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第二章
39見え透いた嘘
しおりを挟む「犯人はその女です!」
最後にティーセットに触っていたのはソフィアであるのは事実だが、仮にも王族を指で刺す等無礼にも程がある。
「きっと私達を暗殺しようとしたのね!侍女の介抱だって自分お株を上げるためだわ!でなければ自分のドレスが汚れるのを解っててこんなことできないわ」
「そっ…そうです!ソフィア様が侍女にお茶を…」
「さも具合が悪そうだと言って毒入りのお茶を!なんて恐ろしい人なのかしら」
迷いながらバーバラに続く令嬢達はこれでソフィアを犯人に仕立て上げれば自分達は傷つかないで済むし、ソフィアを罪人に仕立て上げれば王家の権威は失墜し、尚且つエリオルとの婚約は白紙になるだろうと浅はかな事を考えたのだ。
「ソフィア様…」
「頭が痛いですわ。ここまで残念な頭をお持ちだと」
「騎士団の人間として頭が痛いです」
この場にいる騎士や医師達はソフィアが犯人だとは思っていない。
「ちょっと!早くこの女を牢屋に…」
「そうですな。では部屋に仕掛けられているであろう、魔道具がございますので確認しましょう」
「は?」
「王宮内では至る場所に魔水晶が仕掛けられているのです。その時間ソフィア様が毒を仕組んだのか…この茶葉が何時使われたか調査をしましょう」
「なっ…」
バーバラは王宮内に安全の為に魔道具が設置されていたのは知っていた。
しかし、この部屋までとは思わなかった。
そのそも王宮の一室では、王族とその血筋に近しい者はお茶会やサロンの場として使うことが許されている。
その権利をバーバラも持っているのだが、魔道具はあえて設置しなかった。
「どうしました?」
「えっと…」
目を泳がせるバーバラはどうすればよいか解らない。
(まずいわ。映像がもし残っていたら…)
だらだらと汗を流す。
「別に犯人が解っているなら…あえてする必要はないわ」
何とか阻止をしなくてはならない。
ソフィアを犯人だと決定づけさせなくてはならない。
「ソフィア様、お認めになってください!」
「そうですわ。罪を認めないなんてみっともない真似を」
バーバラが傍にいる令嬢二人に視線を送ると焦りながらも罪を認めることを強要した。
「私はやましい事は何もしておりません」
「まだそんな…」
「身の潔白を証明する為にも調査してくださいませ」
バーバラの脅しにも屈しないソフィアは調査を頼み込んだ。
「待ちなさい…」
「では神殿にも伝えましょう。御三方、万一先ほどの言葉が嘘だったのならば解ってますね?」
騎士は三人を睨みつけながら容赦しないと訴えた。
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