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第三章
23公爵令嬢の憎しみ②
しおりを挟むクリスティンはカナリアが下級貴族であるにもかかわらずエンディミオンの婚約者になった事を憎んでいた。
社交界で悪い噂を流しても本人は気にせず澄ましたまま。
それ何処か侍女の失態を目にした事でエンディミオンの怒りを買う始末になった。
「こうなったら直接私の手で!」
ある計画を実行する為にクリスティンは侍女に命じてその当日着るはずだったドレスを調べさせ全く同じものを用意させたドレスをすり替えさせたのだった。
「公の場で晒し物になればいいのよ!」
こうなったら徹底的に恥をかかせてやる。
そう思って当時を迎えたのだったが。
「きゃああ!」
わざとぶつかってシャンパンをかけたクリスティンだったがカナリアはひらりと交わしてクリスティンはそのままこけそうになる。
(何でよ!)
よろめくクリスティンは咄嗟にテーブルクロスを握りしめていた所為で、テーブルの上に乗せていたワイングラスを頭からかぶってしまう。
「冷たい!」
「まぁ、大丈夫ですかクリスティン様」
「アンタ…」
カナリアは心配した表情を見せるが耳打ちする。
「早く着替えた方がよろしいですわよ」
「えっ…」
「だってセンスの悪い下着に、胸パットが取れてますもの」
そう言いながら見せたのは、普段胸に入れているパットが床に落ちていた。
「えっ…嘘でしょ」
「あのクリスティン様が胸パットを?」
「ではあのスタイルも…」
社交界ではスタイルが良く妖艶だともてはやされていたが、実は胸も小さくスタイルも悪かった。
肌の美しさも化粧で誤魔化していた。
肌に塗った特別なファンデーションはシャンパンの所為で剥がれ肌の色は黄ばんでいた。
そして濡れた所為で透けて見えた下着はスタイルを良く見せる補正下着だった。
「あの下着って…」
「ねぇ?すっかり騙されたわ」
ヒソヒソ話す令嬢に好奇な視線を向ける貴族子息達。
クリスティンには到底耐えられるものではなかったが、カナリアがショールをかぶせる。
「すぐに着替えの準備を」
「はい」
カナリアの専属の侍女に命じて急いで着替えの準備をさせる。
「何の真似?」
「いいえ。これ以上そんな恰好でいられると目障りですから。今度はもっと上手に細工してくださいな」
「なんですって」
「本当に幼稚すぎますわ。侍女をその場せたようですが、彼女は既に拘束してますので」
(この女!)
クリスティンの計画は既に筒抜けだった事を知り激怒した。
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