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第二章

4暴露

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中等部に入って最高学年になって少しは落ち着いたかと思いきや婚約者殿は本当にブレる事がないな。


「アンネローゼ嬢」

「申し訳ありません…」


あんなに情熱的な告白をされてはいそうですかと言えるのはグレスティアぐらいだ。
うん、僕も軽くスルーできるけど。


アンネローゼ嬢は無理だよね。
妖艶だとか、社交界では色々噂を流されているけど、彼女は聡明だが純情だ。


驚くなと言う方が無理だ。
対するルカリオも純粋だからね?


本人はカモフラージュの為に遊び好きな男を演じているに過ぎないのだから。
デートはしても一緒にお茶をする程度だしね?

兄君程の激しい行動はしていない。
それに横恋慕なんてしないあたり、配慮をしている。


・・・・が。


「ちょうどいいですわ」

「ちょっ…」

おお、これはややこしい事になるな。
絶対に余計な事を言うのは確実なのだけど。


「このまま求婚してしまえばよいのですわ」

「ちょっと…」

「アンネローゼ様が好きで好きで仕方なく、苦しいのでしょう?だったら当たって砕けなさい!」

「だから!」


「アンネローゼ様、ルカリオ様はですね」


ここから拷問が始まった。
本人の前で暴露され、ルカリオは遊び好きの男の仮面を被ることもできない程可哀想な表情をしていたが、アンネローゼ嬢は困惑するぐらいで迷惑には思っていない。


元々二人は幼馴染関係で親しい友人だったし、彼女の容姿の所為で社交界で悪い噂を流された時も庇っていたのだから。


でもこれは流石にきついな。


「レティシア嬢!もう止めてぇぇぇ!」

「なんて情けないんですの」

「僕の心を代弁しないでください」


十年以上思いを寄せている相手の前で恋心を暴露されてしまっては困るよね?


男としても情けないけど。


「アンネローゼ様はルカリオ様がお嫌いですか?」

「え…」

「だから…むが!」


でもここは僕も一肌脱ぐとしよう。
アンネローゼ嬢は中位貴族であるが優秀さはあのグレスティアに匹敵する。


何よりレティーの一番の親友だ。
彼女が不幸になればレティーはまた暴走するだろう。


逆に彼女がルカリオの婚約者になればどうだろう?
ルカリオは僕の側近だ。


今後もレティーを手助けする人物としても申し分ない。


「私は貴族の娘として覚悟はしておりました」

「え?」


「ですが、許されるなら大事にされて結婚したいと」


これは、悪くないな。
アンネローゼ嬢の答えを聞いてもしかしてと思う。


「ですが…」

「女性を道具にしている最低最悪の歩く女の敵ですわよ!不幸になるに決まっているでしょう!最後は女性に刺されて地獄ですわ」


レティー。
相手は公爵家の跡継ぎなんだけどね。

社交界で言ったらアウトだよ?


「まぁ、そこまで言うなら独立すればいいんじゃないかな?君は僕の側近だしね」

「えっ…」

「下剋上なさいませ!アンネローゼ様が傍にいればできますわ!誰かに幸せにしてもらうのではなく自分でする覚悟ぐらいないんですの!」


これに関しては賛同するよ。

後はルカリオの頑張り次第…というか、兄君は近い内に勘当されるだろうしね?

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