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第三章集う光の使者

2再会

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港に到着して馬車で王宮に向かう事になっていた。


「このまま向かうのかい」

「ええ…」


馬車にはエリーとジオルドは馬車に隠れていた。
万一の時の為と二人は王宮に表立って入るのを良く思っていなかったからだ。


「一緒に馬車に乗れば良いものを」

「仕方ありません。王都に行くのは嫌がってましたので」

「それでも同行したのですね」


テティアの言葉に苦笑する。
本当はトランプ王国の土を踏むのも嫌だったかもしれないのにオンディーヌの為に同行したのだから。


「なんだかんだであの二人は…」

「レグルスお兄様、これ以上問題は許しませんわよ」

「そうか」


レグルスは本当に自覚がない。
テティアはこれまで社交界でやらかした数々を思うと、これからの事を考えて頭痛が止まらなかった。


「くれぐれも粗相のない様にお願いします」

「解っているさ」

エリーの時と同じ接し方をしないかテティアは心配で仕方なかった。



そして王宮に入り謁見の間にて。


「顔を上げよ」

「「はい」」



王の配慮により、人払いをされていた。


「良くぞ…無事で」

「陛下」

「オンディーヌ。近く…」

「はい」


か細い声だった。
そう時間もそこまで過ぎていないのに、少し疲れたよう声だった。


「良くぞ無事で、許せ…そなたを守れななかった愚かな王を」

「いいえ…いいえ!」


変わらない優しい王にオンディーヌは泣きたくなった。


「オンディーヌ!」

「アン王女…」

敬愛すアンジェリークも涙を堪えていた。


「どうかお許しください」

「謝るのは私よ…私がもっとしっかりしていれば。あの時もっと」

「アン様…」


国を出る時の事を思い出す。
オンディーヌは変わらないアンジェリークを見て安堵する。

「探しに行きたくても、貴女の安全を考えると行けなくて…何処かで無事である事を祈ってました」

「ありがとうございます」

「レグルス殿下、心より感謝する。こんな事を言える立場ではないが…」


オンディーヌが無事で今笑っているのはレグルスが傍にいるからだとすぐに察した二人は心から礼を言った。


「私は何もしていません。彼女は自分の足で立ち上がり、そして過去を清算するべく祖国に戻りました。役目の為に」

「そうか…感謝する」


巫女としての役目を全うする事を決めてもオンディーヌの覚悟は相当な物だった。
ならばこの国の王として巫女を守る義務がある。

「これより、そなたを巫女として迎える。誰にも手を出させぬ…アンジェリーク」

「はい、この国の王位継承権を持つ身として誓います。巫女に手出し為させませんわ」


今度こそ守って見せると誓うアンジェリークだった。


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