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第三章.高潔の条件

12.ベアトリスの企み

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私は子爵を賜ることになり。
計画は着々と進んで行き笑みを浮かべた。


「いい感じだわ。シャリエール家の財産はかなり底をついているわね…まぁ、お祖父様の財は問題ないようだけど」


お姉様が学園に戻ってすぐに私は次なる計画に乗り出した。
現在シャリエール領地はある一部を除いては領地経営が上手く行っていない。

とは言え、今まで赤字になった場所に、お姉様が対策をしていたけど。
数か月間、お姉様が不在の状態が続いただけで領地経営に商会との関係が悪くなっていた。

なんせ身分絶対主義のマリアナは商人に対しても傍若無人で礼儀なんてあったものじゃない。
下手に弱みを見せるのはどうかと思うけど、他国の商人に対しては丁寧な対応をしないと後から面倒だったし。

お姉様は商人に対してできるだけ丁寧に対応したおかげで商品を購入する際も通常価格よりも安くして貰えた。

商売とは信頼関係がないとアウトだわ。
私はお姉様を見習いながらできるだけ、将来性のある商会に援助もした。

読み通りだった。
当時、服飾品で皮か毛皮かで解れた。

私はすぐに毛皮の需要を増やす様にした。
皮は腐りやすいし、大量生産に向かないし、濡れたら使い物にならない。

長時間クローゼット入れていては臭いから毛皮の方が扱いやすいと思った。

マリアナはお父様に皮にすべきだと言ったが、本当に物を知らない人だわ。
確かに少し前に皮が流行ったけど、同じことをしても意味がないことを理解していないようだわ。

流行とは常に変わる。
しかも、雨が多い季節に皮の製品なんて使うわけがない。


結果、お父様は大損をして、私は大儲けした。
しかも真っ白でフワフワの毛皮のコートは高位貴族からも絶賛され私はさらに財を得るこちができた。


「このまま行けばシャリエール家を傾かせることができるわ」

社交界でもマリアナの噂はかな酷く、既にマリアナと関わりたくない令嬢や、商会も増えている。

そこに私が入り、シャリエール家と親しかった商会を引き込めばいい。

ついでに、マリアナはお姉様が経営していた領地を引き継いで新しい特産物を開発しようとしたが、知識もない思い付きでできるわけがない。

商品は売れず、借金だけが膨れ上がるのは確実だわ。
そこを狙い、私が立ち上げたウォルト商会の製品を売りさばく。


マリアナには踏み台になってもらい、徹底的に潰してやるわ。

そして、シャリエール家の…

あの領地を奪い返してやるわ。


シャリエール領地が欲しいなら継承ではなく奪えばいいのだから。




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