上 下
34 / 39
2章3〜4歳

白虎さんとご挨拶

しおりを挟む
-side アクシア-


「なんだお前か」


 青龍様が警戒を解く。


「あら?青龍さんもこっちにいらっしゃったの?私も神の子の気配を察知してこっちにきちゃったわ」
「うむ。此奴の近くはなかなか居心地がよくてだな。居座っておる」
「ずる~い。あたしもしばらくいさせてもらおうかしら?」


 いや、だれー?
 ちょっ……!勝手に居座られても困るんだけど?
 でも、ものすごい威圧感あるから聞くに聞けないよ!どーしよー!


「あの……どなたでしょうか?」


 そんなことを思っていると、パパンが意を決して聞いてくれる。えらい!俺、ちょっとビビちゃった!ちょっとだけだよ?


「ああ、申し遅れました。私白虎と申します!普段は山の中を転々と生活しています」


 白虎!!青龍様と同じで四神獣の一角だ。
 前にエリックに習ったやつ!
 ちなみに鑑定さんによると、青龍様は春や生命力を象徴するのに対して、白虎は秋や収穫、強さや勇敢さを象徴するらしい。
 てことは、白虎さんがいるだけで、ここら辺の収穫が豊作になって、領地が豊かになる可能性があるってこと!?
 強さや勇敢さを象徴しているだけあって佇まいも堂々としている。だから、俺がちょっとだけビビるくらい威圧感あったんだね!ほんのちょっとだけ。
 白虎さんすごくない?是非君を我が家にスカウトしたいところだ。
 決してビビってなんかいないけど、深呼吸をして挨拶する。


「白虎さんこんにちはー!」
「あら?あなたが神の子……お名前はなんていうのですか?」


 白虎さんは優しく花を擦り付けてくる。
 やっぱりちょっと、怖い。けど平気。


「アクシアだよー!」
「アクシア!良い名前ですね!よろしくお願いします!」


 こちらが困っていることを察してか、青龍さんより大分強者の気配を抑えてくれた。
 助かるー。会話が通用しそうだ。なかなか理知的みたい。


「それはそうと、なんできたの?」
「あ、そうだ!私、フリスビーを遠くから見ていたら、居てもたってもいられなくなちゃって!」


 前言撤回。フリスビーをしにわざわざここに来るのは理知的ではないかもー。
 というか、遠くからってどのくらいなんだろう?なんとなく、聞くの怖いなー。
 でもでも。


「フリスビーたのしーよー」
「ですよねー。私も魔眼を通してこちらの世界を色々見ていたのですが、そのなかで貴女のところの遊びがすば抜けて面白そうだからきちゃいました~」
「おおーー!まがん!」


 やっぱり、すごい遠く……、というかこの世界でもないみたい。むむむ……、俺みたいに異世界から来たのかな?それとも、神獣だけが住んでいる楽園があるとか?これは調査が必要ですな!
 それにしても白虎さん。なかなか、お茶目でフットワークが軽いらしい。一緒に遊んでて楽しい相手なのかもしれない。


「色々聞きたいことは沢山あるけど、まあ、それを今聞くのもねえ」
「そうだな。とりあえず、今はみんなでワイワイしますか!」


 こうしてフリスビーとボールで遊ぶ事になったのだった。


--------------------------
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

私のスローライフはどこに消えた??  神様に異世界に勝手に連れて来られてたけど途中攫われてからがめんどくさっ!

魔悠璃
ファンタジー
タイトル変更しました。 なんか旅のお供が増え・・・。 一人でゆっくりと若返った身体で楽しく暮らそうとしていたのに・・・。 どんどん違う方向へ行っている主人公ユキヤ。 R県R市のR大学病院の個室 ベットの年配の女性はたくさんの管に繋がれて酸素吸入もされている。 ピッピッとなるのは機械音とすすり泣く声 私:[苦しい・・・息が出来ない・・・] 息子A「おふくろ頑張れ・・・」 息子B「おばあちゃん・・・」 息子B嫁「おばあちゃん・・お義母さんっ・・・」 孫3人「いやだぁ~」「おばぁ☆☆☆彡っぐ・・・」「おばあちゃ~ん泣」 ピーーーーー 医師「午後14時23分ご臨終です。」 私:[これでやっと楽になれる・・・。] 私:桐原悠稀椰64歳の生涯が終わってゆっくりと永遠の眠りにつけるはず?だったのに・・・!! なぜか異世界の女神様に召喚されたのに、 なぜか攫われて・・・ 色々な面倒に巻き込まれたり、巻き込んだり 事の発端は・・・お前だ!駄女神めぇ~!!!! R15は保険です。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

チート転生~チートって本当にあるものですね~

水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!! そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。 亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

まさか転生? 

花菱
ファンタジー
気付いたら異世界?  しかも身体が? 一体どうなってるの… あれ?でも…… 滑舌かなり悪く、ご都合主義のお話。 初めてなので作者にも今後どうなっていくのか分からない……

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

Age43の異世界生活…おじさんなのでほのぼの暮します

夏田スイカ
ファンタジー
異世界に転生した一方で、何故かおじさんのままだった主人公・沢村英司が、薬師となって様々な人助けをする物語です。 この説明をご覧になった読者の方は、是非一読お願いします。 ※更新スパンは週1~2話程度を予定しております。

処理中です...