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第一章
20豪快な女王
しおりを挟む空の旅を終えて王宮に到着した。
白で統一された王宮は要塞に近く崖の絶壁に建っていたいた。
「私はここで待機すべきだろう」
「いや、レインも一緒に来てくれ」
他国の騎士団の団服では無礼だと思い、船を出て王宮に入るのを拒んだのはレインだったが。
「君は俺の大事な友人だ。旅の間に陛下に連絡を取ったんだが。面白いから連れて参れと」
「面白い?」
「ああ他国の騎士団を我が国に招き入れるのも愉快だと」
この時ジュリエットとレインは気持ちが一つとなった。
((どんな女王陛下だ!))
普通はこんな型破りな国王はいないだろうが、普通と違うからこそやってのけたのだろう。
「少し不安なのだが」
「団長、私もです」
もし粗相をしてしまわないか。
首を跳ねられたらどうしようと不安を抱くのだが。
「そなたが元聖女のジュリエットか」
「はっ…はい」
ずらりと並ぶ近衛隊や大臣にビクつく二人だったが。
「よく遠路はるばる来てくれた!ゴッペーとは似ても似つかぬ美女じゃな!」
「はい?」
(ゴッペーって誰?)
「無礼講じゃ、その鬱陶しい剣を降ろせ皆の者」
「陛下…」
背筋を正していたかと思えば楽な姿勢になる。
「ここには私の幼い頃の小姑ばかり故に気にし悪手も良い」
「陛下!少しはお考え下さい」
「元老院。そなたは本当に面倒じゃな」
「元老院…」
ハクセンス王国の使者が国を支える元老院だったとは知らず真っ青になる。
「まったくなんじゃ、その貧相な格好は」
「目立てば色々厄介でしょう。あの国王を出し抜くには」
「馬鹿を言え。あの馬鹿殿が気づくか…そうせ半年で国は崩壊じゃ」
(崩壊!)
女王陛下の言葉に眩暈がする。
「元聖女殿、そなたの事は父君、ゴスペル。私はゴッペーと呼んでいるのだが」
「はっ…はい」
「父君にくれぐれもと頼まれていてな。私の腹心の友が嫁いだ国を救ってくれた恩人でもある」
「そうだったのですか」
「ああ、他にも援助をしてもらった恩がある。故に万一の時は助けてくれと言われおる。頼まれるまでもない。恩は返す主義じゃ」
色々かなりぶっ飛んだ女王でもあるが、太っ腹な性格だった。
「元聖女殿を迎える事は我が国にもメリットがある。今後我が国は女性が国を動かすべきと考えている。その手助けをしてくれれば助かる」
「私でよろしければ」
「謙虚じゃな。もう少し砕けてよいのじゃが」
「砕け過ぎです陛下」
横から元老院が咳ばらいをして注意を促すも女王、ジュベリアンは改める事はなく。
ジュリエットを特別待遇で迎え入れた後に、養女に迎え入れることになった。
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