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第四章未来への扉
39.結婚率
しおりを挟むようやく事件が片付き、無事に結婚式を迎えると思いきや。
「何だ、これは」
「見ての通りですかね?」
早朝から庭園でいちゃつく男女。
カップル率が高いのは気のせいだろうか?
「兄上とサマンサまで!」
「殿下、鈍いですね。あの二人は正式に婚約したんですよ?」
「はぁ?」
「ついでに言うと、あのマッスル隊長もですが」
え?クララが?
「殿下、本当に鈍いですね?二人は幼馴染でもありますから」
「はぁぁぁ!」
じゃあ何か?
兄上はサマンサそういう関係で。
クララとマルガリーテ嬢は。
「元より、殿下の婚約者候補でありましたが…白紙になりましたしね」
「まぁ、当初から彼女達は義務感と使命感の方が強かったからな」
好意的ではあったが、貴族としての義務や、貴族派の令嬢を嫁がせないようにする為でもあったから解らなくはないが。
「あの真面目な兄上が…」
「ジュリアス殿下の場合は、押して押して押しまくられた診たいです」
「聞きたくなかった」
確かに兄上の性格ならばあり得るだろう。
ニコルとは違って、真面目で紳士的な人だから、新たな婚約は時間を置くだろう。
しかし、サマンサのことを好いていたとは知らなかった。
「まぁ、これで公爵家の面子は守れたんじゃないですか?」
「そうだな」
兄上が公爵家に婿養子となれば、万々歳だろう。
優秀な兄上が公爵家の跡継ぎになって補佐にサマンサがなったら…。
いや、尻に敷かれそうになる。
父上のようにならないか心配になる。
「いや、この展開についていけないんだが」
「諦めた方が良いですよ」
「ガボット…」
既に色々諦めつつあるガボットは考えるのを放棄した。
「まったくだらしないですわね」
「ジルベルト様、もう少し余裕をお持ちくださいな」
そんな中、着飾ったナウシカ嬢とアナスタシア嬢が現れる。
何時も以上に気合が入っているな。
「花嫁の友人代表としては当然です。結婚式当日には他国の方がいらっしゃいますので外交をしなくてはなりません」
「私もですわ、我が男爵家の商会をアピールするチャンス!」
この二人はブレないな。
王太子の結婚式も利用するした高さを持ってる。
「結婚当日は私達も全力で盛り上げますのでご心配なく」
かなり張り切っているアナスタシア嬢に曖昧な返事をする中、結婚式の最終調整が行われることになった。
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