52 / 115
第二章
21仕返し
しおりを挟むあくまで丁寧な口調で言われるも、棘を感じるランドルフは震えてるだけだった。
(馬鹿な男)
アイーシャは働く女性としてランドルフが典型的な男だと思った。
未だに女性が外で働かずに家庭で大人しくしていたらいいという考えを持つに男に嫌悪感を抱く。
男尊女卑が根強いから仕方ないと思う声もあるが、男に甲斐性があるなら可能だったが、今では貴族の方が平民よりも貧しい生活を送っているのだから。
(実家の経済状況も解らないで本当に頭がスカスカね)
オイシス家の経済状況は決して良いわけではない。
新聞記者として常に経済状況は把握しているし、下級貴族は生き残るのも大変だった。
「先ほどから言葉が過ぎるぞ!」
「申し訳ありません。女性新聞記者は物怖じしていては務まりませんでしたので。王宮でも侍従顔負けなカナリア様をお手本にさせていただいておりまして」
「あれは見本に…」
「彼女のおかげで女性記者も増えましたのよ?彼女のような働く女性に憧れてと…そうそう。うちの新人記者がオイシス家の結婚式に取材に行ったようで。好きにしていいとおおせでしたので」
「は?」
ランドルフの言葉を遮り、話を本題に戻し記事の事を話す。
「あんな記事を書かせて何を…」
「事前に許可は取ると好きにしてよいと言われまして。使用人の方に聞いた事や、事実を書かせました。ありのままに書くようにうにと聞いているようで」
結婚式の準備に追われていたランドルフは適当に対応した。
その結果がこれだったが。
「限度があるだろうが!君達の所為では僕達は!」
「取材、新聞に関しては予め同意書にサインしていただきました」
「なっ…」
「話し合いの場を設けましたが不要と仰せでしたので…それに他の記者が書いた内容までは責任を取れと思うされても無理ですわ」
「だが…」
「今から記事を差し押さえは間に合いません。今から新聞を差し押さえるならばかなりの金額が発生いたします」
「ならば訴えさせてもらう!」
話し合いになるとは思っていなかったので示談に持ち込む気はなかった。
「慰謝料を請求する。ダメなら…」
「解りました裁判沙汰にするという事ですね」
「裁判?」
「私からも弁護士を立てます。後日代理人を立てます」
「待ってくれ!僕は…」
「互いの代理人を立てて、後日話し合いの場を設けますわ」
ランドルフは記事の差し押さえと慰謝料請求に噂をどうにかしてくれれば良いと考えていたが、相手は大手新聞社の売れっ子記者。
言いがかりをつけ騒がれた時点で示談交渉等ありえなかった。
そして後日互いに弁護士を立てる事になったが既に借金地獄のランドルフは真面な弁護士を雇えるわけもなく、対するアイーリャは一流の町弁護士を雇い裁判にすらならなず逆に慰謝料を請求される事になるのだった。
挙句に新たな悪い噂も流れ、更に立場が悪くなったのだった。
53
お気に入りに追加
4,044
あなたにおすすめの小説
新しい街で 〜婚約破棄され実家も追い出されました〜
にーなにな
恋愛
【親愛なるソフィアへ 俺との婚約をなかったことにしてほしい。】
騎士であるジョセフと婚約していたソフィアは、いつか彼と結婚することを疑うこともなかった。しかし、ある日突然、手紙で一方的に婚約破棄を告げられた。理由もなく婚約を解消されたことにソフィアは深く傷つき、立ち直ることができなかった。さらに、親から「もうこの家には置いておけない」と言われ……
婚約破棄された悪役令嬢、二度目の人生で溺愛ルートに返り咲く
みおな
恋愛
旧題:やり直しの悪役令嬢〜さよなら愛した人〜
「私は真実の愛に出会ったんだ!お前のような心の醜い女とは婚約破棄だ!!」
王宮のダンスパーティーで、私にそう言い放ったのは、この国の王太子殿下です。
幼い頃に婚約してから、ずっと大好きだった彼は、ここ最近噂になっていた子爵令嬢と真実の愛を見つけたそうです。
もういいです。王太子殿下に婚約破棄された私には、家に戻るわけにもいきません。このまま死ねば、少しは私のこと思い出してくれますか?
そう思って王宮のバルコニーから身を投げました。
なのに、どうして目覚めたら彼に出会う直前の10歳に戻っているんです?
大好きだった王太子殿下。今度はもう婚約はお断りします。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います
榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。
なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね?
【ご報告】
書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m
発売日等は現在調整中です。
【完結】愛すればこそ奪う
つくも茄子
恋愛
侯爵家の次男アーサーが結婚寸前で駆け落ちした。
相手は、侯爵家の上級メイドであり、男爵令嬢であるアンヌだった。二人は幼馴染の初恋同士であり、秘密の恋人でもあった。家のために、成り上がりの平凡な令嬢との結婚を余儀なくされたアーサーであったが、愛する気持ちに嘘はつかない!と全てを捨てての愛の逃避行。
たどり着いた先は辺境の田舎町。
そこで平民として穏やかに愛する人と夫婦として暮らしていた。
数年前に娘のエミリーも生まれ、幸せに満ちていた。
そんなある日、王都の大学から連絡がくる。
アーサーの論文が認められ、講師として大学に招かれることになった。
数年ぶりに王都に戻るアーサー達一行。
王都の暮らしに落ち着いてきた頃に、アーサーに襲いかかった暴行事件!
通り魔の無差別事件として処理された。
だが、アーサーには何かかが引っかかる。
後日、犯人の名前を聞いたアーサーは、驚愕した! 自分を襲ったのが妻の妹!
そこから明らかになる、駆け落ち後の悲劇の数々。
愛し合う夫婦に、捨てたはずの過去が襲いかかってきた。
彼らは一体どのような決断をするのか!!!
一方、『傷物令嬢』となった子爵令嬢のヴィクトリアは美しく優しい夫の間に二人の子供にも恵まれ、幸せの絶頂にいた。
「小説家になろう」「カクヨム」にも公開中。
一年で死ぬなら
朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。
理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。
そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。
そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。
一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・
婚約者のいる側近と婚約させられた私は悪の聖女と呼ばれています。
鈴木べにこ
恋愛
幼い頃から一緒に育ってきた婚約者の王子ギルフォードから婚約破棄を言い渡された聖女マリーベル。
突然の出来事に困惑するマリーベルをよそに、王子は自身の代わりに側近である宰相の息子ロイドとマリーベルを王命で強制的に婚約させたと言い出したのであった。
ロイドに愛する婚約者がいるの事を知っていたマリーベルはギルフォードに王命を取り下げるように訴えるが聞いてもらえず・・・。
カクヨム、小説家になろうでも連載中。
※最初の数話はイジメ表現のようなキツイ描写が出てくるので注意。
初投稿です。
勢いで書いてるので誤字脱字や変な表現が多いし、余裕で気付かないの時があるのでお気軽に教えてくださるとありがたいです٩( 'ω' )و
気分転換もかねて、他の作品と同時連載をしています。
【書庫の幽霊王妃は、貴方を愛することができない。】
という作品も同時に書いているので、この作品が気に入りましたら是非読んでみてください。
あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!
リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。
聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。
「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」
裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。
「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」
あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった!
、、、ただし責任は取っていただきますわよ?
◆◇◆◇◆◇
誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。
100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。
更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。
また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。
更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる