上 下
92 / 115
第三章

31不適合な仕事

しおりを挟む






小さな町の飲食店にしては規模が大きく。
ソムリエやパティシエもいる大きなレストランに期待が膨らむ。

ゆくゆくはここで支配人になり我れば良い。
商会を動かして来たのだから飲食店の仕事なんて簡単だ。


何も解ってないランドルフは簡単に考えていた。

しかしこういった飲食店の初仕事は決まって下働きから始まるのだが。


「誰だが床に油をまけといった!」

「え?」

「掃除も満足にできないのか!もう良い、お前はテーブルを磨いていろ」


「はい」


言われた通りにするだけでなく気を利かせて床をもっと綺麗にしようと思い床に油をまいて掃除したランドルフは天順をまるで理解していなかった。


他にもテーブルを拭いたがタオルを間違えていた。
しかもワイングラスを並べるように言われるも、手でベタベタ触ってしまい指紋だらけになり再びワイングラスを磨く事になり他の従業員の仕事を増やすだけだった。


他にも接客業をすれば。

「おい!俺はこんなの頼んでないぞ」

「ですが、先程は…」

「頼んでないと言っているんだ!」

「一度頼んでおいて勝手な!」


相手は既にワインを飲んで酔っていたので真面に相手をしなかった。


「何をしている!」

「副料理長、ここでは客にこんな対応をするのか」

「申し訳ありません!ランドルフ!」

「ですが僕は何も悪くありません!酒に酔っているだけです」

「お前!」


給仕係とし最低な行いをしてしまったランドルフに客は怒って出て行ってしまう。
他の客もこれまでこの店を好んで贔屓にしていた客は冷たい視線を向け始めたことで店の評判はがた落ちになった。


「お前は表に出るな!」

「どうしてですか!」

「店の評判を下げておいて言うか!」

他の従業員もランドルフを疫病神のような目で見ていた。


結果として裏方として働く事になったが、裏方をしても足を引っ張り続けた。


料理の下準備をしても上手く行かず、皿洗いを任されたが。
皿洗いをする事になったが、それすらも満足にできず野菜の皮むきを命じられたのだったが。


「おい!ジャガイモの皮が何でこんなに分厚いんだ!」

「ちゃんと皮はないだろ」


ジャガイモの皮をピーラーで剥けば良いだけだったが、時間がかかるので包丁で分厚く剥いたのだった。

その所為でジャガイモは小さくなり過ぎていた。


「ここまでダメな人間はいねぇぞ」

「副料理長、こいつはいるだけで害でないですか」


給仕長までもランドルフを早々に追い出そうと考えていたのだった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された悪役令嬢、二度目の人生で溺愛ルートに返り咲く

みおな
恋愛
旧題:やり直しの悪役令嬢〜さよなら愛した人〜 「私は真実の愛に出会ったんだ!お前のような心の醜い女とは婚約破棄だ!!」  王宮のダンスパーティーで、私にそう言い放ったのは、この国の王太子殿下です。  幼い頃に婚約してから、ずっと大好きだった彼は、ここ最近噂になっていた子爵令嬢と真実の愛を見つけたそうです。  もういいです。王太子殿下に婚約破棄された私には、家に戻るわけにもいきません。このまま死ねば、少しは私のこと思い出してくれますか?  そう思って王宮のバルコニーから身を投げました。  なのに、どうして目覚めたら彼に出会う直前の10歳に戻っているんです?  大好きだった王太子殿下。今度はもう婚約はお断りします。

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います

榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。 なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね? 【ご報告】 書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m 発売日等は現在調整中です。

【完結】愛すればこそ奪う

つくも茄子
恋愛
侯爵家の次男アーサーが結婚寸前で駆け落ちした。 相手は、侯爵家の上級メイドであり、男爵令嬢であるアンヌだった。二人は幼馴染の初恋同士であり、秘密の恋人でもあった。家のために、成り上がりの平凡な令嬢との結婚を余儀なくされたアーサーであったが、愛する気持ちに嘘はつかない!と全てを捨てての愛の逃避行。 たどり着いた先は辺境の田舎町。 そこで平民として穏やかに愛する人と夫婦として暮らしていた。 数年前に娘のエミリーも生まれ、幸せに満ちていた。 そんなある日、王都の大学から連絡がくる。 アーサーの論文が認められ、講師として大学に招かれることになった。 数年ぶりに王都に戻るアーサー達一行。 王都の暮らしに落ち着いてきた頃に、アーサーに襲いかかった暴行事件! 通り魔の無差別事件として処理された。 だが、アーサーには何かかが引っかかる。 後日、犯人の名前を聞いたアーサーは、驚愕した! 自分を襲ったのが妻の妹! そこから明らかになる、駆け落ち後の悲劇の数々。 愛し合う夫婦に、捨てたはずの過去が襲いかかってきた。 彼らは一体どのような決断をするのか!!! 一方、『傷物令嬢』となった子爵令嬢のヴィクトリアは美しく優しい夫の間に二人の子供にも恵まれ、幸せの絶頂にいた。 「小説家になろう」「カクヨム」にも公開中。

一年で死ぬなら

朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。 理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。 そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。 そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。 一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・

婚約者のいる側近と婚約させられた私は悪の聖女と呼ばれています。

鈴木べにこ
恋愛
 幼い頃から一緒に育ってきた婚約者の王子ギルフォードから婚約破棄を言い渡された聖女マリーベル。  突然の出来事に困惑するマリーベルをよそに、王子は自身の代わりに側近である宰相の息子ロイドとマリーベルを王命で強制的に婚約させたと言い出したのであった。  ロイドに愛する婚約者がいるの事を知っていたマリーベルはギルフォードに王命を取り下げるように訴えるが聞いてもらえず・・・。 カクヨム、小説家になろうでも連載中。 ※最初の数話はイジメ表現のようなキツイ描写が出てくるので注意。 初投稿です。 勢いで書いてるので誤字脱字や変な表現が多いし、余裕で気付かないの時があるのでお気軽に教えてくださるとありがたいです٩( 'ω' )و 気分転換もかねて、他の作品と同時連載をしています。 【書庫の幽霊王妃は、貴方を愛することができない。】 という作品も同時に書いているので、この作品が気に入りましたら是非読んでみてください。

あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!

リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。 聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。 「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」 裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。 「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」 あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった! 、、、ただし責任は取っていただきますわよ? ◆◇◆◇◆◇ 誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。 100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。 更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。 また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。 更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。

私を捨てた元婚約者は、新しい恋人に飽きられてきたらしい

柚木ゆず
恋愛
「シルヴィー、悪いなっ。君との婚約は、この時をもって解消する!」 「聞くがいいシルヴィーっ。なんと俺は、ロティナ様にお眼鏡にかなったのさ……!!」  ハヌエ子爵家の嫡男、シモン。彼は侯爵令嬢ロティナから告白されたことにより、上機嫌で子爵令嬢・シルヴィーとの婚約を解消しました。  有力な侯爵家と関係を持てることになり、大喜びで浮かれるシモンでしたが――。彼の幸せは、長くは続かないようです。

処理中です...