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第二章

12朝の争い

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社交界にとってお化粧、ドレスは鎧と同じだった。
特にその昔は化粧は女の戦装束と呼ばれていた理由は女だけの戦いで泣かないためだ。


どんな薄化粧でも泣いたら崩れてそれはみっともない姿になる。


「ソフィア、本当にそのドレスで良いのか」

「そうだ。戦後故に気にしているなら良いのだぞ」

早朝、着替えを終えたソフィアは薄化粧に質素なドレスを望んだ。
戦後で国の財政を考えれば当然だが、フリーレン王国は大国であり貯えもないわけではない。


「私の戦装束はこれで良いのです」

「ソフィア」

「それに、第一王女殿下より目立つのは無礼でございましょう?」

元より派手に着飾る習慣はない。
それでも時と場合を選んできたのだから。

「派手に着飾ることが象徴ではないと思います」

「そうか…そうだな。どんなに美しく聞かざるとも権威とは内からでるのだ」


ローゼマリーは今更にして思う。
気高さとは見た目ではない。


そして誰よりもプライドを持ってきたエリオルが選んだ女性は誰よりも気高いのだと。

「王宮で嫌味を言う者がいたら堂々とするのだ。ノブレス・オブリージュだと」

「はい」

高貴なる存在は義務と責任がある。
義務の為に贅沢をするのではなく、民の為に使うべきだ。


既に王族としての自覚を持って振舞うソフィアを誇らしく思った。


「万一でもお前を侮辱するならば」

「姫様!王宮内で真剣を抜かないでください!」

「案ずるな」

「「「案ずるわ!」」」


本当に王族はめんどくさくて脳筋だ。
どして知能的な王族が一人もいないのだろうかと側近は今日も胃を抑えている。

「ソフィア様、どうか…どうか二人と普通に人間にしてください」

「そう申されましても」

「多くは望みません。普通に玉座に座り、ちゃんと会議に参加する王に」


これまでよくこの国は沈まなかったなと思う。
周りの側近の苦労が安易に想像できるのは切ないところではあるのだが。


「努力いたします」


こんな感じで朝のやり取りが行われたのだが、別の意味で現在ピンチを迎えている最中真っただ中だった。



そう、現在進行形でピンチを迎えていた。


「あら気づきませんでしたわ。本当に地味が装いです事」

「侍女の方がマシですわね」

目の前を素通りするバーバラとその取り巻き達はこれ見よがしにソフィアの服装を馬鹿にしていた。



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