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39黒歴史暴露
しおりを挟むああ、今からこの場から去りたい。
「アハハハ!」
「ブハッ!」
食卓を囲みながら大笑いをする二人。
私は耳を塞いでも聞こえるのだ。
「花火!夜に王都で花火を!」
「貴族街で畑を作ったのか!それはまぁ…」
「あああ!止めてぇぇぇ!」
これ以上は止めて欲しい。
本当にあの時は悪いことだなんて知らなかった。
「私は嬉しゅうございました」
「もう止めて」
しかも花火を打ち上げた日は、お姉様がお茶会を開いていたそうだ。
私が花火を打ち上げたことで注目され、お茶会は微妙な結果になったのだ。
後からお祖母様の雷は落ちたけど。
「私の国ではお祝い事に花火を打ち上げるのですが、思い出しました」
「そうか…」
「私の好きな色でお嬢様は花火を打ち上げた後に、私の祖国の料理を用意してくださって」
「簡単なものだけどね」
「それでも嬉しゅうございました」
春麗の小さな歓迎会に為にお父様にお願いした。
でも普通は使用人の歓迎会はしないのだと知らされたけど。
お父様から今日から家族になると言われたから勘違いをしてしまった。
「噂は半分という事か。だが、半分は間違いか」
「姉が恐れたんじゃないか」
お姉様が恐れる?
どうして私を怖がる必要があるのか。
友人もいて聖女としての未来も約束され。
王太子殿下の婚約者で、私にない物を沢山持っているのに。
「サーシャ、ある意味君の姉君は哀れな人かもしれない」
「哀れ?」
「ここ最近の彼女は荒れている…私が見た限りだが」
「荒れている?」
そう言えば先日邸に来た時もそうだ。
何時も以上に攻撃的に感じたのは気のせいじゃなかった?
「彼女は聖女候補に過ぎないからな」
「え?候補?」
「彼女は正式に聖女になったわけじゃないんだ。以前からその品格を疑ってはいたが、これまで候補が彼女だけだったのだが…正式な修業が始まるだろう」
「そこで君の姉君も本物かどうかが試される」
「お姉様、苦しんでいたんですね」
幼少期から時折邸に帰っては私に厳しく当たる事があった。
でもそれは、王宮での暮らしが辛い余りの行動だったのかもしれない。
「ずっと苦しくて悩んで、誰にも相談できなかったのね」
「サーシャ…」
社交界の華と呼ばれても、相談できない程追い詰められていたんだ。
なのに私はお姉様の気持ちを考えもしなかった。
言いたい放題を…
好き勝手な事を言ってしまったのかもしれない。
「殿下、どうか姉の事をお願いします」
差し出がましいかもしれない。
でも、私の立場では会いたくても会いに行くことはできない。
お姉様が私に会いたいと願わないと。
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