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第二十一話 ぱおん②
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お菓子作りが一段落したのだろう。ふぅと一息ついたオロンが、立ちくらみに襲われたのかヨロリとよろけた。
よろけた先にはアルエがいた。アルエはオロンに背中を押される形となり、あわわわと前のめりのまま前進。何とか転倒を防ごうと、とっさに手を出す。
アルエがむんずと掴んだのは、サイズの合っていないルフォートのズボンだった。ついでに言えば、ズボンごと下着までしっかり掴んだらしかった。
アルエは抵抗虚しく、ルフォートのズボンと下着を勢いよく引きずり下ろして転倒。
つまり――
キュロットの目の前で、ルフォートの息子がぱおんした。
「!?!!???!」
パニックに陥ったキュロットの目玉がぐるぐると渦を巻き、助けを求めるように私を見やる。
ちなみにこのとき私は、距離的に決して届きはしないが、アルエの転倒を防ごうと反射的に手を前に突き出していた。
……ここでキュロットとの会話を思い返してみよう。
高笑いするタイミングがわからないと悩んでいたキュロットに、私は確かに言った。
「そうね。しばらくは私が合図を出すわ。こう、両手を突き出そうか。それならわかりやすいでしよ」
その会話を思い出したのだろう。キュロットはこくりと一つ頷き、右手の甲を左頬に当てて、
「オーッホホホ! オーホッホッホッ!!」
それはそれは見事な高笑いでした。
きっとパニックになっていた分、余計な力が抜けたんだと思います。
私はハッとなってブンブンと頭を振る。
「ち、違うの! キュロットそうじゃなくて!」
しかし私の言わんとすることを誤解したらしいキュロットは、忘れていましたわとばかりに頷き、練習の成果を発揮する。
「オーッホホホ! なんて貧相なのかしら!? オーホッホッホッ!!」
状況が悪化したあぁぁぁぁ!!
それ、ぱおんしてるルフォートの息子を眺めながら言ったら絶対に駄目な台詞うぅぅ!!
お茶会がハチの巣をつついたような騒ぎで満たされる中、あまりの出来事に固まっていたルフォートがようやく動いた。ズボンを神速で引き上げ、逃げるように教室を後にする。
(お、追いかけたほうがいいかしら!? あぁでもその前にアルエが怪我してないか確かめないと! いやキュロットを落ち着かせるのが先!? というかお茶会のこの状況どうすればいいの!?)
私は何に手を付ければいいかわからず、途方に暮れるのだった。
よろけた先にはアルエがいた。アルエはオロンに背中を押される形となり、あわわわと前のめりのまま前進。何とか転倒を防ごうと、とっさに手を出す。
アルエがむんずと掴んだのは、サイズの合っていないルフォートのズボンだった。ついでに言えば、ズボンごと下着までしっかり掴んだらしかった。
アルエは抵抗虚しく、ルフォートのズボンと下着を勢いよく引きずり下ろして転倒。
つまり――
キュロットの目の前で、ルフォートの息子がぱおんした。
「!?!!???!」
パニックに陥ったキュロットの目玉がぐるぐると渦を巻き、助けを求めるように私を見やる。
ちなみにこのとき私は、距離的に決して届きはしないが、アルエの転倒を防ごうと反射的に手を前に突き出していた。
……ここでキュロットとの会話を思い返してみよう。
高笑いするタイミングがわからないと悩んでいたキュロットに、私は確かに言った。
「そうね。しばらくは私が合図を出すわ。こう、両手を突き出そうか。それならわかりやすいでしよ」
その会話を思い出したのだろう。キュロットはこくりと一つ頷き、右手の甲を左頬に当てて、
「オーッホホホ! オーホッホッホッ!!」
それはそれは見事な高笑いでした。
きっとパニックになっていた分、余計な力が抜けたんだと思います。
私はハッとなってブンブンと頭を振る。
「ち、違うの! キュロットそうじゃなくて!」
しかし私の言わんとすることを誤解したらしいキュロットは、忘れていましたわとばかりに頷き、練習の成果を発揮する。
「オーッホホホ! なんて貧相なのかしら!? オーホッホッホッ!!」
状況が悪化したあぁぁぁぁ!!
それ、ぱおんしてるルフォートの息子を眺めながら言ったら絶対に駄目な台詞うぅぅ!!
お茶会がハチの巣をつついたような騒ぎで満たされる中、あまりの出来事に固まっていたルフォートがようやく動いた。ズボンを神速で引き上げ、逃げるように教室を後にする。
(お、追いかけたほうがいいかしら!? あぁでもその前にアルエが怪我してないか確かめないと! いやキュロットを落ち着かせるのが先!? というかお茶会のこの状況どうすればいいの!?)
私は何に手を付ければいいかわからず、途方に暮れるのだった。
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