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47卵との出会い
しおりを挟む旅のお供に白い蛇を同行させ私達はキノコを探そうとしたが、中々見つからない。
「今年は不作でしたから量が少ないかもしれませんね」
「大きなキノコが採りたかったです」
「その代わり山菜が沢山取れたぞ」
キノコよりも山菜が沢山取れたので良しとしよう。
「シャー!」
「ん?どうしたのナルト」
「ナルト…ちなみにどんな理由なんだ?」
私はナルトを撫でながら。
「ナルト」
「シャー!」
丸太の上でぐるぐるに体を回し、上から見れば渦巻になった。
「成程ナルトか」
「確かにナルトですね」
皆は納得をしてくれた。
「通常この蛇も魔族だから名前をつけるのはあまりよろしくないのだがな」
「本人がいいなら良いのでは?」
「皆さん納得するのが早いですね…」
遠い目をする春麗は目から涙を流していた。
「春麗、そんなに嬉しいの?」
「いいえ、悲しくて泣いているのです」
何故ここで悲しむのかな?
「シャー!シャー」
「ナルト、どうしたの?」
私の肩から降りてナルトは小さな穴を見ろと訴えた。
「ん?卵?」
「これは何処の卵でしょうか」
「この辺には鳥の巣もあるだろうが…見た事がない卵だな」
「もしかして竜の卵だったりして」
見た事がない模様が入った卵にときめく。
竜に出会えたのだから今度は竜の卵に出会えたのではと思ったが。
「いや、サイズが小さいだろ」
「じゃあ鳥ですか?」
「鳥にしては大きいな」
確かに手のひらサイズよりも少し大きいな。
それに温かい。
「今日のランチにしますか」
「姫様の前でなんて事を言うのだ!」
離れた場所で竜騎士さんが何やらヒソヒソ話しているけど私の視線は不思議な卵に集中していたので聞こえなかった。
「温かいな」
「サーシャ、言いたくはないんだが」
「はい?」
卵を抱きしめているとフレディーが困った表情をした。
「こんな山奥に卵があるのは不自然だ。しかも穴の中にあるという事はだ…」
「既に親鳥から離れています。餌として盗まれた可能性も」
「そんな!」
じゃあこの卵はどうなるの?
親鳥を見つけるのは難しく、雛鳥のままでは一人で生きていくのは困難だと聞かされた。
「サーシャ、親鳥無くして雛鳥が生きていくのは難しい」
「じゃあ、死んじゃうんですか?まだ生まれてもいないのに」
皆が辛い表情をしていた。
生まれる前から死ぬなんて悲し過ぎる。
そんな時だった。
パキッ!
何かが割れる音が聞こえた。
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