聖女な義妹に恋する婚約者の為に身を引いたら大賢者の花嫁になりました。今更婚約破棄を破棄にはできません!

ユウ

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第一章

38退場の後

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最後の最後まで愚かな行いをした三人を誰もが蔑んだ目で見ていた。


「本当に何所までも馬鹿な男」

「ああ、何だあの寄生虫は」

王女二人はまるでゴミを見るような目をしていた。
王族として、常に民を守ることを第一としている二人はやり方は一国の姫の枠を超えている。

ある意味男よりも男らしい考えを持つ。
なので男の癖に自分で立ち上がることもしない軟弱な考えは大嫌いだった。

二人にとってもっとむ忌むべき存在だったの。
追放だけで済むなんてありえないのだ。


「これで終わった…というわけないよな」

「終わるか?あの狂暴王女だぞ?歩く戦車だぞ?」

エリオルの言葉を否定するようにルクスは断言する。


ローゼマリーは正義感が強い。
しかしただ正義を突き通するだけではないのだから。


「えっと…どういうことでしょう」

ソフィアはローゼマリーの性格をよく知らない。
他国では男装の麗人で戦女神と呼ばれていることぐらいだ。


「ソフィは知らなくていい。いや知らな方が幸福だ」

「世の中知らない方が幸せということもあるんだよ」

エリオルとルクスが知らない方がいいと何度も言う。
実際ソフィアはメティスの本性を知らないのだ。


知っているのはごくわずかだ。

「二人共何か文句でもありまして?」

「そうだ。はっきり言え」

二人の王女に微笑まれ、必死で首をブンブンと振った。


「「なんでもありません!」」


この二人を怒らせたら命はない。
味方の時はこれ以上無いほど心強いが敵になれば最後、明日の太陽は拝めないのだから。


「あの…」

「心配ない。法律に触れるような真似も、非人道的な真似もしない」

「そうですか…」

ソフィアはヘリオスに思うところはあるが復讐を望むことはない。


「少しは怒ればいいんだ」

「それは侯爵閣下も同じだろう」


ソフィア同様にカディシュも過度な要望はしなかった。

「私は彼に何の感情もありません」

「ある意味一番キツイか」

愛情の反対無関心。
ヘリオスはソフィアに対して無関心であったと同時にソフィアもだった。


「正直、これ以上彼の事に時間を使いたくありません」

「そうか。そうだな」

ソフィアがヘリオスに未練を持っているとは思っていない。
しかし根が優しいので同情をしていたらどうしようかと内心で思っていたのだから。


「フンッ!ヘタレめ」

そんなエリオルの心を見透かしたローゼマリーだった。


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