上 下
135 / 137
第四章未来への扉

39.結婚率

しおりを挟む



ようやく事件が片付き、無事に結婚式を迎えると思いきや。


「何だ、これは」

「見ての通りですかね?」


早朝から庭園でいちゃつく男女。
カップル率が高いのは気のせいだろうか?


「兄上とサマンサまで!」

「殿下、鈍いですね。あの二人は正式に婚約したんですよ?」

「はぁ?」

「ついでに言うと、あのマッスル隊長もですが」

え?クララが?




「殿下、本当に鈍いですね?二人は幼馴染でもありますから」

「はぁぁぁ!」


じゃあ何か?
兄上はサマンサそういう関係で。

クララとマルガリーテ嬢は。


「元より、殿下の婚約者候補でありましたが…白紙になりましたしね」

「まぁ、当初から彼女達は義務感と使命感の方が強かったからな」

好意的ではあったが、貴族としての義務や、貴族派の令嬢を嫁がせないようにする為でもあったから解らなくはないが。


「あの真面目な兄上が…」

「ジュリアス殿下の場合は、押して押して押しまくられた診たいです」

「聞きたくなかった」


確かに兄上の性格ならばあり得るだろう。
ニコルとは違って、真面目で紳士的な人だから、新たな婚約は時間を置くだろう。

しかし、サマンサのことを好いていたとは知らなかった。


「まぁ、これで公爵家の面子は守れたんじゃないですか?」

「そうだな」


兄上が公爵家に婿養子となれば、万々歳だろう。
優秀な兄上が公爵家の跡継ぎになって補佐にサマンサがなったら…。


いや、尻に敷かれそうになる。


父上のようにならないか心配になる。


「いや、この展開についていけないんだが」

「諦めた方が良いですよ」

「ガボット…」


既に色々諦めつつあるガボットは考えるのを放棄した。


「まったくだらしないですわね」

「ジルベルト様、もう少し余裕をお持ちくださいな」


そんな中、着飾ったナウシカ嬢とアナスタシア嬢が現れる。

何時も以上に気合が入っているな。


「花嫁の友人代表としては当然です。結婚式当日には他国の方がいらっしゃいますので外交をしなくてはなりません」

「私もですわ、我が男爵家の商会をアピールするチャンス!」


この二人はブレないな。
王太子の結婚式も利用するした高さを持ってる。


「結婚当日は私達も全力で盛り上げますのでご心配なく」

かなり張り切っているアナスタシア嬢に曖昧な返事をする中、結婚式の最終調整が行われることになった。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された公爵令嬢は本当はその王国にとってなくてはならない存在でしたけど、もう遅いです

神崎 ルナ
恋愛
ロザンナ・ブリオッシュ公爵令嬢は美形揃いの公爵家の中でも比較的地味な部類に入る。茶色の髪にこげ茶の瞳はおとなしめな外見に拍車をかけて見えた。そのせいか、婚約者のこのトレント王国の王太子クルクスル殿下には最初から塩対応されていた。 そんな折り、王太子に近付く女性がいるという。 アリサ・タンザイト子爵令嬢は、貴族令嬢とは思えないほどその親しみやすさで王太子の心を捕らえてしまったようなのだ。 仲がよさげな二人の様子を見たロザンナは少しばかり不安を感じたが。 (まさか、ね) だが、その不安は的中し、ロザンナは王太子に婚約破棄を告げられてしまう。 ――実は、婚約破棄され追放された地味な令嬢はとても重要な役目をになっていたのに。 (※誤字報告ありがとうございます)

【完結】愛されなかった私が幸せになるまで 〜旦那様には大切な幼馴染がいる〜

高瀬船
恋愛
2年前に婚約し、婚姻式を終えた夜。 フィファナはドキドキと逸る鼓動を落ち着かせるため、夫婦の寝室で夫を待っていた。 湯上りで温まった体が夜の冷たい空気に冷えて来た頃やってきた夫、ヨードはベッドにぽつりと所在なさげに座り、待っていたフィファナを嫌悪感の籠った瞳で一瞥し呆れたように「まだ起きていたのか」と吐き捨てた。 夫婦になるつもりはないと冷たく告げて寝室を去っていくヨードの後ろ姿を見ながら、フィファナは悲しげに唇を噛み締めたのだった。

お言葉を返すようですが、私それ程暇人ではありませんので

結城芙由奈 
恋愛
<あなた方を相手にするだけ、時間の無駄です> 【私に濡れ衣を着せるなんて、皆さん本当に暇人ですね】 今日も私は許婚に身に覚えの無い嫌がらせを彼の幼馴染に働いたと言われて叱責される。そして彼の腕の中には怯えたふりをする彼女の姿。しかも2人を取り巻く人々までもがこぞって私を悪者よばわりしてくる有様。私がいつどこで嫌がらせを?あなた方が思う程、私暇人ではありませんけど?

【完結】復讐の館〜私はあなたを待っています〜

リオール
ホラー
愛しています愛しています 私はあなたを愛しています 恨みます呪います憎みます 私は あなたを 許さない

貴方にとって、私は2番目だった。ただ、それだけの話。

天災
恋愛
 ただ、それだけの話。

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

【完結】結婚式当日、婚約者と姉に裏切られて惨めに捨てられた花嫁ですが

Rohdea
恋愛
結婚式の当日、花婿となる人は式には来ませんでした─── 伯爵家の次女のセアラは、結婚式を控えて幸せな気持ちで過ごしていた。 しかし結婚式当日、夫になるはずの婚約者マイルズは式には現れず、 さらに同時にセアラの二歳年上の姉、シビルも行方知れずに。 どうやら、二人は駆け落ちをしたらしい。 そんな婚約者と姉の二人に裏切られ惨めに捨てられたセアラの前に現れたのは、 シビルの婚約者で、冷酷だの薄情だのと聞かされていた侯爵令息ジョエル。 身勝手に消えた姉の代わりとして、 セアラはジョエルと新たに婚約を結ぶことになってしまう。 そして一方、駆け落ちしたというマイルズとシビル。 二人の思惑は───……

本物の恋、見つけましたⅡ ~今の私は地味だけど素敵な彼に夢中です~

日之影ソラ
恋愛
本物の恋を見つけたエミリアは、ゆっくり時間をかけユートと心を通わていく。 そうして念願が叶い、ユートと相思相愛になることが出来た。 ユートからプロポーズされ浮かれるエミリアだったが、二人にはまだまだ超えなくてはならない壁がたくさんある。 身分の違い、生きてきた環境の違い、価値観の違い。 様々な違いを抱えながら、一歩ずつ幸せに向かって前進していく。 何があっても関係ありません! 私とユートの恋は本物だってことを証明してみせます! 『本物の恋、見つけました』の続編です。 二章から読んでも楽しめるようになっています。

処理中です...