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第四章

17.耐え忍んだ時間~レイモンドside

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私の病状は良くなる兆しはなかったが薬の量を加減したのでこれ以上悪くはならなかった。

だが、このままでは同じことだ。
主治医には私の病状が悪化している事を伝え、寝たきり状態であることを伝えると奴らは尻尾を出した。


同時に帝都にいるリーナ達に頻繁に手紙を出して現状を報告するように命じていた。
ハント家は古くから仕えてくれている使用人を勝手に解雇したり、下級貴族出身の使用人の実家に圧力をかけたりと散々卑怯な真似をしていたと聞かされる。



許せなかった。
アリアを精神的に追い詰める為に彼等から引き離し、ハント家に逆らった使用人を力で押さえつけていた。


だからその後すぐに、リーナの実家では圧力を受けた事を知り、他にもマミーやばあやの故郷で事故や医師が不足する事態が起きた。

そして事故が起きた。
農村地で火事が起きたのだ。

明らかにおかしいと思い調べたら、農地に火を放った男がいたそうだ。
調べると、その男はハント家に金で雇われた者だと知るのに時間はかからず、このままではアリアの身が危ない。

父上に手紙を送るも、ハント家は父上が領地に戻れないように既に手を打っていた。


だから私は婚約を解消すべくアリアに手紙を出した。
家の為に無理をしなくてもいい。

だが、アリアは自分が魔力がなく公爵家の人間として役目を果たせないことを気にしていた。
何より派閥争いをこれ以上酷くしたくないと願っていた、それこそ奴らが仕組んだ事だったのだろう。

責任感が強く、優しいアリアの性格に付け込んだんだ。
アリアが婚約解消をしたら派閥争いが激化することをジョバンナ妃は叩き込んだのだろう。


ガーナはそこまで頭が良くないからな。

そしてあの馬鹿は幼馴染を堂々と公の場に連れて来て自分達がさも、悲劇の主人公だと言わんばかりに振舞った。

アリアを苦しめる為に。
ガーナはアリアを憎みあのシャロンを愛人にしてアリアを飼い殺しにして公爵家を乗っとるつもりだったのだろう。


あたかも良い姑を演じて、父上の後妻を狙っていたが…。


私を随分と甘く見られた者だ。
だから私はどんなことをしてでも奴等を罰を与えてやろうと思ったが、この病弱な体では事は上手く進まなかった。

だが、天は私達の味方をしてくれた。



苦しみ続けた時間は決して無駄ではなかった。




「これまで、随分と遣りたい放題してくれたな?」


時間はかかったが、お前達を最高の形で償わせてやる。


私の大事な宝を傷つけた罪の重さを知るがいい。


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