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第二章

21仕返し

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あくまで丁寧な口調で言われるも、棘を感じるランドルフは震えてるだけだった。


(馬鹿な男)


アイーシャは働く女性としてランドルフが典型的な男だと思った。
未だに女性が外で働かずに家庭で大人しくしていたらいいという考えを持つに男に嫌悪感を抱く。


男尊女卑が根強いから仕方ないと思う声もあるが、男に甲斐性があるなら可能だったが、今では貴族の方が平民よりも貧しい生活を送っているのだから。


(実家の経済状況も解らないで本当に頭がスカスカね)


オイシス家の経済状況は決して良いわけではない。
新聞記者として常に経済状況は把握しているし、下級貴族は生き残るのも大変だった。



「先ほどから言葉が過ぎるぞ!」

「申し訳ありません。女性新聞記者は物怖じしていては務まりませんでしたので。王宮でも侍従顔負けなカナリア様をお手本にさせていただいておりまして」

「あれは見本に…」

「彼女のおかげで女性記者も増えましたのよ?彼女のような働く女性に憧れてと…そうそう。うちの新人記者がオイシス家の結婚式に取材に行ったようで。好きにしていいとおおせでしたので」

「は?」


ランドルフの言葉を遮り、話を本題に戻し記事の事を話す。


「あんな記事を書かせて何を…」

「事前に許可は取ると好きにしてよいと言われまして。使用人の方に聞いた事や、事実を書かせました。ありのままに書くようにうにと聞いているようで」


結婚式の準備に追われていたランドルフは適当に対応した。
その結果がこれだったが。


「限度があるだろうが!君達の所為では僕達は!」

「取材、新聞に関しては予め同意書にサインしていただきました」

「なっ…」

「話し合いの場を設けましたが不要と仰せでしたので…それに他の記者が書いた内容までは責任を取れと思うされても無理ですわ」


「だが…」

「今から記事を差し押さえは間に合いません。今から新聞を差し押さえるならばかなりの金額が発生いたします」


「ならば訴えさせてもらう!」


話し合いになるとは思っていなかったので示談に持ち込む気はなかった。


「慰謝料を請求する。ダメなら…」

「解りました裁判沙汰にするという事ですね」

「裁判?」

「私からも弁護士を立てます。後日代理人を立てます」

「待ってくれ!僕は…」

「互いの代理人を立てて、後日話し合いの場を設けますわ」


ランドルフは記事の差し押さえと慰謝料請求に噂をどうにかしてくれれば良いと考えていたが、相手は大手新聞社の売れっ子記者。


言いがかりをつけ騒がれた時点で示談交渉等ありえなかった。


そして後日互いに弁護士を立てる事になったが既に借金地獄のランドルフは真面な弁護士を雇えるわけもなく、対するアイーリャは一流の町弁護士を雇い裁判にすらならなず逆に慰謝料を請求される事になるのだった。


挙句に新たな悪い噂も流れ、更に立場が悪くなったのだった。


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