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第一章

6密会

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早く校舎に戻りたいんだけどな。
絶好のスポットでリーゼロッテ様を遠くから見たいのに。


「ねぇ、聞こえているんだけど」

「黒魔法ですか」

「君、馬鹿じゃないの?君の顔にでているんだけど。君本当に姉さんしか眼中ないでしょ?僕と同じクラスで入学式も隣だったのに」

「はい?」


入学式は生徒代表としてリーゼロッテ様もオルガンに聞き惚れていた。
基本私は男性に興味がない。

別に私はそっち系の趣味はない。
自由恋愛主義だから男同士にも差別はないけど。

どうにも王都の自称貴公子に魅力を感じないのだ。


「あー、解ったよ。君が姉さん以外はぺんぺん草程度だもんね。心配して損した」

「あの…もういいですか?」

私は早くこの場を去りたい。
公なら不敬罪になるかもしれないけど、ルーク様は私の事を通行人、もしくは村人程度しか思っていない。


「君、本当にブレないよね?」

「ありがとうございます」

「褒めてないから」

もういいやそのまま去ろうと思いきや。


「伏せて」

「ぶっ!」


いきなり頭を鷲掴みにされて地面に叩きつけられた。


「ルーク様、貴女は鬼畜貴公子だったんですか!」

「何言っているの。違うから…二時の方向見て」

「話をそらし…クソ王子!」

「だから静かに」

口を塞がれてしまう。

「モゴモゴ…」

「だから静かにしてくれる?バレたらまずいでしょ」


二時の方向にて二人の男女が密会をしていた。
手を繋ぎ身を寄せ合う姿はロマンス小説に出て来る男女のようだ。


「すまない、シェリル」

「いいえ、いいんです。私は大丈夫です」


「俺が王子でなければ。堂々とできるのに」


これが小説だったらさぞ絵になるのだろう。
だけど現実なら美しくともなんともないのだから。


「ですが、これ以上は合わない方が…リーゼロッテ様が」

「あの噂か。彼女は優秀だし、噂なんて大丈夫だ」


大丈夫だぁ?
学園内でリーゼロッテ様がどんな思いでいるか。

「けれどあの方が一方的に悪い噂が」

「大丈夫だろう。罪悪感はあるがこの程度の噂は大丈夫だろう…何より噂hの半分は真実だ。俺は彼女を愛していないし今後も愛する事はないだろう」

「フェルリス様!」

「俺が愛しているのは君だけだ。決して結ばれなくとも」


こいつ、ぶっ殺してやる!
悲劇の主人公気取りでいるようだけど、噂で苦しみ蔑まれているのに!


今すぐ叫びたいができない私は。


怒りをぶつけるように地面に怒りをぶつけるように書いた。


『王子最低!王子ぶっ殺す!王子死ねよ』と。


せめて何処かに怒りをぶつけないと耐え切れない。



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