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69.邪魔者~エドガーside
しおりを挟む私の前に立ちふさがる目障りな男。
侍女と話がしたいのに邪魔するとはどういう了見だ!
「随分と図々しい男のようだ。リィナに火傷を負わせ詫びも入れずに」
「何?君は告げ口をしていたのか!」
「誤解のないように言っておこう。彼女は優秀な侍女だ…噂なんてどこからでも流れる。ティエゴ様と貴方が侯爵家に訪問した後にリィナが怪我をしているのを見た商人や、他家の貴族…外部の人間が見れば邪推もする」
まるであの侍女の騎士を気取るような態度だった。
「それに以前から社交界で貴方はアリスティア様の使用人にも無礼な態度を取っていたな」
「毅然とした振る舞いをしていただけだ」
「それが貴方の近しい方なら許されるだろうが、貴方は主君の婚約者の使用人に無礼な振る舞いをしていた。何処で勘違いをしたのか…彼等が忠誠を誓うのは侯爵閣下とアリスティア様だ」
「何だと!」
まるで私が格下だからとでも言いたいのか。
彼らは後に私を主と崇める事になるのだから当然だろう。
「エデン様、もうよろしいではありませんか。私は傷が痛みますの」
「そうだな」
「待て!」
勝手に去ろうとする侍女の手を掴もうとするも。
「何をする気です。傷負った手を掴もうとするとは」
「彼女と話がしたい。二人きりにさせてもらう」
「困りますわ…何をされるか解りませんのに」
怯えた表情をしながら泣きそうな表情をする侍女にイラっとする。
何を想像しているんだ!
何もするわけないだろう!
「見て…」
「まぁ、嫌がっている侍女になんて事を」
ここが王宮の広間である事を忘れていた私は大きな声を出してしまった事に後悔する。
「若い男女を二人きりにさせるわけには行きません。また乱暴な真似をされては困ります」
「そんなことをするわけないだろう…だとしても貴方には無関係だ」
「無関係ではありません。大事な婚約者を他の男と二人きりにできるわけがない」
「は?」
婚約者だと!
「エデン様…」
「大丈夫だリィナ。あの時は申し訳なかった。私は傍にいれば君に傷を負わせることもなかったと言うのに」
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「世迷言を!侯爵家の侍女と恋仲とは何たることを」
「貴方に何故そこまで言われなくてはならないのか。私と彼女は侯爵様の許可を頂いている。身分的にも私は伯爵、彼女は子爵家の令嬢故に身分的に問題ない」
「所詮は養子だろう!子爵家の子息風情が!」
私とは所詮格が違うのだとずっと思っていた事を勢い余って口にしたのが悪かった。
「それは、我らに対する侮辱か」
「分家から本家に養子望まれた事がそんなに恥ずべきなのか」
その場にいた貴族達が話しに割り込んで来た。
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