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第四章.ダンジョン攻略大作戦
24.小人
しおりを挟むやたらとデカすぎるキノコの帽子…いや、被り物をしている。
ジーっと俺を見る小さな生き物。
これは一体、何だ?
見てくれは、奇妙な顔立ちをした小さな爺さん。
しかもおかしな被り物をして全身タイツ姿という奇妙な装いをしている。
これまでおかしな年寄りには慣れているつもりだった。
お師匠も色々ぶっ飛んでいたが、ここまで奇妙な爺さんは初めてだった。
「この被り物、随分リアルだな?なんか湿っててブヨブヨしているし」
頭を触ると頬を膨らませて頭を振った。
「怒っているのか?」
頭を触らっるのは嫌らしく、直ぐに頭を触るにのを止めて俺は、できるだけ人目につかないように裏口から寮に戻って行く。
「ん?どうした‥って!おい!」
寮に戻るまでの間、俺の肩に乗っていたキノコは畑の方に走って行く。
「どうした…」
まるで目を輝かせるように見ているのは俺の畑。
「どうした?」
「ピノ!」
「は?」
おかしな泣き声を上げた。
「えーっと…」
「ピノ!ピノピノ!!」
ビシッと指を指す。
「えっと、お腹が空いているの?」
「ピノ―…」
腹部を触りながらしょぼんとした表情をする。
何故か頭のキノコが小さくなった気がするは、どうしたものか。
「何を食べるんだ?」
「ピノ!ピノピノ!!」
キノコはピョン、ピョン飛び跳ね枯れた丸太にすり寄った。
「なるほど、キノコだもんな」
とりあえずキノコを栽培する要領でやってみよう。
悪戦苦闘すること一時間。
キノコは元気になった。
「ピノ!ピノピノ!」
「なんか、頭が膨れてないか?」
「ピノ?」
探索で体力を確認すると満タンだった。
「よし、元気になったな。もうここに来るんじゃないぞ?」
「ピノ?」
「キノコの小人さん、人間界に無暗に足を運んだら危ないぞ」
うんうん。
俺で良かったんじゃないか?
もし理事長が見つけたら――。
『素晴らしい!キノコの神様だ!なんと美しいのだ!これは運命だ!』
『ピノォ!』
うん、安易に想像できる。
キノコの小人さんを見つけて早々に頬ずりした後は愛玩ペットになるだろう。
「これが欲しいならあげるから」
「ピノ…」
栄養が足りなくて力尽きていたのならさっきまで寄生していた丸太を小さくしてあげよう。
「ほら、お家にお帰り。もうここに来るんじゃないぞ」
「ピノ…」
「じゃあな」
迷いんだ小人にサヨナラして俺は寮に帰ることにした。
‥‥のだが、俺は自分の体質を忘れていた。
何故なら俺は人外にはありえないほど懐かれる性質をしていたのだ。
故に――さらなる悲劇に襲われたと気づいたのは翌朝の出来事だった。
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