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第九話 サポートキャラ
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俺は天然ドSなどではない。ないばずだ。
しかし、なんというか。亀甲縛りされたまま、恥じらいに耐えるよう身じろぎするセリスの姿は、俺の悪戯心をくすぐる。
「セリスの言うことは最もだけど、女の子を縛ったままっていうのは、俺の良心が痛むからなぁ」
「私なら大丈夫よ。これは訓練だから気に病むことはないわ」
「そう言われてもな。まあ、セリスが解いて欲しくないって、自分の口で言ってくれたなら、少しは気も楽になるんだけど」
俺は横目でセリスの顔色をうかがう。
セリスは目顔で「イジワル!」と訴えかけていたが、欲望には抗えなかったらしい。
潤んだ瞳で俺のことを見つめると、震える唇を開いた。
「……お願い。このまま……ほどか、ない……」
と、その時だ。
すぐ傍の草むらからガサガサと物音がしたかと思いきや、中からぴょんと、影が飛び出してきた。
両手で抱えられるほどの大きさで、グリーンの半透明な身体。巨大なゼリーを思わせるそれは、ゲームなどでおなじみのスライムである。
〈お客様、お楽しみの途中ですが、モンスターが現れました!〉
「べ、別に楽しんでねえし!」
俺はスライムと対峙して身構えた。
スライムはこちらの様子をうかがっているようで、攻撃こそしてこないが、表情も何もないので不気味である。
「とりあえずセリスの緊縛を解いて、スライムにスキルを使ってみるか」
「えっ、そんな! 話が違うわ!」
「いや、そう言われても。だってモンスター出てんだよ? いまスキル使わないでいつ使うの?」
困惑しつつセリスの説得を試みていると、相談窓口が横から口を挟んできた。
〈お客様。相手は全身を変幻自在に操るスライムです。『亀甲縛り』のスキルでは、ロープの隙間から脱出されてしまうでしょう〉
「マジかよ」
俺は相談窓口の言葉を受け、スライムのことをよく観察してみた。
その場で全身をうねうねと動かしているスライムの柔軟性は驚異的で、確かに亀甲縛りの隙間から難なく抜け出せそうである。
「それじゃどうすりゃいいんだ? 素手とかでダメージを与えられんのか?
あっ、そういえばセリスは剣を装備してたよな」
「そう、ね。でも私は、んっ。今はあまり身動きが、とれない……」
「だからロープ解こうって言ってるじゃん!」
もういい。さっさとスキル解除しよう。
早速行動に移そうとしたとき、相談窓口が再び口を開く。
〈お待ちくださいお客様。伝えそびれていましたが、昨日のオーク討伐で経験値を得たおかげでスキルポイントが貯まっております。
ポイント使用すれば新たなスキルを得ることができますが〉
「ホントか!? それ早く言えよ、もちろんポイント使って新スキルをゲットするぞ」
〈かしこまりました。それでは、新たに獲得するスキルのことを思い描いてください〉
「思い描くって、具体的にはどうすりゃいいんだ?」
〈お客様がこれまで使用したSM道具のことを思い浮かべるのです〉
「やっぱりかよクソが!」
悪態をつきつつも、俺はSM道具、つまりはじいちゃんとの思い出を脳裏に再生するのだった。
しかし、なんというか。亀甲縛りされたまま、恥じらいに耐えるよう身じろぎするセリスの姿は、俺の悪戯心をくすぐる。
「セリスの言うことは最もだけど、女の子を縛ったままっていうのは、俺の良心が痛むからなぁ」
「私なら大丈夫よ。これは訓練だから気に病むことはないわ」
「そう言われてもな。まあ、セリスが解いて欲しくないって、自分の口で言ってくれたなら、少しは気も楽になるんだけど」
俺は横目でセリスの顔色をうかがう。
セリスは目顔で「イジワル!」と訴えかけていたが、欲望には抗えなかったらしい。
潤んだ瞳で俺のことを見つめると、震える唇を開いた。
「……お願い。このまま……ほどか、ない……」
と、その時だ。
すぐ傍の草むらからガサガサと物音がしたかと思いきや、中からぴょんと、影が飛び出してきた。
両手で抱えられるほどの大きさで、グリーンの半透明な身体。巨大なゼリーを思わせるそれは、ゲームなどでおなじみのスライムである。
〈お客様、お楽しみの途中ですが、モンスターが現れました!〉
「べ、別に楽しんでねえし!」
俺はスライムと対峙して身構えた。
スライムはこちらの様子をうかがっているようで、攻撃こそしてこないが、表情も何もないので不気味である。
「とりあえずセリスの緊縛を解いて、スライムにスキルを使ってみるか」
「えっ、そんな! 話が違うわ!」
「いや、そう言われても。だってモンスター出てんだよ? いまスキル使わないでいつ使うの?」
困惑しつつセリスの説得を試みていると、相談窓口が横から口を挟んできた。
〈お客様。相手は全身を変幻自在に操るスライムです。『亀甲縛り』のスキルでは、ロープの隙間から脱出されてしまうでしょう〉
「マジかよ」
俺は相談窓口の言葉を受け、スライムのことをよく観察してみた。
その場で全身をうねうねと動かしているスライムの柔軟性は驚異的で、確かに亀甲縛りの隙間から難なく抜け出せそうである。
「それじゃどうすりゃいいんだ? 素手とかでダメージを与えられんのか?
あっ、そういえばセリスは剣を装備してたよな」
「そう、ね。でも私は、んっ。今はあまり身動きが、とれない……」
「だからロープ解こうって言ってるじゃん!」
もういい。さっさとスキル解除しよう。
早速行動に移そうとしたとき、相談窓口が再び口を開く。
〈お待ちくださいお客様。伝えそびれていましたが、昨日のオーク討伐で経験値を得たおかげでスキルポイントが貯まっております。
ポイント使用すれば新たなスキルを得ることができますが〉
「ホントか!? それ早く言えよ、もちろんポイント使って新スキルをゲットするぞ」
〈かしこまりました。それでは、新たに獲得するスキルのことを思い描いてください〉
「思い描くって、具体的にはどうすりゃいいんだ?」
〈お客様がこれまで使用したSM道具のことを思い浮かべるのです〉
「やっぱりかよクソが!」
悪態をつきつつも、俺はSM道具、つまりはじいちゃんとの思い出を脳裏に再生するのだった。
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