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第四章
15.ハント家への疑い~レイモンドside
しおりを挟む幼少期を王都から離れた領地で過ごしていた事もあり、父も多忙だったことで当時は懇意にしていたハント侯爵やガーナが母親を早くに亡くした事もあり、父上も任せることにした。
当初は私の病気が酷く、父上も領主としての仕事や、派閥争いが悪化をしていたので多忙だったのだ。
そんな中、同じ派閥の伯爵領地で問題が起きた。
原因不明の伝染病が原因で、領民は病に苦しみ、更に作物が育たない状況で事態は最悪だった。
とにかくこれ以上、病を広げないようにと対策を行った父であったが。
その病すらも、人為的に行われた悪質な物だった。
当初、帝都内の医師を派遣する権力を独占していたハント家は帝都に医師を留めるも、辺境地等には腕の良い医師を派遣していなかった。
優先すべきは帝都であることは私も承知していたが、それでもなんとかすべく交渉をしていた。
そこでハント家により調合してもらった薬を彼等に与えてもらうことができたが、改善去られたのは一時期に過ぎなかった。
その一年後、副作用により苦しんだ患者は立て続けに亡くなった。
その所為で伯爵領地は窮地に追いやられ、父上は立て直すべく苦悩していた。
苦悩する父上に寄り添うように、ガーナは言葉巧みに近づいていた。
当初はまだ幼かった私であるが、やたらと父上に近づことするガーナに嫌悪感を感じていた。
友人の領域を超えているとまで思った。
度々領地に足を運びながら、私の病状は一時期に比べれば良くなっていると言いながらも、日に日に増える薬に、飲んでも体が重く、良くならないとも感じていた。
熱は下がるも、薬を飲んだ後に足は痺れ、嘔吐も酷かった。
そんな私を心配してばあやが過度な薬の摂取を減らしてくれた。
勿論素人的な見方ではない。
ばあやの縁者に腕の良い薬師がいるからだ。
父上もばあやと相談して主治医を半信半疑の目で見るようになったのだ。
その頃からだった。
薬草や薬に関して研究を始めるようになったのは。
それまでは、シンシア皇女殿下が花や薬草が好きだと言うのでアリアが趣味で育てていたので、一緒に勉強する程度だった。
専門的に研究はしていなかったが、アリアに隠れて毒草を研究するようになる中、辺境地でとある毒草が育てられている情報を父上が入手した。
原因不明の病は本当に偶然なのか。
父上はずっと調べていたのだが、その毒草を食べた虫が毒を撒き散らす事が出来る事実が解った父上はさらに調べることにした。
そしてその毒草を隠れて作らせているのがハント家であることを知ったのだ。
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ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
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