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106対抗~マリアside
しおりを挟む人が大人しくしていれば調子に乗って。
「こちとら河内出身じゃぁぁぁ!」
「かわち?」
「何だ?かわちとは」
傍に置かれている棒を握り私は構えた。
私にまっすぐ向かってくる毬栗をにらみつける。
「中学時代はソフト部じゃぁぁ!」
これでも私は根っからのタイガースファン。
物心つく前から野球にどぅぷりはまっていたんだから!
「こいギャル!」
「さっきから不思議な言葉が飛び通うっているんだが」
「わわちってなんだ?」
「ギャルとは呪文でしょうか?」
毬栗が私の頭めがけて飛んでくる。
背後で皆が困惑気味だけど今はそんな余裕はない。
「おっしゃぁぁ!」
大きくバッドを振り上げると毬栗は飛んでいく。
「どんどん来いや!」
いい音が響く。
懐かしい感触に私のテンションは上がっていく。
「フハハハ!この私の腕前を見たか!小さいときはハリケーンのまーちゃんと呼ばれていただから!」
この程度で負ける私ではないわ。
「マリア様が壊れてしまったのでは」
「春麗、マリア様はもしかして魔力を高めているんじゃ」
「お嬢様、絶対にないです。ありえません」
春麗、私は冷静よ。
そう、目の前の毬栗をすべて打ち返すまではね!
連発して打ち返す中、一番大きな毬栗が飛んでくる。
「マリア様!流石に無理です」
「この程度で私は屈しない!かかってこい不良聖女!」
私を心配するサーシャ様には悪いけどこれは試練なのよ。
不良聖女の嫌がらせという名の試練。
ここで逃げるなんて屈辱だわ。
「絶対勝つ!」
「もう何のために戦っているのか解らないな」
この戦いは勝たないと意味がないのよ皆。
私は不本意な形であれ聖女になると宣言をしたのだから今まで苔にして来た不良女神に力を見せつける必要がある。
「ふんぬぅぅ!」
流石に巨大の毬栗は重すぎた。
だけど根性で打ち返した私は心の中で笑った。
――勝った。
私の勝ちだ…
そう思った瞬間、打ち返そうとした瞬間に毬栗は破裂した。
「わぁ!」
「これは強い光魔法?」
「いや並の強さじゃない」
強い光に包まれた私達の前に現れたのは髪の長い女の人だった。
『随分と愉快な聖女だね』
目の前に現れたのは女神だった。
私にとっては嬉しくない再会で、実体でないのが非常に残念だと思った。
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