわ」
シーリアの言葉にクラス全員が絶句する。
「それで、その尻軽な女は誰ですの?私の大切なメアリ様から婚約者を奪って自称聖女を名乗っているのは」
「そんな言い方…」
「通常聖女と呼ばれて許されるのは聖職者のトップですわ。勝手に名乗るなんて他所の正教国にも反感を買われますわ…その方が出家なさるならばしかるべき教育の見直しをしなくては」
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「何より人の婚約者を奪うなど聖女を名乗るとはどれ程図々しいのか」
「その場合聖女ではなく魔女ではなくて?」
「確かに…面白い例え方だ」
正論を投げかけならがユーフィリアを挑発する。
遠目からリーシアはちらりと一方を見てその本人がぶるぶる震えて気づく。
その隣で寄り添う人物に気づきながら、リーシアはメアリを抱きしめる。
「メアリ様、気にしなくていいのですわ。貴女を捨てた最低最悪な男なんて忘れるべきですわ。ねぇ?殿下」
リーシアはミカエルにアイコンタクトを取った。
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