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153女神の階級

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すべての元凶であるあの女神とは神々しさが違う。
だけど正義の女神が私の元に現れたということは私は正義を間違えた。


「正義の女神よ…」

「この度はどうあ詫びをしてよいか」

「はい?」

正義の女神が深々と頭を下げた!


「どういうことでしょうか」

「正義の女神、我妻を罪人として罰する為に」

「その逆です。あの馬鹿は調子に乗り過ぎました。聖女候補が悪魔になる可能性はあります。ですがあのような言い方をするなど」

「えっ…」


正義の女神いわく、聖女が悲しみや苦しみに負け、闇に囚われ欲が強くなれば悪魔の心を持つ。
ただし、その過程で完全に悪魔になるわけではない。


ただ女神は必要以上に聖女に干渉はできない。
助言はできても見守るしかできないとのことだった。


「竜王の姫を傍に置き、聖女の心を守れるようにと…竜神に協力していただきました」


聖女は女神の地上の代弁者であっても、竜神は違うとのことだった。


「竜神が見初めた少女は加護の大きさにどこからは欠落したものがあります。ですがそれを補うだけの心を持っているのです。感謝しても侮辱など論外」


正義の女神はあの女神が私だけでなく初代を侮辱したことが許せなかったのか。


「あれはまだ新米女神、まだ2000年程度しか生きていないのです」

「十分生きていると…」

「私達には浅すぎます」


神様事情は奥が深い。


「今更ですが、聖女の召喚はもうできないでしょう。この度天界会議で決まりました」

「そうですか…」


本当にもう犠牲になる少女は終わりだ。


「そしてお詫びです」


正義の女神は手をかざしモニーク家に光を降らせる。



「枯れた湖が…」

「わずかな詫びです。この地に四代精霊の加護をもたらします」

大自然に囲まれているけど、日照りの影響を受けている。
不作の地もある。


「これより千年は加護が得られるでしょう…これが私にできる最大の償いです」


「正義の女神様、ありがとうございます」

「やはり…貴女は竜が認めた方。貴女に会えて良かった…」

「え?」


正義の女神はそのまま姿を消した。


「サーシャ、大丈夫か」

「はい」

私は女神も人と同じで、光と闇を持つのだと解った。
神様は私達人間が思うほど万能ではなく個々の性格を持ち、欲望もある。


すべてを管理することは難しい。
欲の為に人を傷つけ私欲のために人の命を翻弄することもあるのだと。


だから私達はもう。

女神に頼ることもせずに、運命に身を任せることもなく自分達の力で生きて行かなくてはならない。


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