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③
しおりを挟む教皇様の導きにより精神の世界に誘われた。
けれど、勝手が異なる。
これまで私はアクアレーナ様の導きで神域に何度も導かれたことはあった。
だけどイフリートのいる精神の世界は…
「ぎゃあああ!体が!なんだこれ!」
「恐らくイフリートの拒絶でしょうか」
「何でアンタは澄ましているんだよ」
ケロッとしているように見えるが、実際は嘔吐しそうだった。
「私は修業をしておりましたので、この程度はどうにか耐えられます」
「アンタ本当に元王女だよな?ハードボイルドすぎるだろ」
「失礼ですね。過酷な修業は嫁いでからです」
幼少期はそこまで過酷な修業をしていない。
神域に行っても無事に生還できるように集中力を高める修業ぐらいだ。
対して嫁いでからは女神の加護を欲する彼らに無理な修業を強いられたけど。
「あの時の苦痛のおかげで今耐えられてます」
「もう何も言えねぇ…おい、何か明かりが」
身を任せるまま流された先には灯が見えた。
「どんどん大きくなってねぇか?」
「はい、小さな灯がどんどん大きくなって…」
呑気に会話をしていた刹那。
「侵入者めが!」
「うわぁ!」
炎の輪が私達に襲い掛かる。
「何だあの魔力は!」
「イフリートです」
炎の輪が形を変えて私達の前に現れる。
「侵入者よ、何用だ!」
「おい…」
話をしようにも攻撃をしかけられ、話ができない。
「目障りな!加護持ちか」
「私は水の女神、アクアレーナ様の加護を持つエリーゼと申します」
「アクアレーナだと?あのいけ好かぬ女神か!」
イフリートは激怒してさらい攻撃をしかけようとするも、私は炎の攻撃には強かった。
「おのれぇ!」
「おい、おっさん。短気は損気だぜ?話をしようや」
「黙れ!」
言い回しがやーさんみたいだわ。
一応精霊相手なのだけどマクシミリアン様は態度を改める気がまるでない。
「姫さん、どうするんだよ」
「できるだけ穏便に話を進めたいのですが」
「無理だろ」
最初から上手く行くとは思っていなかった。
「とりあえず抑え込むぜ」
「お願いします」
マクシミリアン様は戦闘態勢に入り、物理的な話し合いに変更となった。
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