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第二章

26白と黒の対峙

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魔物となったミーシャは怒りのままジュリエットに襲い掛かる。


「殺しなさい!聖女を!」

「ギシャァァ!」


イライザの命じるまま瘴気を体から吹き出し、攻撃する。


「結界魔法!」


ジュリエットは聖魔法を使って見えない壁を作る。
結界魔法ならば並大抵の物からは守れるが、今のミーシャを防ぐことは出来なかった。


「きゃああ!」

「ジュリエット!伏せて!」


結果が壊され、ミーシャが突っ込んで来るが隙を突いてルーアンが矢を射貫く。


「ダメだ!ルーアン」

「えっ…」


突き刺さった矢は意味を為さず、標的はルーアンに変わった。


「目障りな女ね。役に立たない癖に…いいわ。先に始末してあげなさい」

イライザの命令によりミーシャはルーアンを襲う。


「ルーアン危ない!」


リアンはルーアンを抱きしめ守り、負傷する。


「いや…いやぁぁぁぁ!」


「リアン様!」

ルーアンの目の前でリアンは胸を貫かれてしまう。


「ジュリエット!すぐに回復魔法を」

「はい!」

アルフレッドはできるだけミーシャから引き離そうとするも、敵はミーシャだけではなかった。


「本当に目障りね!」

「それはこっちの台詞だ!」


アルフレッドに雷撃を浴びせようとするイライザは邪魔をする。


「ずっと気に入らなかったのよ」

「それは嬉しいな。俺もお前に好かれても気色悪いだけだ。反吐が出る」

「黙れ!」

剣に魔力を込めて応戦する。


「聖剣を持って来るなんて!」

「女王陛下からの賜り物だ。何の準備もなく来ると思うか?黒に染まったお前には猛毒だろう」


二人は対峙して攻防戦が続いていた。


(なんとか時間を稼がねば!)

背後にいるリアンを守りながら魔女となったイライザを防ぐのは困難だった。


「時間稼ぎは無意味よ!人間が魔女に勝てると思って?」

「ハッ、偉そうに」

「何ですって?」


圧倒的に有利な立場にあるイライザだったが一瞬だけ魔力が揺らいだのを見逃さなかった。


「聖女となった時も修業に耐え切れなかった」

「何を…」

「逃げ出して置いて、今度は心を捨てて闇に飲まれ情けない女だ。お前は最後まで誰かの所為にして生きるしかない。お前は虚勢を張るしかないのだろう」

「ふざけるなぁぁ!」


イライザは心の内に隠していた闇を見透かされた気がした。
その同僚が魔力の揺らぎに繋がった。


「この目障りな男を始末しなさい!ミーシャ」


「ギシャァァァ!」

魔力が与え、標的をアルフレッドに変え集中的に攻撃を受ける。


(魔力が弱まった…そうか)


不利な状況は変わらなかったがアルフレッドは勝機を見つけたのだった。


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