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序章ヒロインの親友として転生

2孤児院

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少し遅くなったが急いで修道院にパンを届けに向かった。


「院長先生!」

「リーシェ、今日もご苦労様」

何時ものようにパンを届けに向かうと困った表情をする修道院の院長。

「院長先生、どうしたんですか?」

「ええ…」


疲れた表情をする院長を心配する。

「アリーシャの事で少し」

「え?もしかしてまた熱が…」

三日前にアリーシャは熱を出して寝込んでいた。
昨日には熱も下がったのにまた熱を出したのかと心配するも。


「いいえ、熱は下がったのだけど。様子が…」

「解りました。すぐに様子を見に行ってきます」

「あ!」


「院長先生…」


リーシが去った後に他のシスターが困ったように告げた。


「体は元気なのですが、おかしな言動故に困っているのですが」

「ちゃんと説明できませんでしたが」


何も知らないリーシェは急いで孤児院に向かう。


「こんにちわ」


「リーシェ」

「アリーシャはいますか?」


リーシェは子供達に聞くが、視線を逸らせた。


「部屋にいるけど以下い方が良いよ」

「そうだよ。熱が出ておかしくなったんだ」

「え?」


普段なら心配するのに、心配所か関わりたくないと言う表情をしていた。


「どうして…」

「仕事もしないし、掃除だってしないし」

「さっきも先生に酷い事を言って傷つけたんだ」


アリーシャは少し我儘な所があった。
だけど人を傷つけるようなことは言わないと幼馴染で親友であるリーシェがが一番わかっていた。


「一体何があったの?」

「知らないよ!あんな奴放っておきなよ」


一体何があったのかと不安になり急いでアリーシャの部屋に向かう。


「私よアリーシャ!入るわよ」


ノックをしながら部屋に入ると。



「リーシェまたパンを持って来たの?」

「アリーシャ?」

「毎日、毎日よくやるわね?お金にもならないのに」

「アリーシャ?」


普段と変わらないようにも見えるけど違和感がある。


「熱が下がって良かった。心配していたのよ…貴女の好きな葡萄パンを」

「要らないわ。だって私はお姫様になるんだもの!」

「は?」

葡萄パンを差し出すもアリーシャは勝ち誇った笑みを浮かべながら告げた。


「私はヒロインなの!だからもう葡萄パンなんて要らないのよ」

「えっ…ヒロイン?」

「そうよ!」


熱でおかしくなったと言っていた理由はこれか!と思いながら壁に頭を強くぶつけてしまった。


「ちょっと…リーシェ!」


頭に激痛が走り出し、異変が起きたのだった。

激痛と共にリーシェの頭に映像が流れこみ前世の記憶を思い出したのだった。



リーシェ・キャロル12歳。


転生者である事をつきつけられてしまった。


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