偽りの家族を辞めます！私は本当に愛する人と生きて行く！

第一章.婚約破棄騒動

7.優しい友人達

辛い日々を送りながらも僅かな幸せはあった。


「ごきげんようオリヴィア様！」

「お元気でしたか！」


私は決して不幸ではない。
社交場でも、家でも孤独であったけど。


私は一人じゃなかった。

外には友人もいるのだから。


サマンサ・ノーチェス公爵令嬢。
王族の親戚筋に当たり、母君は異国の血筋を持つが故に褐色の肌が特徴的だった。


マルガリーテ・レスター侯爵令嬢。
資産家としては国内一で、社交界のファッションリーダーでもある。


ナウシカ・サンライズ伯爵令嬢。
辺境地に領地を持ち、かつては大飢饉から窮地を救った才女としても有名だった。
生ける知識と呼ばれる程聡明さを持つ。


アナスタシア・プラント子爵令嬢。
元は平民で実家が中級階級ブルジョワ#で爵位をお金で買ったとされている。

高位貴族からは成金で成り上がりと言われるも、陰口に屈しない強さと純情可憐な愛らしさを持つ可愛らしい人で甘え上手だった。



「先週のパーティーに招待状をお出ししましたのに」

「え？何の事ですか？」


サマンサ様から招待状何て受け取っていない。

「貴女は御存じないようですわね？」

「随分と抜け作ですわね？これだから行き遅れのボッチは」


いきなりマルガリーテ様とナウシカ様がサマンサ様に失言を放つ。


「何ですって！誰が行き遅れのボッチですって！」

「声を上げないでくださいませ、これだから教養の無い方は」

声を荒げるサラマンダ様に対してクールビューティーのナウシカ様さらりと一言告げる。
それが、さらに悪化させると解らないはずはないのに。

「がり勉令嬢に言われたくありませんわ」

「負け惜しみを」


こうして会えば絶対に喧嘩になる。
なのに、社交場では心得ているのであまり騒ぎにならない当たり冷静的かもしれない。


「リビィア様、こんな人達は放って置いて私と一緒に街に参りましょう！」

「えっ…今からですか？」

「ええ、我が邸に遊びに来てくださると言って、中々来てくださいませんもの」

根っからの妹気質で愛らしいアナスタシアさまは私の手を握りながら笑みを浮かべる。

無邪気なこの笑顔を見て落ちない男性はいないだろう。


「ちょいとお待ちになって、何を勝手な事を言ってますの」

「これだから、庶民は」

「ちょっと血筋がいいからなんて威張らないでくださる？二人共」


「「この、腹黒令嬢！」」


この状況を無視していられるアナスタシア様はベアトリスに匹敵する程の大物だろうな。


そんな事を考えながらも何故場違いなお茶会に私が呼ばれているかというと。


彼女達は王子妃の候補だった。
とは言え、第一王子の婚約者は姉であるので、第三王子の婚約者候補となるのだけど。


唯一部外者の私はかなり浮いている。


浮いているんだけど、何故かお茶会の席に呼ばれ。

しかも友人の様に接してもらっている始末だった。


聞けば将来的に私は親族になるからだそうだ。