断罪判定人は錬金術師〜対価は倍にして返してもらいます〜

 鉱物オタクで。ゆくゆくは鉱物関連の仕事をしたいと、様々な伝手を作ってきた。しかし石川紅葉は、再婚相手の連れ子で義姉(ステップシスター)となった美少女のブルーローズに執着されて、都内トップクラスの高校に合格したにも関わらず、同母弟妹を守るため、義姉に味方した親の意向に条件付きで従った。その条件は、大学進学を機に、弟妹と独立、父を始めるする再婚相手母娘と絶縁することだった。だが夢が叶う目前、強行された卒業旅行の際、土砂崩に巻き込まれて昇天。
 天上界で着いて早々、石川紅葉は非凡な才能を見出され、ヴェルデライト・ベリルと名前を変えて錬金術師になる。
 ヴェルデライトのもとへ仕事を持ち込んだ天上界騎士のウォルターは、彼女が宿命で結ばれた妻だと直感、その場で求婚。だがヴェルデライトは、癖と実力のある師匠ジェイ・クオーツハイムに鍛えられた上に、特殊能力で宿命の糸をぶった斬る薬を開発、ちょうど治験者を探していた。ウォルターの仕事を引き受けるのを条件に、ウォルターに治験者になることを要請。もちろんウォルターは危険すぎる治験体になるのを拒絶、そして退却。
 同じ落石事故で昇天したステップシスターのブルーローズが、天上界の国王の正妃となってヴェルデライトの前に現れ、ヴェルデライトを国に迎え入れたいと言い出した。ヴェルデライトにしてみれば、飛んで火に入る夏の虫。ヴェルデライトはブルーローズと国王の絆をぶった斬る治験をやらせろと迫り、ブルーローズは逃亡。
 しかしロックオンした獲物を逃がすほど、ヴェルデライトは甘くない。
 マッドサイエンティストに変貌したヴェルデライト魔の手から、一旦は逃亡できたとウォルターと乳兄弟は安堵するが、ある秘密に気づいてしまったウォルターのもとに、ヴェルデライトより危険な人物がウォルターの前に現れる。ヴェルデライトは、天上界でもせっせと、厄介な敵を排除する対策として、人脈を伸ばしていたのだ。
 人間だった頃は、弟妹を守るために、親とブルーローズに従った石川紅葉。だが錬金術師ヴェルデライトに進化したいま、貸しは利息付でキッチリ耳を揃えて返してもらいます。
 それぞれの愛のベクトルはどこへ向かい、どのようにしてヴェルデライトに、へし折られていくのか?
 天上界で2番目に危険な魔術師ヴェルデライト・ベリルは、義理人情には厚いが、歯向かう敵には容赦しない。
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